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付録設定集 『妄想図鑑』がこの異世界を塗り替える! 〜英雄トランザニヤの末裔とその仲間たち〜  作者: 楓 隆寿


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18/19

フィルテリアの朝 〜鍛えるティグル〜



 お久しぶりの更新ですΣ('◉⌓◉’)


挿絵(By みてみん)


 朝日が差し込むこの崖下の家、砂利と岩だらけの小さな庭では、

 今日も腕立て伏せを1000回こなすーー

 汗まみれの獣人が茶と黒の縞模様の尻尾を折り曲げながら立ち上がり、

 息をつく。


 「ふぅ……次はスクワット1000回にゃ」


 そう漏らす彼女の額から溢れる汗が、

 谷に吹きこむ冷たい風と相まって、白い蒸気を纏いながら滴り落ちる。

 その爽やかな香りを漂わせる雫は、日差しを反射させキラキラと輝いた。


 自身の影を見ていた彼女は、ふと蹲踞の姿勢を取り、

 両手を掲げ、一気に下ろす。

 その反動とも言える勢いが彼女の折り曲がった膝を伸ばした。


 「1、2、3……」


 息も切らせずーーカウントする彼女の凜とした声に起こされたのか、

 崖上のブラック・ロック・バードの雛たちが巣の中から顔を出す。


「チチチ」

 

 屈伸運動を続ける彼女の茶色の獣耳が、雛たちが囀るたびに、ぴくりと動く。

 その動作とともに、彼女の豊かな胸元が毎回弾んでいた。


挿絵(By みてみん) 


 


 ーーここはフィルテリア。

 ズードリア大陸唯一の亜人国家。

 その国は合議制で5人の長老たちが治めていた。



「998、999、1000……はぁはぁ」


 肩で息をする彼女はスクワットをやり遂げ、

 全身汗まみれのまま、ストレッチを始めた。

 彼女が柔らかい四股をほぐしながら昇る朝日に見惚れていると、

 ーーギィィィッと、見下ろす崖の下から扉の軋む音が谷底まで響いた。

 その刹那、芳しい香りが漂い、彼女の敏感な鼻腔をくすぐる。

 

「ティグルや、朝食ができたよ。

 あなたの好物のクリームシチュウを作ったから食べなさい」


 崖下から柔らかい声が聞こえたその瞬間、

「オブニビヤばぁちゃん。嬉しい!今、行くにゃ!」と、

 崖の上のティグルは10m(メージ)はあろうーー

 その高さをフッと口元を緩めながら飛び降り、優雅に着地を決めた。

 

 「ティグルや、階段があるのに……困った孫だこと。

 ささ、シャワーを浴びてきなさい」


 渋い顔をしたままだが、口元は緩むオブニビヤのその声は、

 優しさと愛情が滲んでいた。

 


挿絵(By みてみん)

 

 開かれた扉の先にあるダイニングテーブルには、

 焼きたての柔らかなパンと、水気も滴る緑の新鮮なサラダ。

 それぞれ木製の器を華やかに彩っていた。


 竈の炎が橙に燃えながらパチパチと音を立てる中、

 湯気をほのかに立ち上げるーー

 クリームシチュウが鍋の中でぐつぐつと音を立て泡を弾けさせる。

 

 足を止め、覗き込むティグルが鼻をひくつかせ、

 笑みをこぼしながらその先のシャワールームに向かった。



 しばらくすると、湯気を立ち昇らせるティグルが、

 その鍛えられた両腕につく水滴も厭わず、

 白いタオルで獣耳の中を拭う。


 「ふぅ、さっぱりしたにゃ。

 お腹すいたーーばぁちゃんも一緒に食べようにゃ」


「また、タオルを巻いたままの姿で……

 ティグルや、その格好、なんとかならないのかね」


 オブニビヤの小言など日常茶飯事と言わんばかりの表情で、

 ティグルは気にせず、フォークを握り締めた。


 挿絵(By みてみん)


 「いただきまーーす」


 椅子に腰掛け、早速サラダをむしゃむしゃ食べるティグルに、

 さっとよそった熱々のクリームシチュウをそっとテーブルに置くオブニビヤ。

 

 片手にはフォーク、もう一方にはスプーンを握りしめ、

 口元を綻ばせるティグルがスープをひと匙掬う。

 鼻で香りを楽しむティグルだが、間髪入れずにそのままパクつく。

 

 「……あっつ! でも……はぁ……つつ……おじゃが、ほろほろで美味いにゃ!」


 「慌てなさんな。シチュウは逃げやしないよ」


 そう言ってオブニビヤが笑った。


 ーー和やかな食事もひと段落。

 「美味かったにゃ」と、お腹をさするティグルに、

 オブニビヤが一通の手紙を差し出した。



 「冒険者ギルドの本部長、ハンニバルからの呼び出しさね。

 長老のあたしの元に届いたあんたの招集状さ。

 ーーティグル、あんたもS級になったんだ。

 本部からの呼び出しには、従わないといけないさね……」


 オブニビヤの言葉にティグルが無言で頷いた。


 それから3日後の朝、


「くれぐれも力を制御すること。暴走しないようにね」


 オブニビヤが旅立つティグルの背中を見送りつつ声をかける。

 祖母に振り返ったティグルが笑いながら手を振った。


「ばあちゃん、いってくるんだにゃ」


 ティグルの声がフィルテリアの青空に響いたーー。





─────────────────────


 

  名称:ティグル・オブニビヤ 

  種族:獣人

  性別:女

  年齢:23歳

  分類:虎系(オブニビヤの血統・魔獣フェンリルの血を引く)

  性格:お転婆で奔放。 気性は激しいが優しい心根の持ち主。

  装備:2丁の魔導銃ーーショート・ベレッタを装備。 

 

  

 【血統・系譜】

  フィルテリアの5長老の一人、オブニビヤの孫。

  アリーとは従姉妹である。

  【メデルザード王国国家安全保障組織】

 (Kingdom of Medelzard National Security Organization)。

 通称【KOMNSO】で勤務していたが、

 魔族四天王ーーゾルザックとの戦闘の際、

 双子の姉グルガを亡くし、その職を辞する。


 その後ーー故郷のフィルテリアに帰り、冒険者となる。

  

 ーー冒険者ランクはS級。

 二つ名は『胸も弾けるスナイパー』  


 ハンニバルに呼び出されたーー

 メデルザードの冒険者ギルドの本部で、

 並々ならぬ冒険者たちとの会議の最中、

 ティグルは大胆にも椅子に首を預け、微睡んでいた。


 挿絵(By みてみん)


 「獲物にゃ……」


 寝言を言いながら魔導銃を握りしめるティグルだった。


 

 ハゴネの山間でアカリやジュリの外戚に当たる、

 風代華に【霊獣換装(フェラル・シフト)】の神代魔法を駆使され、

 巨大な虎の姿へと変えられた。

 

 だが、華を気に入り、

 パートナーとして、魔族を狩る旅に同行する。


 魔族が動きを見せる中、華とともにゴクトーのために魔族退治に奔走。

 たまに天界に呼び出されーーうんざりする虎姿のティグルであった。

 


 挿絵(By みてみん)














 

 




 

 このエピソードは仲良くしていただいております、

『黒鍵』様をモデルにしたーー『黒鍵鳥(ブラック・ロック・バード)の雛』に、

 特別友情出演していただきました。


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『転生忍者は忍べない ~今度はひっそりと生きたのですが、王女や聖女が許してくれません~』

 作者:黒鍵様


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 【小説家になろうサイト】でしか読めません。


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『桃源 華』様をモデルにした『風代華』ーー

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 華ちゃんはカクヨム、

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 こちらも読んでいただけたら私も嬉しいです☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆




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― 新着の感想 ―
ティグルさんの紹介と日常、とても楽しめました。 朝から腕立て伏せ千回、スクワット千回をこなす場面は、さすがS級冒険者という感じでした。お転婆で豪快だけれど、雛鳥の声に耳が動くところなど、獣人らしい可…
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