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神様(仮)達の日常  作者: 葛葉 シナチク
8月
89/308

夏だ!メールだ!遊園地だ! 前編



「あ"〜…」


クーラーがガンガンに効いた部屋でやる気の無い声を出す。


時は学生の天国、夏休み。

8月の太陽から身を隠す様に引きこもる毎日。


床の上でごろごろしながら至福のひと時を過ごしていると、急に携帯が鳴った。


開いて見るとメールが入っていた。

真照からの様だ。


ーーーー

宛先:幸神 万

差出人:日神 真照

件名:一緒に出掛けないかしら?

ーー

最近出来たテーマパーク、『バナナーランド』って知ってるかしら?

あたしそこに行きたいのよ!

万も一緒に行かないかしら?

明後日に足藁駅に集合でどうかしら?

良い返事を待ってるわ!

ーーーー


バナナーランド、かあ。

最近CMで見たな。


バナナをモチーフとした遊園地だったか。

確かにここから電車で行くなら近いところにあるな。


俺はぽちぽちと返信を入力する。


ーーーー

宛先:日神 真照

差出人:幸神 万

件名:了解

ーー

分かった。

明後日、足藁駅だな。

おやつは300円までか?

ーーーー


ボタンを押して送信する。

こんな感じで俺のバナナーランド行きが決定したのであった。


☆☆☆


当日、足藁駅。

よく駅の前とかにあるよく分からないモニュメントの前に立っていると。


「あ、万、待ったかしら?」

「いや。今来た所だ」


真照がやって来た。

白のふわっとしたロングスカートに、白地のシャツ。その上にジーンズ生地の上着を着ている。

バックは肩掛け式の様だ。


俺の服は白Tシャツにジーパンのシンプルな服装だ。

真照の横にいると全く目立たない。


「さ、行きましょ」

「え、真照と俺だけなのか?」

「えっ、ええ、そうよ!」


えっ待てそれってデートって奴じゃって真照待て!逃げんな!


改札口に向かって逃げて行く真照を追って俺は駆け出した。


☆☆☆


足藁駅から電車で揺られる事1時間。

俺達はバナナーランド前に着いた。


見渡す限りバナナバナナバナナ…。

何処を見てもバナナが視界に入らない所は無い。


「こりゃすげぇな…」

「さ!行きましょ!万!」


真照が入場口に向かおうとした、その時。

近くの茂みが、揺れた。


「「……!?」」


そこから黒い影がサッと一つ飛び出して来る。

葉っぱまみれのその人物は…。


「僕を差し置いて真照ちゃんとデートだなんて…。羨まs…良い度胸じゃないか。幸神くぅん…!」

「お ま え か よ」


般若の形相をしたその人物、夜神はふらふらしながらこちらに近づいて来る。

さながらゾンビだな。

何人かこちらをちらちら見ながら引いてるぞ。


夜神の私服は黒Tシャツに灰色のズボンだな。

首によく分からないネックレスをかけている。


それを見た多分女子高生と思しき集団が振り返る。

そして、頰を染めた。


うん。普通にしていれば服も悪くないイケメンに見えるんだろう。

中身はアレだが。


それに続いて橙色の物体Xがふらふらと近づいて来る。

背中に水色の物体Yを背負ったそれは、涙を滝のように流しながら俺に近づいて…鼻水を俺のTシャツで拭った。


「おい、楽雪。おい」

「あ"あ"こ"わ"か"っ"た"!ホ"ク"み"ち"わ"か"ん"な"い"!

 ち"ず"き"ら"い"〜!!」


もはや何を言っているのか理解不能だがとりあえず怯えているのが分かった。

俺のTシャツは楽雪の涙と鼻水でぐしょぐしょだ。

ちくせう。


そして後ろから声がかかる。


「災難だったね。お兄ちゃん。」

「何でこころまで居るんだよ…」


こころと楽雪は制服だな。

休日でも制服を着ているのか?


急に現れたいつものメンツを見て真照は顔を引きつらせていた。

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