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神様(仮)達の日常  作者: 葛葉 シナチク
6月
54/308

ペットは飼い主が責任を持って飼いましょう



体育祭から数日後。

俺達はA組の担任の剣神(つるぎがみ)とやらの所へ向かっていた。


何でも、俺達への依頼だとか。


「……。」

「一体どうしたんだよ、こころ…」

「…何でもない。」


話を聞いた時からこころの機嫌がすこぶる悪い。

普段はジト目の無表情なのに今は一目でわかるほど怒りの感情が見えた。


「嫌いなのか?」


俺の問いにこころはコクリと頷く。


「デス○ートを拾ったら真っ先に名前を書く位には。」

「ええ…」


そんなに?結構嫌な先生なのかもしれない。


「んー、でも、そんなに悪い人には見えないわよ?」


真照が顎に指を触れさせながら首をかしげる。

純粋にそう思っている様だ。


「一見するとね。滅茶苦茶ダンディなイケメンだし、イケボだし、態度も悪くは無い。」

「なら、何でよ?」


つくづく思うが、俺の周りの人美男美女ばっかりだな。

俺の顔は自分で言うのもなんだが普通だ。決して悪くは無い筈なのだ。

でも、こんなに美男美女ばっかりだと見劣りするだろう。

俺もイケメンに生まれたかった。


「性格がクズ過ぎる…。」

「あー、うん。そうなのね…」


真照が理解したとでも言う様に頷く。

成る程、剣神はクズ…っと。


俺達の教室…B組の教室は2階の端の方だ。

そして、職員室も1階の端の方だが、B組の方とは真逆の方だ。


少しだけ遠くて時間がかかる上にこころが亀並みに遅く歩く。そんなに嫌か。


こころを振り返りつつ進む。ナメクジの方が速いんじゃ無いかと思う位遅い。


めんどくさい。このままいっそ運んじまおうかと考えていると、こころの後ろに何やら白い点が見えた。


白い点は徐々に近づいて来る。

それを見た生徒達からは驚きの声が上がった。


空中を飛んでいるあれは何だ?と思っている内に、


ゴンっ! バサバサバサ


後ろを見ていないこころの頭とぶつかった。


こころは不意の痛みに頭を抱えて悶絶している。


空を飛んでいた白い物体も廊下に落ちている。


これは…


「鳥だね」


夜神が分析する。大体は白い羽毛だが一部の羽毛は黒い。変わった羽毛の様だ。


痛みが少し引いたのか、こころが鳥をまじまじと見ている。


「これ…フクロウ?」

「ぴよ」


…フクロウって『ぴよ』って鳴くのか?

確かに見た目はフクロウに似てるが…。


「ううんと…フクロウみたいね」

「ポッポー」


今度は鳩じゃないか!鳴き声間違えてる!本当にフクロウなのか!?


「あ、首輪ついてる…。」


鳥に首輪?と思ったら確かに首輪だった。

だが、リボンっぽくも見えるな。


「名前、かな…?」


よく見ると鑑札がついている。

そこには『(きゅう)』と書いてあった。


「…飼い主の名前や住所は書いてないね。」


宮はこころの頭の上にのって丸くなっている。

大福っぽい。


「飼い主…この学校の人かな?」

「多分な。真照、何か分からないか?」

「うーん…。飼い主の名前は分かるんだけれど、それ以外の事はわからないのよね」

「そうか…」


とりあえず保護しとくか。

チラシでも作って貼れば、この学校にいるんなら飼い主は気づくだろう。


「それで…誰が保護する?」


こころが頭にのった宮を取り外そうとする、が。


「痛い痛い痛い。」


宮が足でこころの髪の毛を掴んでいて離れない様だ。


「こころに懐いているみたいだから、こころが飼えばいいんじゃないか?」

「うん。そうする。」


こころは宮の頭を撫でた。

宮は気持ちよさそうに目を細めた。

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