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神様(仮)達の日常  作者: 葛葉 シナチク
6月
55/308

鑑定が効かないのは強者



「失礼します」


コーヒーの匂いが香る。

ここは職員室だ。


「剣神先生に用があって来ました」


そう言うと、奥の方から手が上がるのが見えた。

どうやらあそこにいるみたいだ。


近づいていくと、そこにはダンディなイケメンがいた。


黄色い髪の毛は一房だけ伸びていて後ろで縛られている。クセがついているのか、雷の様に曲がっている。

顎にはヒゲが少し生えている。

目は鋭く、顔は彫りが深くこころに負けず劣らずの美貌だ。

服は紺色のベストにズボン。ネクタイはしておらず、シャツは胸元が見える位開いていた。


「オレが剣神だ。ここにいるのは幸神、日神、夜神、智神でいいな?」

「はい」


うん?何だ?真照を見た時僅かに目を見開いた様な気がした。


ちなみにその真照はしきりに目をこすっている。

かゆいのか?


「オレからお前達に依頼したいのは雷獣の保護だ」

「…雷獣?」


教えて!こころ先生!


「雷獣っていうのは、雷と一緒に落ちて来るって言われている犬っぽいお化けだよ。」

「へえ!犬!それの保護?」


夜神が興味深そうに聞いてくる。

真照と同じく犬が好きなのか?


「そうだ。最近梅雨でよく雷が降る。その時に落ちてきた雷獣を保護して欲しい」

「何で保護なんですか?」


真照が不思議そうに聞く。

確かに何で保護なんだ?


真照が質問すると柔らかい笑みを浮かべて真照の手を取った。

いきなり手を取られた真照は困惑している。

こころは呆れた目で剣神を見ている。


「麗しいお嬢さん。確かにその質問はもっともだ」


…夜神からギリッと歯ぎしりの音が聞こえた。

凄い形相になっているのだろう。怖くて見れない。


こころ?こころは目から光線が出せそうな位苛立っている。よっぽど嫌いなんだな…。


「雷獣は其処まで強くないお化けだ。倒さなくても害は無いし、落ちて来た時にケガをしている事が多い。そのケガを直すのが目的だ」


やっている事は善良っぽいが…。

こころが「クズ」って言っている理由が分かった気がする。女癖が悪そうだ。


「でも何処にいるか分からないじゃありませんか。どう探すんですか?あと、触らないでください」


真照がぺいっと手を振り払う。

その手を名残惜しそうに少しだけ追う剣神の手。


「現代の世の中で基本的に雷が落ちるのは避雷針が設置してある所だ。だから、雷の夜にこの学校の屋上にいればおそらく見つかるはずだ」

「夜の学校ねえ…」


嫌な思い出しか無いんだが。

花子さんとか花子さんとか花子さんとか。


まあ流石にもう出て来ないとは思うが…。


「という訳で明後日の夜にこの学校に来い。じゃあな」


有無を言わさず剣神は去ってしまった。


☆☆☆


「あたし、雷獣の件は良いとしてもよく分からない所があるのよね」

「どうしたんだ?」


職員室からの帰り道。

真照は何やら唸っていた。


「あの先生、鑑定が効かないのよ」

「…え?」


真照の鑑定が効かない?

目をこすっていたのは見えなかったからか?


「うーん、可能性はいくらでもあるけれど、1つは圧倒的上位者の可能性。ほら、よくラノベとかであるでしょ?鑑定が圧倒的強者に効かないとか」


夜神が考えを示す。

確かにありそうだな。


「もう1つは無効化の神力とか?ありそうじゃない?」


あー、こっちもあり得るな。


剣神についてはよく分からないな。

こころが俯いて何かを考えているのが気になった。

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