↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様(仮)達の日常  作者: 葛葉 シナチク
5月
29/308

可愛いもふもふには毒がある

ペット枠(?)の登場です。



「最近ね、あたし、不幸なのよ…」


そうどんよりとした顔で切り出した真照。目が死んでる。


「具体的にはどんな?」

「例えば、妹が骨折とか、父が事故に合って死にかけるとか、好景気なのに会社の株が下がるとか、一部倒産するとか、お母様が重い病気にかかるとか。…あと、某ストーカーに付纏わられるとか…」

「それは…大変だな」


全て真照とその家族の人に起こっているな。…もしかして。


「オシラサマを倒したからとか?」

「あ…」


オシラサマは曲がりなりにも日神家に富を与えて来た。そしてそのオシラサマが居なくなった今、その分の不幸が来てるんじゃないか?


「あたし…間違っていたのかしら?」

「いいや、間違ってないさ」


人を犠牲にしてまでして得る幸せは、本当の幸せじゃない。真照は生きたかった。だから、抗った。そこに間違いはないだろう。


俺は真照を慰める為に頭を撫でる。


「よしよし」

「え、あ、よ、万…?」


真照は照れている。ちょっと可愛いと思ったが、その感情は後ろから聞こえたチャキッという音にかき消された。


「ねぇ、幸神くん…。何しているのかなあ?」


ずももももというオーラと共に感じる殺意。見なくても短剣を構えているのが分かる。怖い。


「何って…慰めてんだよ。真照に良いことが無いんだと」

「えっ、そうなの!?僕とした事が…そんな事も見逃すなんて…。真照ちゃん!僕が困っている事、解決してあげるからね!」


夜神、お前もその『困っている事』の1つだよ。真照の事を想うんだったらまず自分を見ろ…と言いたかったが、言ったら言ったで殺されそうなので黙っておく。


それにしても真照の髪の毛の触り心地が凄く良いな。もふもふしている。特に真照から生えている短いアホ毛がもふもふしている。当のアホ毛は凄く嫌がっているが。


…あれ?真照はそこまで嫌がって無いのに、アホ毛だけ凄く嫌がっているな。触ろうとする度にあっちへぴんこぴんこ、こっちへぴんこぴんこ動いて逃げまくる。


そういえば、大分前に真照とは関係無しに独立して動いていたな。…気になるな。


「真照、今からする事を許してくれ。今度何か奢るから」

「へ?まあ、良いわよ?」

「言質は取ったぞ!」


そう言って俺は、ちょっと頰を染めている真照のアホ毛を掴み…


ブチッ


もいだ。


「痛たたたたたたた!?何すんのよ、万ーー!!」

「真照ちゃん!?幸神くん、何してんの!?」


真照は痛さの余り転げ回っている。涙目になっていた。悪い。


「なんて事すんのよーー!!??」

「言質は取ったぞ?」

「でも、アホ毛を引き抜くとは思わなかったわよ!!」

「すまんな」


俺は手に持ったアホ毛を見る。ピクピクと痙攣していて、今にも死にそうだ。


「…あら?」

「どうかしたか?」


真照がアホ毛を見て目をパチクリする。


「それ…お化けね。害は無いわ」

「「えっ!?」」


まあ何と無くそんな気はしていたが。だから引き抜いたんだしな。


「それは…ケサランパサランね。早い話、幸運の毛玉よ。主食は白粉」

「白粉は食べ物だった…?」


真照が正体を見破った途端、アホ毛は毛玉に変わった。すっごいもふもふ!すっごいもふもふ!


「ぺけけ」

「うおっ、鳴いた…」


それを見て、真照は頰を引きつらせている。


「あのね、万…。目を輝かせている所申し訳ないけれど、そいつ『俺様に触るで無い!この下郎がぁあああああ!!!』って言っているわ…」

「……」

「……」


え、ええ…。見た目は真っ白な毛玉に顔文字が張り付いている様に見えてマスコットっぽいのに、中身腹黒…と言うか性格悪い…。


「ぺけけけけ」

「ええと…。『ふん。俺様の正体に驚いたかこの下郎め!!早く離しやがれってんだ!!』だって」

「口悪っ」


何なんだこいつ…。俺の手の中でジタバタしているが、更にキツく握っておこうか。


「ぺけけ」

「『この!くそ!下郎めが!俺様に逆らうんじゃねえええええっ!!』って…」

「なあ、何で真照はこいつの言葉が分かるんだ?」

「それは鑑定が翻訳してくれるのよ。あたしは翻訳されたものを読んでいるだけよ」

「ぺけけけ」

「『無視するなぁあああああ!!!』」


鑑定って翻訳も出来るんだな。


「なぁ、何で真照…のアホ毛に取り付いていたんだ?」

「ぺけ」

「『だ、誰が話すか!知りたければ頭を地面に擦り付けて懇願しーー』」


俺は毛玉を握りつぶした。


「ぺけけっ」

「『く、ここまで俺様を追い詰めるとはやるな…仕方ない。特別にお前に教えてやろう…。俺様はこの女に寄せ…共生しているのだ。女は俺様に妖力を与え、俺様は幸運を女に与えているのだ。分かったか、下郎』」


なにこの毛玉。すっごいムカつく。あと今寄生って言おうとしなかったか?真照が今にも押し潰しそうとしているぞ?


「たまたまこの毛玉が性格悪いだけで、ケサランパサランにも沢山の性格があるみたいね」


真照が鑑定結果を見て呟く。こいつは…頭が残念なんだな。きっと。


ちなみにその後、このケサランパサランはまた真照のアホ毛として生活する様になった。完全に真照に屈服していた。凄い三下臭がする毛玉だった。


挿絵(By みてみん)

AAがあまり上手く無かったので絵にしました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。