第19話 高田城の戦い(前編)
質問について解釈として書いていきます
・国人衆(特に元就)はいまは尼子が負けてないので裏切る道理がありません。織田もそうですが今後苦戦するような事があれば裏切ります。誰とは言いませんけどね
・安芸武田家に関してですが私の解釈としては事実より早い元就の動きがありこの時の尼子は大内と敵対はしていないので武田としては孤立することになったと考えています
その他掘り下げて欲しいとかもありましたので今後あとがきで尼子家の外交関係をかいておきます!
ご意見ありがとうございました!
1518年9月
赤松家の当主・赤松政村によって集められた反尼子連合は総勢4万を超える大軍勢であった
しかしその中核を担うのは赤松ではなく守護である赤松家の実権を掌握していた浦上村宗である
浦上村宗はこの頃守護代でありながら守護の赤松家を凌ぐ勢いを持っており赤松政村の父・義村を隠居させ実権を握っている
そもそも今回の戦、赤松に利益はない
赤松の播磨への侵攻の心配はまだないのは分かってるはずだからだ
しかし備前・備中・美作で勢力拡大中の浦上は別だ
美作では既に尼子・浦上共に美作の豪族である三浦氏を擁立し戦いを繰り返していたからだ
故に波多野や別所も加わってると言ってもさほど多くはなく1万4千程が浦上、1万が赤松
そして備中や備後で尼子と争ってきた宍戸、三村がそれに続く規模で参戦している
一方の我が尼子は相合元綱、尼子国久、山名誠通という予想外の援軍を入れても遠征直後であり8千
5倍の戦力差を埋める戦いが始まる
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浦上村宗は軍勢を尼子家の拠点である美作国、高田城に布陣した
ここを狙った理由は2つ
まず1つは美作から尼子勢力を駆逐する為。尼子が進出してきている美作・備中・備後の中で1番不利なのが美作であった
そして2つ目が高田城を守るのが政久の父・経久
政久が跡を継いでもなお前線で戦う彼の影響力は強く、ここで経久を捕らえれば尼子家の根幹が揺らぐ
そしてその後手薄になった備中・備後を狙う
それが連合軍の狙いであった
「首尾はどうだ?」
そういうのは連合軍の事実上の総指揮官・浦上村宗
「はっ!先陣を買ってでた三村勢を中心に準備は整っております」
そう話すのは浦上家臣の宇喜多能家
義理の息子すらぶち殺したかの有名な宇喜多直家の祖父にあたる人物である
「高田城程度…軽く落としてやるわ!」
そう言い切る浦上村宗に宇喜多能家は苦言を呈す
「恐れながら…高田城は旭川を中心に天然の堀を形成しており、守るのもあの尼子経久であれば一筋縄には…」
それを聞いた浦上村宗は
「ワシが負けると申すか」
と声を荒らげた
「そのような事は…」
能家は何も言えなくなってしまった
「相手はたかだか2000、早々に血祭りに上げてやるわ!」
そう言い切ると浦上村宗は攻勢の準備に入った
「油断大敵ですぞ…殿」
不安な顔をする宇喜多能家を尻目に既に勝った気でいる浦上村宗であった
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そんな浦上村宗と対照的に尼子経久は準備万端であった
経久は美作の豪族である三浦・牧両氏を早々に調略で落とし浦上村宗が動くまであと一歩で美作掌握というところまで来ていたほどだ
その戦いの中で三浦・牧両氏の信用も得ており両氏には「手柄を立てれば政久に言ってお家を認めてもらおう」と言っていた為何としても勝たねばならないという気合があった
「浦上め…焦ってるな」
連合軍の大軍を見ながら経久は言う
「しかし相手はこちらの20倍…勝算はあるので?」
そう返すのは牧氏の牧尚春
不安な牧に経久は答える
「もう勝っておるわ」
そう自信満々に言う経久をみて恐怖を感じながらも自信が湧く牧尚春であった
尼子家の現状
・大内とは同盟(ほぼ不戦協定)
・山名、毛利は従属関係
・浦上を中心とした反尼子連合と開戦中