ヌノの復讐の始まり
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聖が城から逃げた後、デル王国内に衝撃が走った。聖女ヘラが国家転覆罪により捕縛されたのだ。最初は多くの者がその事実を信じられなかった。何せヘラは今まで教会や孤児院など様々な場所で人々の治療をしてきたのだ。そんな心優しい聖女がそんな恐ろしいことをするはずがないとヘラに救われた人たちは考えていた。
しかし、そんな彼らも今のこの状況を見てヘラが聖女だとは思えなかった。今のヘラは何かに乗り移られたかのように獣のように暴れていた。
そしてその姿も以前のような姿ではなかった。元々金髪だった髪は真っ白に変わり、綺麗だった美しい肌はそのところどころに黒い文字が浮かび上がり様々な血管が心臓の鼓動に合わせてドクドクと波打っていた。
異常、一目見てわかる異常性に民は恐れおののいた。そんな中そのヘラの横に立っていた王が声を上げる。
「皆の者!聞くが良い。ここに居るのは以前は聖女と謳われたヘラである。しかし!このヘラは表向きは聖女のような活動をしながら、裏では邪神再誕の儀を進めておったのだ!
そして、残念ながら我々はそのことに気が付けず、邪神の使徒の召喚を許してしまい、さらに逃げられるという最悪の失態を犯してしまった…!
おうおう、皆の者騒ぐでないぞ、安心しろここにいるヘラの妹であるヌノがその邪神の使徒の計画など我に教えてくれたのだ。皆も知っての通り、ヌノは昔ヘラと同じ治癒の力を持っていた。
しかし、ある日突然その力が使えなくなりヌノはその力を失った。そしてその力がヘラへと受け継がれていた。
ここから、実はもうヘラの裏切りがあった。何せヌノから治癒の力を奪い取ったのが他でもない邪神でその力をヘラに持たせおのが復活の際にその名を女神と偽りこの地に再誕しようとしていたのだ!
何たる侮辱、何たる冒涜。こんなことが許されていいはずがない!だからこそ、今ここにいる真の女神に愛されたヌノの力を持って邪神の使徒を迎えうとうぞ!」
その宣言に合わせてヌノは魔力を解き放った。その圧倒的魔力に人々は皆恐怖で固まってしまう。
「皆の者恐れるな!その魔力の波動は真の女神の怒りの波動、それがぶつけられるのはほかでもない邪神の使徒、そうして邪神を崇拝する魔族どもに向けられるだろう!」
「王の言う通りです。このヌノがこの力を持って悪しき者たちの殲滅を約束しましょう。女神様の鉄槌を!」
女神様の鉄槌を! 女神様の鉄槌を! 女神様の鉄槌を! 女神様の鉄槌を! 女神様の鉄槌を!
民も一斉にその言葉を唱え始める。
(馬鹿な奴らだよ、自分たちがあがめる女神こそが邪神だと気づかないのだからね)
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