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力なき勇者の物語  作者: niya
双子の姉妹
12/15

馬鹿か、俺は…

続きです。

 俺が線香花火みたいな魔法を放って気絶した1時間後、俺はようやく目を覚ました。


「お、やっと気づいたかい。調子はどう?」


「うぅ…正直最悪。はきそう。」


「まあ、体の魔力全部使いきったからねー。しばらくは横になっておいたほうがいいよ。」


「魔力全部使いきったって、あの魔法で?」


正直、あれしきの魔法しか使えないなんて、俺異世界に来てからの楽しみを8割方うばわれたようなもんなんどなあ…


「うん、あれぐらいの魔法で魔力を使い切るくらいアキラは魔力がなかったといううことだね。残念だねー。ま、それでも1回使える分にはいいんじゃない?何かあったときの切り札的な。」


「あんなしょぼくれた魔法じゃ、切り札なんかにならないよ…」


「まあ、うん。それもそうだね。まー、うん気を落とさずに。別に魔法が全てってわけじゃないんだからさ。例えば過去の英雄の中にも魔法を使わずに剣技だけで英雄の座を勝ち取った人もいることだし…」


「まあ、元々魔法なんか使ったこともなく生きてきたわけだし、ちょっとは希望を砕かれたけどそこまで悲観することじゃないかな。」


 実際、魔法なんかなくてもその分魔法のような科学社会の中で生きてこれたわけだからなー。でも今思えばこっちは科学の代わりに魔法が発展したって感じなんだろ…?


「あー、やっぱりなんか不安になってきたぞ。フリュ俺これから一人で生きていけるかな?」


「心配するなよ。ここにいる限りは私たちがお前の身の安全は確保してやるよ、まあただでって訳にはちょっと行かないかもしれないけど。」


「いや、俺も元よりフリュや村のみんなに頼ってばっかで何もせずに過ごそうとは思ってないよ。何でも困ったことは言ってくれ。できる範囲で手伝うよ。」


「そうか、わかった。頼らせてもらうよ。まあ、今はしっかり休むことだ一晩ぐっすり寝れば明日には魔力も回復するだろう。」


「そうか、わかったよ。」


俺はそう言った後にふと気が付いた。


「ちなみにこの部屋って…」


「ああ、この部屋か?私の部屋だけど、それがどうかした?」


「やっぱりか」


この部屋はやけにぬいぐるみやら女の子らしいグッツで埋め尽くされているから、女の子の部屋だろうとは思って居たけれど…


「なんか、その意外だな。フリュの部屋がこんなにいかにも女の子の部屋!って感じなのは…」


「何それ、私が女の子には見えないってこと?」


若干怒気を孕んだ声でフリュは言った。


「いや、ごめん。見た感じ快活な雰囲気だし村長だし、あんまり女の子ってより少年?ぽいってのが第一印象でした、はい。」



「は?何よそれ。若干私が気にしてることをズバズバと…周りからはおちゃらけて見えるかもしれないけど私だってお淑やかにしようと努力はしているんだけど、性格的にちょっと難しいというか、その…ああ、もう!とにかく私はこれがデフォルトだし、女の子なんです!これ以上この話題には触れないこと、以上!!はい、アキラはもう寝る!!!」


 そう言ってフリュは俺に布団を投げつけるかのように渡してそそくさと部屋を出ていった。

いや、流石にあって間もない子にこんなことを言うのも失礼かな?とは思ったものの、どう取り繕ったらいいのか分からないから、ありのままを話すしかなかったのだ。それほどまでにフリュは俺から見て女っ気が見当たらなかった。


 というのも、俺が最初にフリュを見て感じたのはホントに最初は少年かと思ったものだ。声を聴いた瞬間に女の子だと分かったのだが。それにあの態度と言葉遣い。完全に少年のそれである。まあ、それが彼女にとってはデフォルトらしいのだが、たった数時間だが一緒に過ごして彼女がデフォルト以外の態度をとれるのかは甚だ疑問であるが。



 まあ、とりあえずフリュの件は考えないでおこう。ドツボにはまりそうだ。となると今後どうするかだな…フリュは一応身の安全を守ってくれるといっていたが、他の魔族のやつらにとっては俺は人族なわけだし、講和派の人たちといっても争いの種になるような人間を長く置いておくわけにもいかないだろうし、俺もこの異世界にきて色々やりたいことがあるし、正直不安でいっぱいだ。


 異世界にきて一番に考えるのは、元の世界への帰還だ。しかし大体こういうとき、大抵は元の世界に戻る手段がない。それは俺にとっては非常に困る。何せ俺の家族は妹のひなしかいない。両親は5年前に交通事故で死んだ。その場に俺も雛も一緒に居たが、前からトラックが突っ込んできたため、俺と雛は後部座席にいたことから一命をとりとめたのだ。そして5年が過ぎたが、まだ雛は中学1年だし、俺がいないともなれば雛は一人で家にいることが多いのだ。そこに俺がいなったとなれば、雛が心配するだろう。


 そうだ、俺は自分が異世界に来たと浮かれていたが雛のことを忘れるなんて馬鹿か、俺は…いや、そんなことを言ってる暇もないか。どうしよう、雛は普段はそんな様子をおくびも見せないが随分と寂しがりやなのだ。そんな雛を一人にさせるわけにはいかない。これは速急に地球に戻らなければならない。


 これからのことは決まった。今ここで寝ていることも惜しい、早く雛の元に帰らなければ。俺はそう決意しベットから起きた。

誤字脱字等あればご報告お願いします。後、感想もいただければ幸いです。次回投稿は6/14です。

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