後悔はしてないがもう一度行けと言われたら拒否する
「日本の雨季は雨が降りすぎではないか?」
「むしろ雨降らない雨季ってなんなんですか」
安達家のリビングにて。
仕事帰りに雨に降られたものの、風呂上りでいつもよりしっぽが二割増しでもふもふなマカミさんと、ストレッチしながら聞き返すカガトくん。
夜寝つきが悪かったり疲労が取れないという人は、寝る前にストレッチをしてみると改善されるかもしれないぞ!
そしてまだ高校生なのにそんな習慣ができているカガトくん(社畜)は大丈夫なのか。
「いや。俺の故郷の草原では、雨雲が来てもすぐに通り過ぎてやむものでな。日本のように梅雨前線とやらが居座って長雨になることなどなかった」
「あー、フィッツガルドもそんな一日中雨降ってることはなかったような」
実はすっごい雨が降る国日本。
降水量だけでなく降る時間も長く、例えばイギリスのロンドンなどは雨が多いというイメージがありますが、天気が変わりやすく雨が降り始めてもすぐにやむことが多いため、わざわざ傘を持ち歩く人が少ないそうです。
「そういえば向こうだとちょっと雨宿りしたらやむから、傘持ち歩かなくなったんですよね。そのせいで日本に戻ってから油断して降られることがあって」
「にわか雨などならともかく、一度降り始めると行動が制限されるレベルなのは困るな。それに俺の場合傘をさしても無意識に動く尻尾がはみ出るのだが、どうすればいいと思う?」
「それ無意識だったんですか」
今も風呂上りなせいかご機嫌で揺れているしっぽが無意識だと知り驚くカガトくん。
ちなみに犬のしっぽと脳の関係は実はあまり研究がすすんでいないそうですが、盲導犬などの訓練された犬はしっぽを動かさなくできるようになるので、意識的に制御することもできるようです。
「俺は犬ではなく狼だ」
「誰に言ってるんですか」
お約束な反応をするマカミさんにつっこむカガトくん。
今日も日本は平和です。
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一方高天原。
「そういえば自衛隊員も傘ささないってきくけど」
「実際さしませんよ。あくまで勤務時間内などの話であって休日などは別ですが」
自衛隊には自衛官服装規則というものがあり、状況によりどのような服装をするべきか細かく決められていたりします。
その中で雨が降った際は雨衣などを着用するように書かれていますが、傘については一切書かれていないので、自衛官は雨の時は傘をささずに雨衣を着るのです。
ちなみに雨衣の上から体に密着する装備をつけるので、通気性が悪くめっちゃ蒸れます。
「あとはいつ何が起きても対応できるよう、両手をあけておくためという理由もあるそうですね。その代わりにと言いますか、雨衣は迷彩服用と制服用で別に支給されるそうですし」
「へー。なんか自衛隊ってトイレットペーパーが自費だったみたいな話もあるけど、ちゃんと支給するものはするんだね」
「まあ正確には貸与なので、後で返納することになりますし無くしたりしたら大変なことになりますが」
「何それ恐い」
ちなみにトイレットペーパーは少なくとも作者が居た頃には支給されていました。
でも数が足りねえから買うのです。
他にも食堂の廃棄の多さが問題に上がったり、演習場までの移動に高速道路を使うか真剣に検討したりと「ああ予算が足りないんだなあ」という事情が垣間見えてきたりします。
世知辛いね。
「まあ自衛隊の予算で一番枠が大きいのは人件費や糧食費などの人にかかる費用ですからね。必要ならともかく削れる部分は削りたいのでしょう」
「兵器とかじゃないんだ」
むしろ定員割れが続いており兵器を使う人間が足りねえ状態な自衛隊。
興味がある人は自衛隊の門を叩いてみよう!
大雨で蒸し暑い中蒸れまくる雨衣を着て山の中で一週間くらい穴を掘ってると、今までの人生が凄く恵まれていたような気がしてくるぞ!
「何それ拷問?」
「いえ確かに特に意味もなく穴を掘らせては埋めさせる拷問もありますが」
とんでもなく地味に見えますが、人は目的のない作業にたえられないものらしく、発狂する人間すら出てくるそうです。
恐いね!
今日も高天原は平和です。