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昔は水や蜂蜜で割ってたらしい

「どうせならオフロード車でも持ち込んでやろうと思ったのだが」

「燃料どうするつもりだったんですか」


 新大陸にて。

 地平線の彼方まで広がる草原を前にして何か言ってるマカミさんと、冷静につっこむローマンさん。

 燃料は転移魔術で持って来ればいいんじゃないかな。

 

 ちなみに自衛隊の高機動車には、予備の燃料を入れたジェリ缶を積むスペースがあったりします。

 使う時は灯油ポンプのようなものは使用せず、そのまま注ぎ込むので零すな注意です。

 あと灯油ポンプの工業規格での名称は石油燃焼機器用注油ポンプであり、一部で言われている醤油ちゅるちゅるは正式名称ではありません。


「車一台くらいでそこまで気にする必要あるんですか?」

「まだこの大陸の情勢が詳しく分かってないので、あまり目立たれても困るんですよ。あと珍しいものを発見して考えなしの蛮族が奪い取ろうとヒャッハーしてくる可能性もありますし」

「ヒャッハーする(動詞)」


 カオルさんの疑問に丁寧に答えてるのに、一部発言がおかしいローマンさん。

 しかしヒャッハーといえば某世紀末救世主漫画ですが、実は原作漫画では似たような掛け声はあっても「ヒャッハー!」とは言ってなかったりします。


 でもヒャッハーいたんだもん! うそじゃないもん!


「というか何で俺は帰れずに同行する流れになってるんですか?」


 周囲を見渡しながら、今更過ぎる質問をするカオルさん。

 ディレットさんを含む人魚さんたちは、転移魔術でまとめてアルジェント公国にお帰りになりました。

 つまり今ここは華がない野郎ばっかです。


「いえ何だか武士の人たちにカオルさんのウケがいいので、このままリーダー役になってもらおうかと」

「何故に!?」


 いつの間にか猫耳侍たちからボス扱いになってたカオルさん。

 多分稽古の度にオネエと団長仕込みの戦闘能力で無双してたせいです。


「ほほう。なるほど。よろしく頼む」

「なにが『なるほど』!?」


 そして大体察してちょっと野生の血が騒いじゃってるマカミさん。

 今日も異世界は平和です。

 


 一方高天原。


「ワインが思ってた味と違う」

「むしろワイン飲んだことなかったんですか」


 卓上に置いたワインを睨みながら何か言ってるアマテラス様と、そういえば日本酒と梅酒以外にはあまり手を出さなかったなこの姉と思うツクヨミ様。

 ちなみにボジョレー・ヌーヴォーの解禁日を騒いでるのは日本だけだという話がありますが、事実はどうあれボジョレー・ヌーヴォーの輸出量の半分以上は日本が占めていたりします。


「思っていたのとは違うとは、どんな味を想像していたのですか」

「ぶどうジュース」

「あー」


 ちょっと分かってしまうアマテラス様の言葉に、珍しくつっこまずに納得してしまっているツクヨミ様。

 だって見た目まんまぶどうジュースだし……。


「まあ材料が同じでも製造過程が違いますからね。ノンアルコールのワインもありますが、発酵はさせるので香りも味わいもジュースとは別物になりますし」

「梅酒と梅ジュースはほぼ同じ味なのに……」

「アレは発酵させてませんし、むしろ発酵してアルコール度数変わったら違法ですからね」


 基本的に個人での酒造りは違法なので、梅酒などの果実酒の場合は発酵を防ぐためにベースのお酒を度数20%以上にすることでギリギリセーフとなっています。

 つまり度数20%以下の酒で梅酒を作るのは違法になりかねないので注意しましょう。


「じゃあ酒にぶどうを漬けこめばぶどうジュース風味のお酒に……?」

「ぶどうや穀類などの発酵しやすいものは、梅酒のように酒に漬け込むことも禁止されています」

「じゃあどうするの私の口の中はもうぶどうジュースだよ!?」

「ぶどうジュースで我慢すればいいでしょう」


 そもそも仮にぶどう漬け込めても完成する頃には忘れてるだろうとは、思っても言わないツクヨミ様。

 今日も高天原は平和です。

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[一言] 日本の法律を遵守する神様達に萌え(笑)。アマテラス様に主神たる自覚があるか疑わしい今日此頃ですが皆様如何お過ごしでせうか。 発泡性があって口当たりが軽いイタリアのワインと言いますとランブル…
[一言] >つまり度数20%以下の酒で梅酒を作るのは違法になりかねないので注意 この一文にかつて某国営放送が番組内でやらかした 『みりん梅酒』 を思い出したのは私だけだろうか…(^_^;) …ちなみ…
[一言] 以前山梨出身の人が持ってきたワインは本当にブドウジュースにアルコールを上手く混ぜたような味で美味しかったな
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