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カリカリに焼けた野菜も美味しいよね

「今日は焼き肉の日らしいぞ」

「そうですか。今日の夕飯はハンバーグですぞ!」

「そうか。チーズは多めに入れてくれ」

「かしこまり! マシマシでいきますぞ!」

「何今の流れるような頭の悪い会話」


 安達家のリビングにて。

 焼き肉の日という前ふりは何だったんだというマカミさんとナタンさんのやり取りに呆れるカガトくん。

 マカミさん肉食わせとけば大体満足するから……。


 ちなみにダークエルフで肉が食えないリィンベルさんの分は肉も卵も使わない豆腐ハンバーグです。

 再びイネルティアさんを太らせるべく思わず食べ過ぎるように美味しく仕上げたナタンさん渾身の作ですが、リィンベルさんは自重ができるし運動も結構するので太りません。

 ダークエルフは豊満という風潮があるのに……!


「もうすぐ新大陸とやらに到着して調査が始まるだろうからな。今の内に食いだめをしておきたいのだが」

「ああ。本当に調査には参加する気あったんですね」


 同時に本当に自由に肉が食えないから航海に参加しなかったんだなと思ったカガトくんでしたが、言っても曇りなき眼で「当然だろう」と返されそうなので言いませんでした。


「でも調査するにしても、同族の人を見つける手段とかあるんですか?」

「臭いで大体分かるだろう」

「ええ……」


 確かに狼の嗅覚は鋭く、種類によっては一キロ以上も離れた獲物の臭いも感知するそうですが、果たしてそれだけで見つけられるものなのか。

 マカミさんが警察犬並みに酷使されていることを踏まえればあるいは……?


「俺は犬ではなく狼だ。それはそれとして移動手段も欲しいな。俺が居た大陸だとすれば、草原ばかりで起伏は少ないはずだ」

「ああ。馬とか乗れるんですか?」

「オフロード仕様のバイクを持ち込もうと思うのだがイケるだろうか」

「むしろ何でイケると思ったんですか」


 異世界の草原をバイクでかっ飛ばす人狼。

 いろんな方面から解釈違いと言われそうです。


「やはり環境に配慮して電動式のものにすべきか」

「違うそうじゃない」


 分かってないマカミさんに、後々問題の火種になる可能性がある技術格差があるもんを気軽に異世界に持ち込むんじゃねえとつっこむカガトくん。

 今日も日本は平和です。



 一方高天原。


「鍋奉行って言うけど焼肉奉行はいるのかな」

「今の兄貴じゃないのか」

「私程度では焼肉奉行には程遠いですよ。これなど食べごろですねどうぞ姉上」

「おかわりですよー」


 何か網を囲んで焼き肉してるアマテラス様とツクヨミ様にスサノオ様。そして追加の肉を運んでくるトヨウケヒメ様。

 三貴子の一柱よりも高みにある焼肉奉行とは一体。


「やっぱそう呼ばれることはあるんだ」

「ええ。焼き加減だけではなく投入する肉の種類の順番まで決めるそうですね」

「はあ。肉食う順番に意味なんかあんのかよ」


 呆れるスサノオ様ですが、何か網が焦げにくい肉から焼くみたいな奉行方針があるそうです。

 先生ライスは頼んでいいですか。


「言葉自体は以前から浸透しているようで、プレ〇ステーションで焼肉奉行をテーマにしたゲームも出ていますね」

「何そのテーマの時点でバカゲー確定な代物」


 そう言うアマテラス様ですが、テーマの割にゲーム性は割と普通でした。

 しかしセーブ機能がなくメモリーカードにも対応していないなど中々に漢仕様です。


「まあ二十年前のゲームなのでレトロゲーの類ですね」

「え? プレ〇ステーションがレトロゲーって何を言ってるのツクヨミ」

「え? ものによっちゃ現役だろプレ〇ステーション」


 ツクヨミ様の発言に思わず肉を食べる手を止めるアマテラス様とスサノオ様。

 良い子の皆は野菜も食べましょう。


「しかしさらに約二十年前のファ〇コンが当時レトロゲー扱いでしたし。そもそも二十年前にはプレ〇ステーション2が出ていたのでそちらもほぼレトロゲー扱いでは」

「おい待てよ2が出てから十年くらいしか経ってないだろ」

「人間界の時間流れるの早すぎない?」

「高天原も時間が流れる早さは変わりませんよ」


 動揺する姉と弟に無慈悲に現実を叩きつけるツクヨミ様。

 今日も高天原は平和です。

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