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なお実行はされなかった模様

「和菓子は乳製品や卵が使われてないものが多いのでいいですね」

「大量に砂糖入ってるけどおまえら的にそこはいいのか」


 ケロス共和国のとある村にて。

 農作業の合間におやつのぼた餅を食べているエルフたちと、同じく自分の体くらいあるぼた餅を抱えながらかぶりついてるスクナヒコナ様。

 餡子は大体小豆と同量くらいの砂糖をぶち込んで作る場合が多かったりします。


「何か問題が?」

「……いや。俺もエルフの生態とかよく知らないから何も言えないが」


 はたしてエルフは糖分の過剰摂取により体を壊したりするのか。

 目の前に実際にやって見せてくれそうな人がいるので経過観察に注目が集まります。

 あとどっかの肉ばっかり食ってる獣人はもう肉だけ食ってても問題ないのはほぼ確定しているので「肉だけ食っているわけではない」発言は狼ジョークだった可能性が濃厚になってきています。


「しかし砂糖が多いのを危惧するなら入れる量を減らせばいいのでは?」

「まあそれも手だが。餡子を作る時には砂糖の量も重要で、入れる量が少ないと粘りやしっとり感がでないんだよ。甘くないだけならともかく風味にまで影響が出るとな」

「む。それは大事ですね」


 ちなみにカロリー控えめの餡子として低甘味の代替糖類が使われることもありますが、やはり砂糖には劣るためあんこ業界では砂糖の消費量は減ることなく横ばい状態にあるそうです。


「まあだからと言って不味いわけではないしな。砂糖が貴重だったころは塩で餡子を作ってたし、今でも地域によっては塩餡の大福とかも残ってる。そっちも醤油で焼いたり蜂蜜かけたり色んな食い方があるらしいぞ」

「ほう。甘くない餡と餅に醤油というのは興味がありますね」


 エルフたちに迫る砂糖に次いで塩分の過剰摂取の危機。

 今日も異世界は平和です。



 一方高天原。


「お彼岸と言えばぼた餅だけど、何でぼた餅なの?」

「小豆に魔除けの効果があるからだとか色々謂れはありますね」


 ほうじ茶片手にぼた餅をもっしゃもっしゃと貪るアマテラス様と、相変わらず食べ方は上品なのに食うのが早いツクヨミ様。

 ちなみにお彼岸は春分の日と秋分の日の前後三日間です。


「あとおはぎとぼた餅って同じものでいいの? というか何か違うの?」

「地域によって差はありますが大体一緒です。よく言われているのは、春分の頃に咲く牡丹の花に見立ててぼた餅。秋分の頃には萩の花が咲いているのでそれに見立てておはぎという説ですね」

「ああそこから来てたんだ」


 ちなみにその説の場合は夏と冬にもそれぞれ呼び名があり、おはぎ(ぼた餅)は餅をつかなくても作れるため夏は「いつついたか分からない」から「いつ着いたか分からない」という言葉遊びで「夜船」と呼ばれ、

 同様に冬は「つき知らず」が転じて「月知らず」となり月が見えないという意味で「北窓」と呼ばれるそうです。


「まあどちらも同じ名前で呼んでいる地域もありますし、もち米かうるち米か、餡子かきな粉か、こし餡かつぶ餡かで分かれている地域もあるそうです」

「いや分かれすぎでしょ」


 要するに地域差ありすぎてこれもう分かんねえな。

 胃に入れば全部一緒だから問題はないな!(太陽神的大らかさ


「まあ世の中には親族が亡くなった年の年末に夜中に墓で餅を食べる行事もあるので、地域差というのは大きいですよ」

「何そのホラー一歩手前な行事」


 そのホラー一歩手前な行事があることを親族が亡くなり決行間際に初めて知らされた時の作者の心境を三十字以内で述べよ。

 オラすっげぇわくわくしたぞ。


 今日も高天原は平和です。

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[一言] このエルフ……食欲がスケベ過ぎる!
[一言] そのホラー一歩手前な行事があることを新檀家が亡くなり決行間際に初めて予告された場合の寺サイドの心境を三十字以内で述べよ。 「えっ!何それ怖い!」 引っ越し等で遠隔地で新しい菩提寺を持つ場合は…
[一言] なるほど愛媛にはそういう風習があるんですね。 長崎の墓場の風習と合体したら最強ですね。 (長崎はお盆に花火を墓場で盛大にやるそうです)
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