表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

110/528

え? 節分って家の近くの角にこっそり大豆置いてくる行事じゃないの?

 節分。

 みんな知ってる豆を撒いて鬼を追い払う行事のある日ですが、その原型は宮中行事である追儺にあると言われています。


 追儺とは、方相氏と呼ばれる四つ目の仮面を被った人が、矛と盾持って鬼を追いかけまわす儀式です。

 でも何かいつの間にかその方相氏が鬼にされて、豆投げられながら追いかけまわされるようになってました。

 可哀想ですね。


「ふむ。所変わればじゃな。豆に厄を祓う効果があるとは」


 そう言いながら豆をポリポリと食べるリィンベルさん。

 流石に歳の数は食べません。大豆一千個とか軽く拷問です。


「んー、拙者の所では鬼は桃の木を持って追いかけてたでござるな」

「何で桃の木なんですか?」

「知らないでござる」

「堂々と!?」


 エルテさんの疑問に何一つ恥じることないとばかりに答えるヤヨイさん。

 でも知らない時はちゃんと知らないと言う勇気も必要です。


「そういえば家で豆撒きはやらないのですか?」

「最初はやろうと思ったのだがな。うっかりグラウゼのやつに当てると祓われかねんのでやめておいた」

「なるほど」


 グライオスさんの答えに納得するローマンさんですが、吸血鬼は鬼という漢字は使われていますが別に鬼の仲間ではありません。

 でもグラウゼさんは聖属性に弱いので、神社でお祓いされた節分用の豆をくらったらうっかり成仏しかねません。

 吸血鬼が神社の豆くらって成仏ってもうこれ分かんねえな。


「じゃあこの豆もグラウゼさんが起きてくる前に片付けた方がいいのでしょうか」

「スーパーで買ってきた豆にそこまでの力はないじゃろ」


 シーナさんの危惧に答えつつ、本当に千粒食べる気なんじゃという勢いで豆をつまみ続けるリィンベルさん。

 今日も日本は平和です。



「豆撒きと言えばお父さんも鬼に桃投げてたけど、何か関係あるの?」


 豆をポリポリ食べながら疑問を浮かべるアマテラス様。

 こちらも歳の数は食べてません。

 というかアマテラス様何歳だよとか考えてはいけません。神様に年齢とか関係ないのです。


「関係あるというか、元々は桃を投げていたのを豆で代用したという説もありますね。豆はもちろん桃にも厄を祓う効果がありますから」

「え? 桃にそんな力があったの?」

「無いなら何で父上が桃投げたと思ってたんですか」


 物事を知っているようでどっか抜けてるアマテラス様につっこむツクヨミ様。

 ちなみにイザナギ様が桃を投げたのは、黄泉でイザナミ様を激おこさせてしまい逃げていた時であり、桃を投げつけると追っ手の黄泉軍たちはたちまち退散したと言われています。

 別に桃が美味しそうだから追いかけるのを止めたわけではありません。


「桃太郎が桃から生まれたのもその辺りが理由と言われていますね」

「え? じゃあ金から生まれた金太郎にも似たような理由が!?」

「ありません。というか金太郎は金から生まれていません」


 そもそも金太郎って鬼退治したっけ? と思う人も居るでしょうが、金太郎は坂田金時という知ってる人は知ってる人の幼名であり、鬼をはじめとした妖怪退治で有名な源頼光の配下の一人であったとされています。


 某銀色の魂な漫画の主人公とは恐らく関係ありません。

 あとたまにこの作品の芸風が似てるとか言われますが、多分そんな似てません。

 というかそんなこと言われても「はい」とも「いいえ」とも言いづらいじゃねえかどうしろと!?


「ん……じゃあ桃をお母さんにぶつけたら追い払える?」

「そうですねー。試しにやってみたらいいんじゃないですかねー」

(面倒くさくなってつっこみ放棄しましたね)


 いいこと思いついたとばかりにニヤリと笑うアマテラス様に何かを悟った笑顔で頷くツクヨミ様。

 そしてそんな様子を見守りながらも止めないトヨウケヒメ様。

 きょうも高天原は平和です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらの作品もよろしくお願いします。

スライムが倒せない
 とある田舎の村の少年レオンハルトは「冒険の旅に出たい」という夢を持っている。
そのため手始めに村の近くに出没したスライムで魔物との戦いの経験をつもうとしたのだが……。
コメディーです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ