お隣さんと秘密の体育祭
テスト週間が終わり、私たちは体育祭が近づいてきた。私は千幸に誘われて実行委員になった。今日は実行委員会がある。会議室に入るとすでに十人くらい生徒が集まっていて、前後左右の人と喋ったりしている。私たちも後ろの方の席に座る。すると、前にいた女の子が話しかけてきた。
「ねぇねぇ、あなた。白雪千幸さんよね。それによく一緒にいる赤井紅葉さんでしょ。私は灰崎柚湯って言います。これから実行委員一緒よね。よろしくね。」
「あなたの言う通り、私は白雪千幸です。こっちは赤井紅葉ちゃん、私ら仲良いの。あなたもこれからよろしくね。」
「千幸の言う通り、私は紅葉です。こう言う仕事は初めてなのでこれからよろしくお願いします。」
なんて話してる間にガンガン人が教室に入室している。そのうち教卓の前に一人の生徒と教師が立ち、声を上げる。まず最初に挨拶から入り、次に実行委員としての説明を始めた。なんとなく聞きながら、一応大切そうなことはメモを取る。隣の千幸はぼーっとしている。大丈夫なのだろうか。前の柚湯は必死に話を聞いている。
先生は一通り話終わると、前に立っている生徒に代わる。生徒は生徒で長々とお話をしている。そのうち、千幸は寝始めた。
そんなわけで体育祭の準備が始まった。100メートル走などの準備は簡単だが玉入れや借り物競走、特に障害物競走なんかは準備するものや確認しとくべきものが多くて大変だ。体育倉庫と校舎の中を行ったり来たり。
そして、準備に数日がかかり、ついに体育祭当日がやってきた。私は実行委員なので競技自体は全然参加していない。できることなら私も走りたかったが実行委員が忙しかった。体育祭、障害物競走として健吾くんが参加してくれた。健吾くんは何故か女装をしていた。これまた何故か超似合っていた。
私と碧ちゃんは借り物競走に参加した、私の唯一の競技である。私の紙には「一番可愛い子」なんて書かれていた。まぁそんな子は私の知る限り一人しかいない。なのでその子の元に私は駆け出していく。
「千幸〜、どこいるの。」
「紅葉、こっち。」
彼女を連れて、ゴールにやってくる。私が一番だった。
走り終えた私は本部に戻る。委員はそこで待機し、有事の際には行動に移す。
その後数種目の競技が終了すると、ついに体育祭も終わりが近づいてきた。