名付け
世界観は次回説明します。
セレウス、それが私の名前だと新しい主人は言う。
その名前にはどこか懐かしさを感じたが、なぜそう感じたのかは分からない。
ただ、嫌な感じはしない。
そして、この新しい主人にもまた同じように懐かしさを感じていた。
この懐かしさは、いったい何なのだろう。
ー◯◯◯ー
アマゾネス、それが俺の種族名である。
アマゾネスの一番の特徴は男女の性器が逆転していることであり、実際俺は上半身が女、下半身は男と言う体をしている。
この特徴から上半身が女で下半身が男を女男、上半身が男で下半身が女を男女と言われている。
つまり、俺が女男、そして目の前にいる女性が男女となるのだが…金髪で紅眼であること意外、幼馴染の面影はない。
混乱した頭を落ち着かせるため席に付く。
「はじめまして、と言うことは俺とは初対面であると?」
「はい、少なくとも今の私とは初対面のはずです。」
今は、と言う言葉に違和感を覚えて部屋にいた若い黒猫獣人の見張りに目を向ける。
「医者が言うには記憶喪失のようです。いつ記憶が無くなったかはわかりませんが、少なくとも自分の出身や家族のことは覚えいないようです。」
なぜそれで俺の探していた幼馴染だと報告があったのか理由を聞くと
「体が男女であること。金髪紅眼であること。あと出身がわからないので、もしかしたらと言うことで報告しました。」
本当に男女であるのか聞けば、女である隊長に確認してもらったが確かに男女であったそうだ。
色々と考えていると
「あの」
待ちぼうけをくらっている男女が喋り始めた。
「貴女が私の新しい主人ならば、どうか私に名前を付けてください。」
名前すら忘れているのかと思ったが、新しい主人に仕えるたび名前をもらっているらしい。
自分は主人でないと言ったが、もしかしたら一緒に生活してたら記憶を取り戻せるかも、とすでに俺と生活することを隊長が決めてしまったらしい。
断ろうとしたが、もし全く関係ない赤の他人でも助けなければならないことには変わりないとそのまま受け入れた。
ならばと名前を考えていると
「個人的には先ほど呼んでいたセレウスがいいのですが」
本人が気に入っているのならと記憶喪失の男女にセレウスの名前を付けた。
ここから彼との生活が始まった。