第766話 クロ殿下とスバル殿下と精霊たちの名前
「・・・そういえば、雷の。さっきからアンタ、
“エレン”って呼ばれてない?何?それ」
と、嵐の精霊・ローレインのおかげで、すっかり丸くなった風の精霊が、
雷の・・・こと、雷の精霊・エレンに問う。
どうやら、このふたりは割と普通に会話するらしい。
「ふんっ!我は加護を授けたニンゲンから、
名をもらったのぢゃ!よいであろう!羨ましいであろうっ!」
そう言って、ふわもふ6本しっぽをふりふりするエレン。
・・・かわいすぎるっ!!
「んな・・・っ!何か、悔しいっ!!!」
「風の精霊には、無いの?」
と、聞いてみると・・・
「・・・」
あ・・・俯いてしまった・・・
まずかったかな・・・?
何か、こっちはかわいそうだな。
「・・・あんたは、どうなのよっ」
と、風の精霊は優雅に佇む嵐の精霊を見やる。
「ローレイン」
「ふぐぐ・・・っ」
いや、さっきからそう呼ばれているけれどね。
悔し気な風の精霊だが、嵐の精霊に睨まれ、またも大人しくなる。
「じゃぁ、スバルにつけてもらえば?」
と、提案してみる。
「我も、クロがクロウにつけてもらってみたら?ってあどばいすをもらったのぢゃ!」
クロとクロウ、ウがつくかつかないかで紛らわしいが、
“クロウ”とはエレンが加護を授けたルタ獣王国の王太子・クロウ殿下のことである。
「俺で・・・いいの?」
「・・・ん・・・いい」
ローレインさま、強行する。
「御子さまぁ~~~」
風の精霊が、俺を御子さまと呼んで縋り付いて来る。
「つけてもらったら?呼んでもらったら嬉しいと思うよ?」
「う・・・うん・・・」
ローレインさまのおかげで、だいぶ大人しくなったな。
「それに、その方が、王都の風の大祭壇よりも、
こちらの方が優位そうに見えるのぢゃ」
と、雷の精霊・エレン。
確かに、精霊に名を授けた祭壇の方が、格式高そう。
「お・・・お願いしますぅ~!!
アタシだけ仲間外れなんてや~っ!!もう悪さしません~っ!」
「ん・・・まぁ・・・しょうがないか・・・じゃぁ・・・バニーさんでどうですか?」
え・・・?今、スバル・・・バニーさんって言ったか?
「はいっ!バニーさんでいいです!」
バニーさんっ!やっぱりバニーさん!
絶対バニーガールコスからとったよねっ!!?
そうだよねっ!!?
「わたちたちもお名前早くほちいのれす?」
と、森の精たち。
「今、弟妹たちを呼んで来るから」
と、カロクさんが弟妹さんたちを家に呼びに行く。
そして、カロクさんの弟妹さんたちがやって来た。
俺と同じくらいの歳の、ツインテールの活発そうな女の子と、
少し年上そうな爽やか系の青年だ。どちらも碧狼族である。
「ロッタです」
と、ツインテールの女の子が名乗ってくれる。
「ロクリです」
続いて、爽やか系の青年の方が名乗ってくれる。
2人は暫く相談すると、森の精たちの名前を決めたらしい。
「6本しっぽの女の子がセラちゃん」
「せらなのれす?」
「こちらの女の子がセリちゃん」
「せりなのれす?」
「男の子がセイくん」
「せいなのれす?」
『名前もらたのれす~!!!』
わぁ、嬉しそうだ。かわいい。
「次は隊服とバッヂだね~」
と、ロッタちゃん。
「ワンポイントも、作ってあげないとね」
続けて、ロクリさん。
「楽しみ~」
2人とも乗り気なようで良かった。
早速採寸と作成のため、森の精たちとカロクさんのお家へと帰っていくのだった。




