第8話 友華、ヌーテントに臨みました。さて、どうなるでしょう?
そして、長い訓練の日々が終わり、とうとうヌーテント当日になった。
友華が体育館に行くと、試験官の先生が三人いた。
「き、緊張するなぁ」
友華はそう言いながら、体育館の中心に進む。
「学年、組、番号と名前、それから使用する魔法を教えてください」
一番左の試験官の先生が、縁のないメガネをかけなおして言う。
「4年1組、13番。鈴野友華です。使用する魔法はドラクニール・エフェクトノソルです」
そう言うと、試験官の先生たちが顔を見合わせる。
「ご存知かもしれませんが、試験の内容は、速さ、威力、差、規模の4つを判定基準に、試験用モンスターであるウィグレイを倒すことです。それでもですか?」
ウィグレイというのは、よくゲームとかで出てくるマンティコアとフェニックスを合成したような怪物で、特に炎の攻撃に強い耐性を持つ。
がしかし、試験官はなにか勘違いをしている。
試験用モンスターであるウィグレイが持つ耐性は、あくまで炎、つまりは炎上、または酸化。だが、ドラクニール・エフェクトノソルの効果は炎ではなく、蒸発。細かく言えば、高温蒸発だ。
ゆえに、この耐性は無意味。かと言えば、そうでもない。
ウィグレイは身体中に炎をまとっている。
対人体術では、どうしても分が悪い。
だからこその訓練なのだが。
「大丈夫です。問題ありません」
「わかりました。それでは、始めてください」
試験官が、開始を許可すると同時に、友華の服装が巫女服に変わっていた。
同時に、俺が教えた魔法武器の生成も終わらせる。
友華の魔法武器は片手剣の幅の広く軽い紫色の刃を持つ。
見た目大剣なのに片手剣とか違和感あるけど、そんなことは気にしたら敗けだ。
試験官の先生が感嘆の声をあげる。
彼女は、その剣を「monster the fool」と名付けていた。
由来は、「モンスター?そんなの、バカに見えるくらいこっちの剣の方が強いに決まってるじゃない。モンスターなんか、バッタバッタ斬り倒してやるんだから!」と、何気に恐ろしいものだが、これも気にしたら敗けだ。
「蒸発させなさい、私のM.T.F!」
とか言って、略しちゃってるし。
目の前にウィグレイが出現した、と思った頃には既に片が付いていた。
『刹那的滅殺撃』。俺が教えた攻撃法。
出現した瞬間に攻撃して一瞬で片を付ける。
「.........」
試験官は、口を開けたまま、呆けていた。
それを見た友華は、にこりと笑って魔法を解き、こういった。
「残念ですが、私の圧勝ですね!」
このあと、ヌーテントの点数がでた。
当然、学年どころか、学校一番の成績になった。
.........当然だ。当たり前だ。でなければ困るよ、俺が。
『刹那的滅殺撃』
別名 : 「ベイビーキル」(出現して間もない状態、つまりベイビーを一瞬で倒す(キルする)ことから)
出現した瞬間に攻撃して一瞬で片を付ける先制攻撃。
出現した瞬間に攻撃するので、避けられない。
認識、命令から行動までの約0.2秒の隙をつく攻撃。
.........先制攻撃は避けられやすい、という概念を根本から叩き潰してみたかったので。




