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断罪された侯爵令嬢は、戦場で完成した。なお中身はおっさんである  作者: 月白ふゆ


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第40話 戻す側

 ミノタウロスの首が石畳へ落ちた時、ハルヴェインの空気は奇妙なくらい静かだった。


 歓声はなかった。

 泣き崩れる者もいない。

 ただ、人が息を呑み、それからようやく、胸の奥で堪えていたものを少しだけ下ろしたような気配だけが、通りにゆっくり広がっていった。


 首は重かった。

 当然だ。

 だが、その重さが目の前にあることでしか納得できないものもある。

 山から押し下ろしてきた圧も、夜通し張りつめた見張りの目も、街の外で止め切れなかった流れも、これでようやく形を持った。


 オズワルドが最初に動いた。

 ギルド前へ数歩出て、首の前で膝を折る。角の根元、目、断ち切られた首筋、皮膚の厚み。指先で触れはしない。だが、内勤の人間らしい、記録へ落とすための目で見ている。


 ミレナはすでに筆記具を持っていた。

 その手は止まらない。


「帰還時刻、確認」

「討伐証拠、首部あり」

「種別、牛頭型上位個体――」


 そこで一度だけ、彼女はダリオを見た。

 ダリオは首の前へしゃがみ込み、角の太さ、首回りの毛並み、皮膚の張り、古い傷の走り方まで見て、小さく息を吐いた。


「ミノタウロスで間違いねえ」

「A相当だ」


 その声が、周囲へじわりと広がる。


 A相当。

 その単語の重さは、街の人間にも十分すぎるほど伝わったらしい。

 通りの端で様子を見ていた男が思わず帽子を脱ぎ、露店の女は口元へ手を当て、井戸端にいた少年は目を見開いたまま牛頭を見つめていた。


「これでようやく、山が止まる」


 ダリオが言った。

 大きくはない。

 だが、現場を支えてきた男の声だった。


 ナタリアは首から視線を外し、街の外を見る。

 終わったわけではない。

 押し出されてきたものの残りはまだいるし、怪我人もいる。

 それでも、一番重い核はもうここに転がっている。

 山そのものが街へ歩いてくるような、あの嫌な感覚は、たしかに切れた。


 レオナが肩を回しながら言う。


「見てるだけで肩が重くなるわね」


「担いでたんだから当然でしょ」


 ナタリアがそう返すと、レオナは少し笑った。


「帰り道じゅう、それ言うつもり?」


「事実だもの」


 ポンタが、もう小さく戻った姿で首の前まで歩いてきて、鼻先をひくつかせた。


「まったく、最後まで嫌な匂いじゃの」


「嗅がなくていいわよ」


「確認は大事じゃ」

「主は時々、獣の仕事を軽く見る」


 ミレナはそのやり取りを一瞬だけ見て、それからすぐ仕事へ戻った。


「周辺各街へ修正文面を出します」

「核討伐済み。ただし、本日いっぱい外縁警戒は維持。段階的縮小で問題ありませんか」


「問題ないわ」


 ナタリアが答える。


「水場側は日暮れまで残して」

「荷場裏の二線も、片づけが終わるまでは維持」

「見張りの交代を急に戻さないで。今夜だけは詰めたままでいい」


 オズワルドがうなずいた。


「ええ」

「戻しは急がない方がいい」


 その返しに無駄がない。

 助かったからすぐ平時へ戻るのではなく、戻し方にも順番がある。

 それを最初から分かっている人間の言葉だった。


 ミレナが紙束を入れ替える。


「負傷者の振り分けも更新します」

「重傷三、軽中傷九。増減なし」

「搬送線は片方閉じますか」


「一本残して」

「まだ早いわ」


「承知しました」


 そこまで言ってから、オズワルドがようやくナタリアたちへ向き直った。


「礼を言います」


 大仰な口調ではない。

 頭を下げるのでもない。

 ただ、言葉の重さだけで十分だった。


「この街は、あなた方に持たせてもらいました」


 その言い方が、この男らしかった。

 救われた、でも、守られた、でもない。

 持たせてもらった。

 それが正確なのだろう。


 ナタリアは短く返す。


「持ったのは街よ」

「私たちは切る場所を少し選んだだけ」


「その“少し”が無ければ、崩れていました」


 オズワルドは静かに言う。

 そこへミレナも続いた。


「強かっただけではありません」

「伝令文面も、配置も、戻し方まで早かった」

「こちらでは間に合わなかったところを、全部先に通されました」


 ナタリアは返事をしなかった。

 そういうものだろう、としか思わない。

 だが、その沈黙を、ダリオは別の角度から拾った。


「強いやつはいる」


 ダリオは首の前から立ち上がりながら言う。


「だが、強いだけじゃ街は持たねえ」

「お前は、その両方だった」


 そこまで言って、レオナの方も見る。


「あんたもな」


「私も入るのね」


「あんたも十分おかしい」


 レオナが疲れた顔のまま笑う。


「それ、褒めてるのよね」


「現場ではな」


「じゃあ受け取っとくわ」


 ダリオは鼻で笑ったが、その目は真面目だった。


 ギルド前の張りは、そこで少しだけ緩んだ。

 完全な安堵ではない。

 だが、これから何をするかへ向かう緊張へ変わっていく。


 ナタリアは首へ視線を落とし、それからオズワルドへ言った。


「素材の扱い、決めていい?」


「お願いします」


「証明に要る部分だけ押さえれば十分よ」

「残りはそっちで使って」


 オズワルドの眉が、わずかに動く。


「……よろしいのですか」


「持ち帰っても、今ここで使う方が価値があるもの」

「怪我人に回して」

「街を戻す方へ回してちょうだい」


 ミレナがその言葉を聞いて、手元の紙へ何かを書き足した。

 評価ではなく、実務の処理として受け取った顔だ。

 その顔が、逆に重い。


「回復用の加工へ回します」

「角、皮、血、骨。使えるものは振り分けます」


「全部使い切って」

「無駄にしないでね」


「ええ」


 オズワルドはそこで一度だけ、息をゆっくり吸った。


「こちらで預かるには、重すぎる申し出です」


「勝手に重くしないで」

「要る場所へ回すだけよ」


「……ええ」


 オズワルドの返事は短かった。

 だが、そのあとに続けた言葉は、さらに重かった。


「それでも、形には残します」


 ミレナが、もう一束別の紙を持ってくる。

 まだ何も書いていない用紙ではない。下書きがある。

 首を確認し、核の討伐が確定した時点で、もうその先まで動いていたらしい。


「推薦状を整えます」


 ミレナが言う。


 ナタリアは少しだけ眉を寄せた。


「そこまでは」


「必要です」


 オズワルドが遮るように言った。

 それでも声音は荒れない。


「礼を言うだけでは足りません」

「必要な評価は、必要な形で残します」


 その言い方に、ナタリアは言葉を止めた。

 この男は、感情で押しているのではない。

 記録として残すべきことを残す、それだけの話として言っている。


「内容は事実で十分です」


 ミレナが紙を整えながら言う。


「初動判断」

「周辺各街への伝令進言」

「防衛配置」

「原因核討伐」

「素材の放棄と復旧優先」

「こちらが見た範囲で、書けることを書きます」


 レオナが横からのぞき込む。


「すごく逃げにくいわね、これ」


「逃げる必要がありますか」


 ミレナの返しは真顔だった。

 レオナが肩を揺らす。


「ないんだけど」


 ダリオがぼそりと言う。


「観念しろ」


 レオナが笑ったままナタリアを見る。

 ナタリアが少しだけ目を細める。


「あなたにだけは言われたくないわ」


 ダリオは鼻を鳴らした。


「それもそうだな」


 そこまでで、ようやく周囲の空気に少しだけ笑いが混じった。


 昼が近づくにつれ、街は明確に「戻す」側へ入っていった。


 水場側の柵は補強されたまま、残った死骸の処理が始まる。

 荷場裏では、Eが警戒を保ちながら道を空け直している。

 Fは担架を洗い、桶を入れ替え、伝令用の足を戻しつつあった。

 大きな声はまだ出ない。

 だが手の動きが、耐えるためのものではなくなっている。


 ナタリアはそれを見ながら、必要な修正だけ口を挟んだ。


「水場側は夕方までそのままで」

「荷場裏は死角だけ残さないで」

「今日中に塞げるなら塞いでおいた方がいいわ」


 藤堂の色はまだ残っている。

 だが、声の硬さはすでに朝ほどではなかった。

 必要なことだけを言うのは変わらない。

 けれど、切りつけるような短さは、少しだけ薄れている。


 オズワルドとミレナは、言われたことをそのまま次の配置へ落としていく。

 話が早いのは最後まで変わらない。


 少し時間が空き、ようやくギルド裏の小部屋を借りて腰を落ち着けた時、レオナが椅子へ深くもたれた。


「……やっと座れた」


「倒れないでよ」


「倒れないわよ」

「その前に何か食べたい」


 ナタリアは渡されていた保存食の包みを開いた。

 硬い干し肉と、冷めたパン。

 豪勢ではない。

 だが、いまは十分だった。


 ポンタは机の上へ前脚だけ乗せ、うらめしそうに見上げる。


「妾の分は」


「あるわよ」


 ナタリアが小さくちぎった肉を落とすと、ポンタはようやく満足したらしい。


「やれやれ」

「妾は疲れたの」


「一番大きくなってたものね」


 レオナが言うと、ポンタはむっとする。


「本来はあの程度、どうということはない」


「本調子じゃないんでしょ」


「本調子ではない」

「だから疲れた」


 その理屈は通っているようで、通っていない気もした。

 だが、突っ込む気力は残っていない。


 レオナがパンをちぎりながら、横目でナタリアを見る。


「で?」


「何が?」


「帰ったら食べるの?」


 ナタリアは一瞬だけ手を止めた。

 意味は分かる。

 分かるが、真正面から受ける気にも、とぼけ切る気にもなれない。


「……お腹は空いてるわ」


 レオナが吹き出す。


「そう返すのね」


「変な聞き方するからでしょ」


「変じゃないわよ、たぶん」


 ポンタが間へ割り込むように言った。


「妾は肉がよい」


 レオナが笑ったまま頷く。


「はいはい、そっちもね」


 午後のうちに、ハルヴェインから周辺各街へ修正文面が飛んだ。

 核討伐済み。

 ただし、警戒は段階的に縮小。

 即時平常化は避けること。


 オズワルドは最後まで内勤の人間らしく、戻し方にも順番を守った。

 ミレナはその横で、推薦状の文面をほぼ仕上げていた。

 読み上げはしない。

 ただ、確認のために机へ置かれた紙の端が少し見える。


 危機対応判断。

 伝令進言。

 配置指示。

 防衛維持。

 原因核討伐。

 戦後処理判断。


 必要なことだけが並んでいる。


「過不足ないわね」


 ナタリアがぼそりと言うと、ミレナは顔を上げた。


「減らしたいですか」


「いいえ」


「でしたらこのままで」


 その言い方は、妙な押しつけがなくてよかった。


 夕方、ようやく出発の準備が整った。


 ハルヴェインを出る時、街の人間が何人か通りへ出ていた。

 並ぶほどではない。

 だが、見送りに来ているのは分かる。

 最初に「女二人寄越したのか」とこぼした見張りもいた。

 彼は帽子を脱ぎ、少し気まずそうに口を開く。


「……最初は、見くびった」


 それだけ言って、頭を下げるでもなく、でも目だけはまっすぐ向けてくる。


「失礼だった」


 ナタリアは短く答えた。


「訂正したならいいわ」


 見張りはそれに、少しだけ力の抜けた顔で笑った。

 大げさな謝罪より、その程度の方がよほど自然だった。


 オズワルドは門のところまで出てきた。


「戻られたら、王都へ文書も回ります」


「ええ」


「こちらからも、正式に推薦を出します」


「好きにして」


 そう返してから、少しだけ言葉を足す。


「助かったわ」


 オズワルドは、その一言を重く受けた顔をした。


「こちらもです」


 ミレナは最後まで手を止めない人間らしく、伝令袋と推薦状の封を確認している。

 ダリオは腕を組んだまま、壁にもたれていた。


「あんまりさっさと上がるなよ」


 レオナが笑う。


「何それ、惜しんでるの?」


「面倒なやつが抜けると困る」

「それだけだ」


「素直じゃないわね」


「そういうのはそっちの仕事だろ」


 ポンタが鼻を鳴らす。


「皆して主らに少しずつ情が移っておるの」


「うるさい」


 ダリオが即答する。

 それで、ハルヴェインとの別れは十分だった。


 帰り道、空気は来た時と違っていた。


 林の奥に、小さな獣の気配が戻っている。

 鳥の声も、まだ少ないが途切れずに聞こえる。

 道端に残る押し流された跡はそのままだが、もう新しく重なる気配がない。


 レオナが肩の力を抜く。


「ほんとに止まったのね」


「ええ」


 ナタリアは答える。


「全部がすぐ戻るわけじゃないけど、押し下ろす核は消えたもの」


 返しながら、自分の声がかなり戻っているのを感じていた。

 必要なことを言うのは同じでも、もう戦場の断定ではない。

 藤堂が前へ出切った状態から、少しずつ均衡が戻っていく。


 ポンタも歩調をゆるめる。


「やっと普通に歩けるの」


「ずっと普通には歩いてたわよ」


「主らが勝手に早いだけじゃ」


 レオナが笑う。


「王都着く頃には、またいつもの顔になる?」


「どうかしら」


「もうだいぶ戻ってるわよ」


 ナタリアは少しだけ考え、それから肩をすくめた。


「そう見えるなら、そうなんでしょうね」


 王都へ着く頃には、夕方が近かった。


 門をくぐる前に、空の色を見上げる。

 長かったようでもあり、短かったようでもある。

 仕事の間はいつもそうだ。


 王都ギルドへ入ると、バルドがすぐにこちらへ気づいた。

 その視線が、レオナ、ナタリア、ポンタの順に流れ、それから背後の荷へ止まる。ミノタウロスの首そのものはハルヴェインへ残したが、証明用の角片と記録、それに文書袋は持っている。


「戻ったか」


「ええ」


「顔見りゃ分かる」


 それだけ言ってから、バルドは紙束のひとつを差し出した。


「先に伝えとく」

「各街は問題ねえ」


 ナタリアはその紙を受け取り、目を通す。

 一つ目の街、外縁強化で軽微被害のみ。

 南の小集落、避難準備済みで混乱なし。

 街道沿いの二街も、荷車停止と見張り増しで対処。

 大きな破綻なし。


 レオナが横から覗き込む。


「ちゃんと回ってるわね」


「伝令が早かったからだ」


 バルドが言った。


「想定を強めに回したのが効いた」

「空振りで済むなら笑い話、ってやつだ」


 ナタリアはそこでようやく、小さく息を吐いた。

 ハルヴェインだけで終わっていなかった。

 周辺もまとめて回っていた。

 それなら、あの時の判断は正しかったのだと、あとから数字と結果で言える。


「報告は奥だ」


 バルドが顎で示す。

 そのまま実務机の奥へ通される。


 そこから先は、剣ではなく紙の時間だった。


 ハルヴェインからの記録。

 討伐証明。

 立会。

 被害状況。

 周辺各街の対処結果。

 推薦状。


 質問は短く、確認も早い。

 ただし抜けは許さない。

 ここまで含めて仕事だ。

 戦って終わりでは、次が遅れる。


 ハルヴェインからの推薦状を開いた時、場の空気が少しだけ変わった。

 感謝の文ではない。

 オズワルドの筆致で、必要な事実だけが並んでいる。


 危機対応判断。

 伝令進言。

 防衛配置。

 実戦指揮。

 原因核討伐。

 素材放棄判断。


 ナタリアはその文を黙って見ていた。

 レオナは隣で、小さく息を吐く。


「思ったより重いわね」


「そうだろうな」


 バルドが低く返した。


「向こうの内勤が書いた文だ」

「余計なことは書いてねえ」


 報告が一通り終わるまで、かなり時間がかかった。

 だが、その時間が無駄だとは思わない。


 最後に、上から下りてきた書類を確認した実務担当が言う。


「評価が確定しました」


 短い沈黙のあと、続く。


「ナタリア・ヴォルディア」

「CからAへ」

「レオナ」

「DからBへ」


 レオナが目を瞬かせる。


「本当に二階級ね」

「しかも、あなたはA」


 バルドが腕を組む。


「文句あるか」


 レオナはすぐ首を振った。


「ないけど、さすがに一気ね」


「仕事の中身見りゃ当然だ」

「向こう一街だけじゃねえ」

「周辺も回して、街を持たせて、核も落とした」

「それで据え置く方が不自然だ」


 ナタリアは渡された新しい札へ視線を落とした。

 A。

 文字は短い。

 だが、軽くはない。


 レオナが横からのぞき込み、笑った。


「Aよ」


「仕事が増えるわね」


 返した瞬間、レオナが呆れたように笑い出す。


「そこ?」


「そこじゃないの?」


「もうちょっと何かないの?」


「別に」


「ほんと、そういうとこよね」


 ポンタが足元で胸を張る。


「主はそういうやつじゃ」


 バルドが机越しに鼻を鳴らした。


「浮かれてねえのは悪くない」

「ただし、上がったからには上の仕事が来る」

「分かってるな」


「ええ」


 ナタリアは札をしまいながら答えた。

 その声は、もう完全にいつもの調子へ戻っていた。

 強くも弱くもない。

 ただ、必要なところへ必要なだけ言葉を置く声だ。


 報告が終わり、ようやくギルドを出る時には、王都の空はすっかり夕方の色になっていた。


 レオナが伸びをする。


「とりあえず、お風呂」


「そうね」


「そのあと?」


 ナタリアは横目で見て、少しだけ間を置いた。


「……お腹は空いてるわ」


 レオナが吹き出す。


「そう返すのね」


「変な聞き方するからでしょ」


「変じゃないわよ、たぶん」


 ポンタが間へ割り込むように言った。


「妾は肉がよい」


 レオナが笑ったまま頷く。


「はいはい、そっちもね」


 王都の通りは、何事もなかったように人で埋まっていた。

 だが、何もなかったわけではない。

 ハルヴェインで起きたことは、もう記録になり、評価になり、次に使われる形で残った。


 ナタリアは歩きながら、肩の力が抜けているのを感じた。

 完全に緩んだわけではない。

 それでも、もう山を押し返していた時の自分ではない。


 隣ではレオナが同じ歩幅で歩いている。

 足元にはポンタ。

 立ち位置は少し変わった。

 だが、並びはもう自然だった。


 王都の灯りが一つ、また一つと通りに増えていく。

 その下を、ナタリアはいつもの顔で歩いていた。

ここまでお読みいただきありがとうございました。


今回は討伐そのものよりも、

「異変をどう読むか」

「街をどう持たせるか」

「終わったあとをどう戻すか」

まで含めて書いてみました。


戦いの派手さだけで押す回ではなく、

判断、配置、伝令、処理まで含めて

ナタリアの強さが出る形にしたかったので、

個人的には今回はだいぶ

“中身のおっさん”を出せた気がしています。


見た目は若い令嬢でも、

危ない時ほど物の見方や切り方がそっちへ寄る、

あの感じを書けるとやっぱり楽しいですね。

特に後半は、剣だけで綺麗に勝つというより、

使えるものを全部使って最短で片づける方向へかなり寄せました。


レオナも今回はかなり良かったです。

同行者というより、

横で支え、通し、一緒に勝つ相棒側へ

だいぶ寄ってきたかなと思っています。

ポンタも含め、この三人の並びはかなり書きやすくなってきました。


次からは、AになったナタリアとBになったレオナで、

見られ方も依頼の重さも変わってくるはずです。

そのあたりも含めて、また続きを書いていければと思います。


感想、ブックマーク、評価など、いつもありがとうございます。

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