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「「「うおおー! 」」」
いつの間にか集合していたギャラリーは、予想していなかったであろう結果に大盛り上がりだ。一方のクラックさんと私は、まだ見つめ合っていた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
ゆっくりと私が剣を下ろすと、クラックさんもふうっと息を吐いて剣をしまった。
「ルアンさん、ありがとう」
「いえいえ」
「お前たち、何をしているんだ? 」
ふと、副団長のアルシュさんの凄みのある声が聞こえて振り向いてみると、さっきまで大騒ぎしていた他の騎士たちが、あわあわと各々の作業に戻っていた。
クラックさんもアルシュさんには逆らえないらしい。
「強いですね。どこから学ばれたのですか? 」
「えーと・・・」
言い訳言い訳! 待って、これ何言っても調べられるじゃん!
「ど、独学で! 」
「独学で? 」
「うん。独学」
「それにしては卓越した技術ですね・・・」
「ありがとう」
ごめんなさい! 一切学んでません! 反則チートに頼ったものなんです!
そんな私の心の叫びを知らないクラックさんは、素直に感心していた。
「団長。少しお話が」
そこでギャラリーを散らし終えたアルシュさんがクラックさんを持っていき、私達の話は終わった。
それから三日が経った。
「各自今一度所持品をチェックするように! 」
「おーい! これ誰のやつだ? 」
「あ、それ俺の! 悪りぃ悪りぃ」
「気をつけろよ~! 」
騎士たちがガヤガヤと集合する隣で、私も私で忙しくしていた。
今日はこの森を出発する日だ。
「こんな感じかな」
私達の小さな小屋は、数々の木の枝に囲まれている。念の為のセキュリティーだ。
私のものはすべて森で使うように自作したものだから、荷物として持っていくものはほとんどない。強いて言うなら干し肉だけだ。
「そういえばシエル殿。もしかして服はそれだけですか? 」
「? そうだけど、自動洗浄機能がついてるから大丈夫だよ」
「いえ、そうではなくて。その格好はなんというかその、目立ちますので、できればなにか羽織ってもらえれば助かるのですが・・・」
「じゃあごめん、マント借りてもいい? 」
「それでしたらどうぞ」
「ありがとう」
バサッとちょっとかっこよくマントを羽織ろうとしたけど、思った以上に大きくて失敗した。アルシュさんがちょっと笑っているのが、余計に痛い。
「くくっ」
「笑い過ぎ」
「す、すみません」
「では行こう! 」
森の外へ出発だ。




