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お読みいただきありがとうございます!

 考えてみれば、私は小屋からそこまで遠く離れたことがない。だから森の他のところがどうなっているかは知らなかった。


「この辺りは魔獣があまりいないんですよ」

「ここは普段中型の魔物が出やすいんですよ。襲いかかってくるのはいなくても、様子伺いのやつがたくさんいます」


 私の安全を守るためだと、黎月が騎士団全員に結界をかけてくれた。その結界から感じられる魔力に怯えて、魔獣はおろか、ネズミ一匹近寄ってこない。それでも、平和にのんびりとした雰囲気の中で、騎士たちの意識は常に研ぎ澄まされているのが感じられる。



 暇を持て余していた私は、アルシュさんと話していた。


「・・・ーじゃあ普段から森の奥まで来てるわけじゃないんだ」

「そうですね。あまり予算に余裕もありませんし・・・」

「大変なんだね」


 どうでもいい話ばかりしていたが、そういえばと、聞きたいことがあったのを思い出した。


「話変わるんだけど、アルシュさんたちが仕えているのって、どんな国なの? 」

「我々が使えているのはもちろんこの国ですが・・・? 」

「えっと、この国ってなんて名前なの? 」


 私のあまりにも常識を知らなさすぎる質問のせいで、ん?っという顔になってしまったアルシュさんだったが、ここ数日発揮しまくった私の常識のなさを思い出し、ああ、っとすぐに質問の意図を理解してくれた。


 常識がなさすぎて本当に申し訳なくなる。この一瞬の気まずさを回避するために、アルシュさんに聞く前に黎月たちにも聞いてみたけど、四匹ともあまり印象がないらしい。


「そうですね、どこから話しましょうか。我がプロム国は、代々プロムナード家を王家とし、六つの公爵家、十の侯爵家、十五の伯爵家と四つの辺境伯爵家、そして十七の子爵家と二十三の男爵家、そして十の準男爵家が仕えています。ちなみに私もオラン伯爵家の三男で、団長もああ見えて一応クロスタット公爵家の次男なんです」


 へー、そうだったんだ! 勝手な妄想だけど、貴族ってもっとけばけばしいイメージだったから、ちょっと意外かも。


「もう少し詳しく話すと、現国王ロドリス・プロムナード陛下には五人の王子王女様方がいらっしゃいます。リアリニア・モルデウス王妃陛下との間に生まれた第一王子ルーフェウス・プロムナード様と第二王女マルデリーナ・プロムナード様。第二側妃ガーベルナ・タクトア様とのお子である、第一王女メティーナ・プロムナード様。そして第一側妃セルラ・ティリシス様との間にも、第二王子セシオン・プロムナード様と第三王子ルシオン・プロムナード様の双子がいらっしゃます」



 ・・・ナンテ!?



 そんな一気に長々しい人名を並べ立てられても、聞き取れるわけがなかろう! 逆によく噛まずに言えるな・・・。


「・・・・・・とりあえず、その王様に四人の奥さんと三人の息子さんと二人の娘さんがいることだけはわかった」

「お、奥さんですか・・・」

「え? だって全員国王の妻なんでしょ? 」

「まあ位置付け的には・・・」

「大丈夫大丈夫、流石に国のトップに面と向かってこんな言葉使わないから! 」


 そう言っても、アルシュさんの不安そうな顔は消えない。自覚は一応あるつもりだったけど、私ってそこまで常識ないもんだと思われてる?



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