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ステータス・アイ

「はい、あなたにもこれをあげるのですわ」


 不意にクラウディアが、ルーシーに青い水晶玉を放り投げて来た。慌てて受け止めるルーシー。

 まるで引き込まれるような不気味な青い水晶玉だ。


(なんだ……目が離せない……うっ)


 両方の瞳が焼けるような痛みを感じてルーシーは思わず目を閉じた。


(熱い……なんなの……なんか焼き付けられるような痛さ……)


「それはステータス・アイを刻む青水晶なのですわ。その力であなたの目は、敵のステータスを見ることができるですわ」

「なんですって!」


 ルーシーは目を開いた。

 目の前にクラウディアがいる。

 

クラウディア・マナウス ?歳 大魔導士&薬師 ランクSS

 攻撃力S 防御力SS 体力B 俊敏力A 魔法力SS 器用さA 耐性力B 知力SS 運A カリスマA

 300年前の大魔導士。****** ******


 なんとステータスが見える。能力のランクと職業、名前などが羅列されている。


「これはすごいぜ……。前に手に入れた、ステータスが分かる眼鏡と同じじゃないか……」

 

 ランクSSというのも人間をはるかに超える数字である。ただ、ルーシーは違和感を覚えていた。このランク付けの信ぴょう性をだ。そもそも12歳と自称しているのにステータスは『?』と表示されている。年齢詐称疑惑が濃くなった。


(やはり、年齢は偽りか……いや……このアイテムすら引っかけということもありえる)


 ステータス全部が分からないと見越してとはいえ、一部でも自分の秘密がわかってしまう危険を冒して、ルーシーにこのアイテムを差し出したのはおかしなことだ。


(何か裏があるのかも……)


 クラウディアはルーシーの方を見てにやにやしている。やっぱり、この女は何か企んでいるとルーシーは思った。


「ルーシーさん、僕の能力も見えるのですか?」


 ユートがそう言ったので、ルーシーはユートを見る。かつて、同じくステータスが見える魔法の眼鏡はユートを見て壊れた。


(私の目が爆発するなんてことはないよな……)


 どきどきしながら、ルーシーはユートのステータスを確認する。


ユート 勇者の執事 ランクZ 13歳

攻撃力Z 防御力Z 体力Z 俊敏力Z 魔法力Z 器用さZ 耐性力Z 知力Z 運Z カリスマZ

 

 魔法の眼鏡はユートを見た途端に壊れた。ルーシーの目もどうにかなってしまうかと思ったが、それはなかった。但し、全く意味のない画面だ。


「そもそもランクZってなんだよ!?」

「さあ……。先の大魔王を倒した勇者はSSSでしたわ。Zなんて知らないですわ。その魔法の目はあなたの成長によって性能が上がりますから、そのうち、ユート様のことが分かるのではなないのですか」

「……そういうことにしておくよ。なんだか、知ってしまったら恐ろしいことになりそうな気がする」

「あなたにそれを渡したのはあくまでもユート様のため。敵の能力を調べてユート様のサポートをするのですわ」

 

 そうクラウディアは言った。

 どうやら彼女はユートのためにルーシーにこのマジック効果のあるアイテムを渡したようだ。

 確かに敵の能力を看破できれば、戦いは有利になる。


(というか、相手の力量が分かれば、ユートを止めることができる)

「それじゃあ、エリクサーも手に入ったことだし、急いで王都へ戻ってアリナ様に差し上げましょう」


 そう言ってユートとルーシー。そして新たに仲間になったクラウディアは王都ロッカへ戻った。

 もちろん、ユートのとんでもないダッシュで、ルーシーの顔の皮がたるんたるんになってしまったことは言ううまでもない。


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