第10話「和平」
「国として独立していただきます!」
「そ、そんなバカな話っ…」
「レェーネ、それ通らないと思うけど……さすがに」
「通らないなら無理に通すだけだ。帰るぞ。ウィル。」
レェーネはアリーシャに背を向けて歩き出す。
「待て!逃げるのか!?」
「考えて置いてください。俺はこの話しを通るように話して来ますので。」
「っ!」
「……レェーネはね、嘘は言わないよ?」
「黙れ!変態男!」
アリーシャは赤面しながらウィルへと突っかかる。
「誰が変態だよ!」
「お前がした事、忘れてないからな!!」
「あ、はは……」
ウィルは苦笑いで済まそうとした。
「……おい!」
去っていこうとする王子達をアリーシャは止めた。
「「?」」
「本気、なのか?」
「ええ、本気です!これ以上無意味な死体を積むなど俺には耐えられない!双方により良い形でこの戦争を終わらせたいのです!」
王子の必死の説得にアリーシャの心は少し動く。
「……では、その和平の提案受けよう。」
「アリーシャ嬢……感謝致します!」
「……変な王子だ。」
「そーそ、ボクの自慢の王子だからね。」
こうして和平が結ばれる事になった。もちろん、銃口を弾いた兵士は処刑された。そして、アリーア地区は国として独立する事になる。王子は国王を説得するべく王城へと馬で走る。
「と、言う事で独立を認めていただきたいのです!」
「そんな事、許されるわけが…」
「独立させて属国とし、商業による交易で利益を出させる。これ以上不毛な戦いをするよりよい事だと思います。アリーア地区の絨毯は高級品として重宝されています。これを利用しない手はないでしょう。」
「……」
国王は黙った。大臣達も反対した。だが、王子の言う事に賛同する者もいた。
「お前への褒美はなくなるがよいか?」
「ええ、停戦からの和平が俺にとっての何よりの褒美です故。」
こうして和平を結ぶ事になる。アリーシャは王となる。




