第百一話:事後処理であってもまだ終わりじゃない
1
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赤い光が消えた。冷たい風の音がクレーターの中に響き渡っていた。そして、別の音も聞こえてきた。
「うっ……!」と戦士たちが呻いた。
彼女は彼らを見た。そして、チィたちも。彼女は目をこすった。
そう、彼らは立ち上がっていた。
彼らの肌や外套、羽毛には血痕があった。地面にも。しかし、肌にも、皮膚にも、臓器にも、裂傷や断裂、破裂、引っかき傷は見当たらなかった。傷跡すらなかった。少なくとも、新しくできた傷跡は。炭化も、火傷も、熱傷も、焦げ跡も、刺激による炎症さえなかった。彼らの目は澄み、輝いていた。
羽毛は、傷ひとつない状態でさらさらと揺れていた。戦士ブドゥ・ムィのチィの羽毛でさえ、損傷の跡はなかった――イェレンが投げつけた氷塊の衝撃で負ったはずの傷すら、残っていなかった。
イェレン!まさか……?
彼女はその怪物を見た。違う。怪物はまだ、血の海の中にうつ伏せに倒れていた。
「な……何が起きたでごわすか……?」
戦士たちは自分の手を見つめ、身体に触れながら尋ねた。
「さあ……」
彼女は呟くように答えた。
2
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彼らはみな、無事だった。しかし、誰の顔にも笑みはなかった。彼らの目は大きく見開かれていた。
地球上の多くの人間文化には、相反する二つの感情――驚嘆や感嘆、そして、その驚異を前にした純粋な恐怖――が重なり合う状態を表す言葉がある。おそらく、この世界にも同じような言葉があるのだろう。たとえば、思い浮かぶ表現のひとつは「物凄さ」。もうひとつは「恐れ」だ。畏敬の念を抱かせるほど恐ろしく、恐怖を呼び起こすほど驚異的なもの。
もちろん、そのような現象に名前をつけられるからといって、それだけで現象そのものを説明できるわけではない。とはいえ、名前をつけることと説明することを混同しやすいのも事実だ。しかし、そのような間違いにも一理ある。
「ブーバ/キキ効果」と呼ばれる現象がある。少なくとも、そのような現象が存在するという主張がある。異なる文化圏や母語を持つ人々に、丸みを帯びた形と、とげとげした形の二つの図形を見せ、二つの言葉から自由に名前を選ばせると、多くの人が丸い図形を「ブーバ」、とげとげした図形を「キキ」と名づける。同じ傾向は、二つの名前が「タケテ」と「マルマ」の組み合わせでも見られる。マルマは一貫して丸い図形に、タケテはとげとげした図形に結びつけられる。
どうやら、人間の心には、柔らかな響きの言葉を丸みのある物体に、より鋭く硬い響きの言葉をとげとげした物体に結びつける、一定の傾向があるようだ。
しかし、それは人間の心理の気まぐれや奇癖にすぎないのだろうか?それとも、もっと深い意味があるのだろうか?いずれにせよ、彼らは驚愕の状態にあるようだった。
3
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「隊長殿、何が起きたかご存じでごわすか?」と戦士アカリは彼女の前に立ち、尋ねた。
「さあ……」
彼女は短刀を握ったまま膝をつき、周囲を見回し続けながら答えた。
「お……おいどんら、ついさっきまでひどい怪我を負っちょったでごわすよな……?」
「さあ……」
「お……おいどんら、生きちょるでごわすよな……?」
「さあ……」
王さん――いや、グァングィ、ズィン家ん三番手は疲れ果てていた。ただ意志の力だけで、どうにか意識を保っていたのだ。全員が無事であることを十一回目に確かめた直後、彼女は倒れた。
「おい……隊長殿……」
男たちは、ほとんど同時に声を上げた。
4
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「隊長殿っ!ご無事でごわすか?突然気を失われたときは、おいどんら、本当に心配したでごわす!」
王さん――いや、グァングィ、ズィン家ん三番手が目を覚ますと、戦士アカリがそう言った。
「わ……わたしは、どこにおるんじゃ?」
彼女は眉をひそめ、右手を額に当てながら尋ねた。
「隊長殿、ここは駐屯地のご自室でごわす!」
行政棟にある個室は、ほとんどすべてが大きさも装飾も同じで、家具といえばベッドと木箱があるだけだった。装飾などないに等しい。それでも、彼女が自分の部屋とほかの部屋を見分けられなかったわけではない……。
「ほ……本当か?なんだか違って見えるんじゃが……」
彼女の部屋は、以前とは違っていた。少なくとも、たったひとつだけ変わったものがあった。
「ああ、ひょっとすると、あのベッド脇の小机のせいかもしれん……」
「ああ、なるほど……」
ベッド脇の小机には、陶器のカップと水差しが置かれていた。
「んだ、お嬢ちゃん。具合はどげんじゃ?」
中年の女性が突然部屋に入ってきて、尋ねた。
「おい、隊長殿にもっと礼儀正しくせんかっ!」
戦士アカリが言い返した。
女性は彼を無視し、左手のひらを王さん――いや、グァングィ、ズィン家ん三番手の額に当てた。それから、右手の人差し指と中指を隊長の手首に当て、患者のまぶたを引き下げ、口を開かせ、さまざまな角度から覗き込んだ。
「どっかおかしかとこでもあるでごわすか?」
彼が尋ねた。
「ああ。妙な匂いがすっとじゃ。匂いがよすぎっとよ。あげなええ匂いのすっ人間はおらんど」
「ちょっと、わたしはここにおるんじゃが……。わたしがおらんみたいに話すんじゃなか!子ども扱いすんなっ!!」
「それに、あの妙なしゃべり方も気になっど……ピ・ン・カ・ピみてぇに聞こえっど……」
「おい、ここにおるっち言ったじゃろが……無視すんなっ!」
「なんじゃ、ちゃんと人間のしゃべり方も知っちょるじゃなかか」
女性はようやく隊長に向かってそう言った。
戦士アカリは、王さん――いや、グァングィ、ズィン家ん三番手の右こめかみで血管が脈打っているのに気づき、引きつった笑みを浮かべながら身を引いた。
「まあ、患者の具合はよさそうじゃな。おいは行くど。おいみてぇな薬草師が、そげな女々しか騒ぎに時間を無駄にしちょられんでな」
女性は乾燥した薬草をまとめた布をベッド脇の小机に置き、そう言い残して部屋を出ていった。
隊長は小枝を一本手に取り、じっくりと眺めた。
「こりゃ何事じゃっ?」
「隊長殿のお薬でごわすと思いもす」
戦士アカリが答えた。
「こいをどげんして飲めっちゅうんじゃ?食うとか?茶みてぇに煎じて飲むとか?」
「さあ……」
そして……。
5
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「隊長ぉ〜、隊長ぉ〜」
戦士ブドゥ・ムィが部屋に飛び込んできた。
「おい、戦士!隊長殿に対して、なんちゅう無礼な口の利き方でごわすか!」
戦士アカリが彼を叱責した。
「申し訳なかでごわす。本当に申し訳なかでごわす」
彼は深々と頭を下げながら答えた。
「よか、気にすんな。何の騒ぎじゃっ?」
王さん――いや、グァングィ、ズィン家ん三番手はベッドの上で上体を起こしながら答えた。
「見つけたでごわす!あの少年を見つけたでごわす!」




