表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
27/27

最終回(エピローグ):悪役令嬢セレナとジュリアス王子の、どこまでも現実に全力な二重生活


ルシードとの大決戦から、さらに数ヶ月。


「――れな、そこから動くな。今、お前の進路上の全歩行者ログと信号のサイクルをハッキングして、1ミリの障害もなく最速で合流できる『特異ルート』を構築した」

「もう! ただの放課後の待ち合わせなんだから、街中のシステムをスマホで一元管理ハッキングしないでよ、じゅり!」


夕暮れ時の日本の駅前ロータリー。

制服姿のジュリアス(じゅり)が、片手にスマホを携えながら、いつもと変わらない冷徹な、けれど私にだけは酷く甘いトーンで私の手を引いた。


異世界の王宮を巻き込んだあの大型アプデ(続編)の危機を、私の『世界規律の強制書き換え(チート)』で完全シャットダウンしてからというもの、私たちの二重生活は、驚くほど平和で、そして相変わらずどこまでも規格外だった。


私が異世界の『法律ルール』を上書きできるようになったことで、もう私たちを脅かすバグも、理不尽なシナリオも存在しない。


異世界あっちの領地経営のログも、お父様たちの会社の株価も完全に右肩上がりだし……本当に、あの時がんばってよかったなぁ」

「当然だ。だが、お前が強くなりすぎて、俺が後方支援バックアップする隙が減ったのだけは不満だな。……これからは、その最強の力ごと、俺の腕の中で一生一元管理ホールドさせてくれ」


じゅりは満足そうに私の腰を引き寄せると、通り過ぎる日本の女子高生たちの視線も気にせず、私の耳元で執着の塊のような囁きを落としてくる。異世界でルシードを圧倒した時と同じ金色の瞳が、今はただ、私への限界突破した独占欲だけでギラギラと輝いていた。


「は、ハッキング完了したからって、現実世界の独占欲までカンストさせないで……!」


私が真っ赤になってスクールバッグで顔を隠すと、クローゼットの向こう――異世界の王宮の通信魔導石から、カチャリと小気味いい音が響いた。


『ハハハ! 若い国交ラブコメは今日も順調のようだな、アルベルト!』

『左様ですな、皇さん。我が娘のセキュリティ(ガード)を崩すとは、じゅりも有能な経営者(男)に育ったものです』


通信の向こうでは、日本の高級ビールを片手に、次の自社IT製品のカンファレンスと異世界の予算会議を同時に進めている阿流パパと皇パパ。

そして、その横では『デパ地下の限定お惣菜おつまみ』を広げながら、優雅に談笑している真理ママと紗夜ママ、さらには「れなに近づくバグは俺が斬る」と未だに親バカならぬ兄バカを発揮しているリチャードお兄様たちの賑やかな声。


画面の向こう(異世界)だろうと、現代日本のリビングだろうと。

いつだって全力で、泥臭くて、最高に温かい最強の家族たちが、今日も私たちの背中を支えてくれている。


「――さあ、行こうか、れな。我が家の特製エビマヨが冷める前に、俺たちの完璧なホーム(我が家)へ」

「うん、じゅり!」


理不尽な神のシナリオなんて、私たちの前にはただの初期化対象デリートでしかない。

世界の法律を塗り替えた最強の悪役令嬢と、それを全自動で甘やかす少年の異常な防衛独占欲。

すべてが規格外な私たちの現実に全力な二重生活は、これからもたくさんの愛と、美味しいご飯と、最高のラブコメの波動を撒き散らしながら、どこまでも、どこまでも甘く突き進んでいくのだった。


(悪役(予定)令嬢ですが、未来の旦那様の独占欲が限界突破しています 〜現代日本の秘密基地で「破滅フラグ」をハッキングしたら、冷徹王子に一生逃がさないと誓われました〜――完)


---

あとがき(作者より)


読者の皆様、これまで本作を最後まで温かく見守っていただき、本当にありがとうございました!


「現代日本のIT×異世界魔法ファンタジー」という、どこを切り取ってもキャラが濃すぎる我が家の人々のドタバタ二重生活、いかがでしたでしょうか?

最初はじゅりの過保護なハッキングに振り回されていたれなちゃんが、最後には「私がこの世界の法律だよ」と言い放つ最強のチートヒロインへと完全覚醒し、ルシードという続編のピンチを家族総出でぶち破る、最高のハッピーエンドを迎えることができました。


日本にいる時は「皇さん」「阿流」と呼び合いながらビールを飲む親世代の有能っぷりや、りく兄たち兄姉メンバーの頼もしさ、そして何より、最後まで独占欲が限界突破アプデされ続けたじゅりとれなの甘い掛け合いを、私自身も本当にハラハラ・ワクワクしながら書き上げることができました。


ダラダラと続けることなく、みんなが日本のリビングでエビマヨとビールを囲んで笑っている、一番綺麗な最高の引き際で物語を締めくくることができたのも、一重に読者の皆様の応援のおかげです。


れなとじゅり、そして最強の家族たちの物語はここで一度幕を閉じますが、彼らの二重生活はこれからもクローゼットを行き来しながら、どこまでも賑やかに続いていきます。


これまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました!また次の作品でお会いしましょう!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ