顎ニキと鼻ニキ
◇素人が書いた作品です
◇気が向いた時に顎を振り回します
お疲れの方はこちらで顎を伸ばして休憩していってください――。
朝になると顎ニキの姿は無かった。
女子高生「顎ニキどこにいったんだろう?」
美人「敵も遭遇してないといいけど……」
ギャル「あ〜……顎ニキ倒れてるわ」
ギャルは忙しそうに朝のメイクを整える。
目が命のギャルは漆黒の目に慣れた手つきで仕上げる。
ギャルの天まで届きそうなまつ毛はセンサー機能付き。そして、空に羽ばたくことも可能。
ギャル「ちょっと迎えに行ってくるわ!(笑)」
主婦「倒れてるってことは負けたってことだよね……?」
アイドル「ぁぁあっ、WAVEWAVEのユウキがぁ……遠ざかってしまったの……っ」
美人「私たちはメイクして待ってるしかないわね。今日のリップカラーはどれにしよう――」
主婦「ほら、早く行くよ!」
主婦はテキパキと今の時間の間にメイクを仕上げてしまう。そしてまだ眠そうな女たちに顔を洗うようにタオルを持たせる。
ギャル「マジで負けて顎伸びてんだけど〜っ!(笑)」
ギャルは腹を抱えて、飛行し続けることが難しい様子。ボロボロになった顎ニキは空を飛ぶギャルの腕の中。高さはまあまああるはず、だが大地に刻み込む音――。
人がボロボロになっているのに。
顎があんなにも伸びているのに。
笑うなんて――。
笑うなんて――。
女たちの笑い声は表の世界まで届いてしまいそうなほど響き渡る。せっかくのメイクが落ちてしまうのに。
主婦「――それで。どうして一人で戦いに行っちゃったの?」
顎ニキは母親に叱られているようだ。
ボロボロの服に、膨れ上がった顔。そして伸びすぎた顎が地面に刺さり、顎ニキは天を眺めるしかできない。
よくこのカオスな状況で主婦は怒ることができるな、と女たちは感心している。
主婦「いい……?みんな、男はみんなこれくらいらバカだと思ってお付き合いするべきよ。そうすれば後が楽だから」
何かを悟り切っている主婦のお言葉――。
吉川勇気(顎)「……顎も守備強化されたし……ちょっと強い人に勝てると思ったんだ、でもやっぱりあの人は強いからね……敗北ポイントの加算が高くて……1回の負けで結構顎が伸びちゃうんだ」
女子高生「……やっぱバカなんじゃ……」
吉川勇気(顎)「どうしたー?」
こんな状況でもイケメンである心は忘れない顎ニキ。女を慰めるような甘い声。
だがこの5人はこの顎と謎メンタルの持ち主の甘い声は刺さらない。
女子高生「……イケメンに身震いするとは思わなかった……」
主婦「あんまりいじめないの、もぅ~」
吉川勇気(顎ニキ)「心配しているだけだろ〜」
顎ニキは正座も疲れた、顎を地面に突き刺し天を見上げるのも疲れたのかまるで涅槃像のように寝転ぶ――。
美人もその姿を見て勢いよく吹き出す。女たちはむせ狂う。
なんともまあ、頼もしい顎。
これを守備力高めるためにまた化粧をするのか。ファンデーションがいくらあっても足りない。
次は伸びのよいファンデーションを使うべきか――。
主婦「それで誰に負けたの?」
吉川勇気(顎ニキ)「俺は顎、あいつは鼻が伸びてる。まさに天狗に、ね」
ギャル「敵は鼻か!(笑)」
女子高校生「まさか――。アイドルグループの仲間だったり……?」
吉川勇気(顎ニキ)「そうそう!勝てば俺たちは元のイケメンに戻れる」
鼻の長いイケメンが敵――。
しかも顎ニキのアイドル時代の仲間。ってことはWAKEWAKEのイケメン――。
その鼻ニキは顎ニキに勝ったってことは鼻が縮んでいるってこと?
顎ニキの顎がここまで伸びてるってことは――!
美人「それでその天狗さんはどこにいるの?」
つやつやな唇をピンク色に染めた美人は天狗の居場所を突き止めようとする。
吉川勇気(顎ニキ)「あいつには関わるな、本物の――」
「なんだって?ユウキ~?!この世界で女に囲まれて生活しているなんてずるいぞ~♡」
そこにはただのイケメンが立っている。
ただのイケメンだ――。
腹が立つほどイケメン。
吉川勇気(顎ニキ)「くっそ~!お前に負けるなんて!裏切り者~!」
「ユウキも早くこの戦いから逃れられるといいな~♡」
そしてだたのイケメンはこの世界から現実の世界に帰る。
アイドル「今さっきのって!ユウヤだよね!?」
吉川勇気(顎ニキ)「はぁ~~。俺らでこの世界を楽しもうって約束してたのにあいつ~!」
アイドル「どういうことなのか説明してよ!その顎がどうしてそうなったのか!」
主婦「そうそう、俺らでってどういう意味なの?」
女子高生「まさか他に何かが伸びた人がいるってこと?!」
ギャル「うける~(笑)」
美人「約束って何……?」
吉川勇気(顎ニキ)「現実世界の裏側で俺たち戦っててさ~。みんなで負けまくりだったわけ!それでそこから誰が最初にこの世界から抜け出せるかってのをしててさ~。だけどここ案外楽しいじゃん?商売道具の顔が壊されるとか(笑)いかに長くこの世界に滞在できるか競ってるわけ!(笑)なのにあいつ顔取り戻したって、くっそ~!」
美人「え?結局整った顔が羨ましいの?」
吉川勇気(顎ニキ)「そりゃそうだろ!一抜けだぞ~くっそ~」
主婦「でも顎は長いほうがいいって――」
吉川勇気(顎ニキ)「そりゃそうだろ~俺達メンバーは伸びた何かないと戦えないんだぞ?武器は強いに越したことないだろ!」
伸びすぎた顎を悲しんだり、嬉しそうに撫でたり――。
情緒不安定な様子がこちらにも伝わってくる――。
鼻ニキに負けた顎ニキはさらに伸びた顎のせいで空を眺めるしかない。
そして女5人はその顎の断面を見てため息をこぼすしかない。
つまり私たちはこの裏の世界の歪みを元に戻す戦い、顎ニキたちメンバーの痴話喧嘩にまで付き合わさせているってこと、か――。
メンバーと言うことはまだ他に何かが伸びたイケメンがいるってこと――なの。
◇疲れた社会に尖った顎どうでしたか?評価あると嬉しいです
◇不定期更新のためブクマ推奨です




