第39話 ハッピー・エンド
目を覚ますと、そこはベットの上だった。
あれ私、なぜか制服を着ている!?
えー、まさか! いままでのことは、すべて夢だったの?
なんてことを、寝起きのはっきりしない頭でぼんやりと考えながら、頭を振る。
少し意識がハッキリしてきて周りを見渡すと、テントの中に作られた急ごしらえの簡易ベッドに寝かされているだけだった。
そのテントの中に、リンターロが入ってきた!
「ヨーコ! 気が付いたか!
ダークエルフを倒してから、ずっと寝ていたから心配したぜ!」
「ここはどこ? なんで私、制服を着て寝ていたのよ!」
「いや、ヨーコが倒れて……このまま元の世界に戻るのかな? と思ったんで、荷物の中にあったから着せてみたんだけど……戻らなかったな(笑)」
いやっ、嬉しそうにするなよ!
「言っとくけど、着せたのは俺じゃなくて、アーテナだからな!」
当たり前でしょ! オジサン! なんて思っていたら、私たち二人の声を聞きつけたのか、
「ヨーコ!」「ヨーコ様!」
と、デウス王子とシーラが、テントの中に飛び込んできた!
わっ! 二人とも抱きついてきた(笑)。
抱きつきながら号泣する二人に、
「私は不死身のヨーコだよ。あれくらいじゃ死なないよ」
と言って、ニッコリ笑った私だった。
そして、テントにアーテナが入ってきて、
「ヨーコ、気づいたんだ!
よかった!やっぱりあんたは『不死身のヨーコ』だ」
と嬉しそうに言う。
そして、手に持っていたものを私のほうに見せてくる。
「ヨーコ、見てみて!
あんたの鎧、ダークエルフの赤い血がこびりついて、魔道具になったよ!
トモシゲの話では、最強の防具になるんだって!
せっかくだから、赤色で綺麗に塗っといたから!」
それは、深紅の赤色に塗り変わった、私のビキニアーマーだった。
それから数日が経ち、無事にグンペーイ王国に帰国すると。
お城で私たちを出迎えてくれたグラーデウス王が、私が寝ている間にエルフから受け取ったらしい王であることを証明する印を、懐から取り出したデウス王子から受け取る。
それは、オリハルコンとかいう金属でできた、王冠というよりもっとシンプルで質素な頭飾りだけど、白色に光り輝いている。
それを受け取ったグラーデウス王が、改めてデウス王子の頭にそれを着けると、
「デウス、よくぞ王である印を持って帰ってきた!
これでお前は正式に私の後継ぎだ!」
と嬉しそうに言って、抱きしめた。
するとデウス王子が申し訳無さそうに、
「王様、あの、実は、僕は、僕は……」
と何かを言おうとすると、グラーデウス王がさらに強く抱きしめて、
「……デウス、お前は何も気にするな。
お前は正真正銘、私の息子だ!」
と力強く宣言したのだった。
なんとなくグラーデウス王は、デウス王子が自分の本当の息子ではないことを知っている気がする。
王様、女性関係は問題ありすぎな人だけど、王としては有能なんだよねー。
さて、デウス王子も正式な後継ぎになれたし、これからどうしよう?
ひとまず、異世界から元の世界に戻る方法を探す旅に出かけようかな!
これは、エルフの長老から聞いた話なんだけど。
「エルフの谷のはるか先にある『天空の城』に住むというエルフの大賢者ならあるいはなにかを知っているかも……。エルフ族にして聖女、九千年以上は生きているとも言われ、神にもっとも近いとされるお方だ」
九千年! そんなに生きているエルフってどんな感じなんだろう!
神に近いって、炎の神様みたいな存在なのかな?
エルフの谷のさらに先に行けば会えるらしい、エルフの大賢者を探しに行くんだ!
だけど、それはまた別のお話。
そう思いながら、いまは王様と王子様の仲良さげな様子を、リンターロ、アテーナ、シーラ、ドンちゃん、それにソーニアやトモシゲさん、みんなと、王様の護衛のとして、赤いビキニアーマーを着て、見守っている私だった。
<Fin>




