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〔先生〕



〔先生〕



「ガラガラガラ~…」


先生「2人とも、『粘土で作る動物』は出来た?


茂君「は~い!先生!出来たよ!」


翔君「僕も出来た~!」


先生「2人とも、やれば出来るんだから、ちゃんと授業中は真面目にしなさい。」


茂君、翔君「は~い…」


先生「2人とも、立派なゾウさんね。

茂君のは、大きくて太いのね。

翔君のは、細いけど長くて固そう。」


茂君「ねえ?先生。先生は、どっちのゾウさんが好き?」


先生「先生はどっちのゾウさんも大好きよ。」


茂君「でも先生、俺の方がでかいんだぞ!」


先生「茂君、男の子はすぐに大きさを比べたがるけど、大きいだけじゃダメなの、もちろん太くてもダメ。そのゾウさんに愛が無いとダメなのよ。」


茂君「『あい』ってなんだよ?


先生「自分のゾウさんをどれだけ『好き』かってこと。」


翔君「ぼ、僕、このゾウさん大好きだよ。細いけど…固くて長いんだ!僕の自慢のゾウさんだ。」


茂君「お、俺だって、自分のゾウさんが1番好きだ!誰にも負けない自信がある!」


先生「ほらね、どっちのゾウさんも素敵でしょ、だから先生も2人のゾウさんが大好きなのよ。

あ!そうだ!2人が立派なゾウさんを見せてくれたから、先生のも見せてあげようか?」


翔君「先生もゾウさん持ってるの?」


先生「先生はゾウさんじゃないのよ。」


茂君「じゃあ、何を見せてくれるんだよ?」


先生「先生の秘密の場所…」


翔君「秘密の場所?先生、秘密の場所って?」


先生「2人とも、見たい?」


翔君「うん!見たい、見たい!」


茂君「俺も!俺も!俺も見たい!」


先生「ここじゃ、見せられないから、理科の準備室に行きましょ。」



『理科の準備室』


「ガラガラガラ~…」


先生「さ、入って入って。」


茂君「うわ、なんかいろんな物があるな…」


翔君「本当だ…」


「ガラガラガラ~…カチャ…」


翔君「あれ?先生、カギかけたの?」


先生「だって、他の先生に見られたくないんだもの。」


茂君「そんなに凄い秘密なんだ。」


先生「そうよ、ここにいる3人だけの秘密ね。」


翔君「先生、早く見せてよ。」


先生「ちょっと待ってね、今出すから…」


「ガサガサ、ジー、シュル…ギシギシッ…パカッ…」


茂君「うわ!なんだこれ!?キモッ!」


先生「し、失礼ね!キモくないわよ!」


翔君「ジー、ねえ先生。もっと近くで見てもいい?」


先生「翔君はキ、キモくないの?」


翔君「うん!僕、こうゆうの好き。」


茂君「なんか、ヌルヌルしてそうじゃね?」


先生「茂君、人はね、みんなここから誕生したのよ。」


茂君「え?俺もここから!?父ちゃんや母ちゃんもか?」


先生「ええ、そうよ。ここは命の源なの。」


翔君「僕、これと似たようなの見たことあるよ。」


茂君「え!?お前、見たことあるのかよ?」


翔君「うん、前に夜中にトイレに行った時、お父さんがテレビで見てた。眠くてよく見えなかったけど、なんか動いてヌメヌメしてる感じだった。」


茂君「お前の父ちゃん、キモいの好きなのか?」


先生「だから!キモくありません!」


翔君「うん、お父さんはこうゆうの大好きみたい。」


茂君「母ちゃんは一緒に見ないのかよ。」


翔君「お母さんは見ないみたい、いつもお母さんが寝てから、お父さんが1人で見てるみたいだから。

先生のココ見たら、お父さん、絶対喜ぶよ。」


先生「今度、父親参観の時、お話してみようかしら…」


翔君「ね、ねえ先生…触っちゃダメかな…」


先生「いいわよ翔君。でも、優しくね…柔らかいからすぐにキズが付いちゃうの。そ~っと、そ~っと…」


翔君「な、なんか変な感じ…もっとヌルヌルしてるのかと思った。こんなに近くで見たことないから凄いや。」


茂君「翔、お前、よくそんなモノ触れるな…」


翔君「茂君も触ってみなよ、柔らかくて気持ちいいんだから。

ねえ、先生、もっと奥まで見てもいい?」


先生「もちろんいいわよ…でも、さっきも言った通り、乱暴にしちゃダメよ…そ~っとよ…」


「…パカッ…」


翔君「茂君、茂君、ほら見てここ、ここ空いてる。僕のゾウさんなら入るかも。」


茂君「え!?お、お前、こんなところにゾウさん入れるのかよ?ヌメヌメか移るぞ。」


先生「こ、こんな所とはなによ!ヌメヌメも移りません!」


翔君「ねえ、先生、僕のゾウさんココに入れちゃダメ?」


先生「う~ん…少しだけ…少しだけならいいわよ。ただし、すぐに出すこと。」


翔君「え~!すぐに出さないといけないの~?」


先生「だって、入れっぱなしだと、先生が困るもの…」


茂君「俺のゾウさんはココには入りそうにないな。」


先生「茂君も入れたいの?」


茂君「だって、翔だけ入れるのなんてズルいじゃん。」


先生「そうねぇ、だったら、こっちの後ろの方に入れてみる?」


茂君「え~!俺、そっちかよ…」


翔君「いいじゃん。一緒に入れよ。」


茂君「仕方ね~な、「せ~の」で入れるぞ。」


茂君、翔君「せ~の!」


「ギシッ…」


茂君「な、なんかすげ~な…」


翔君「ぼ、僕、感度しちゃった…」


先生「フフフ、これで2人のゾウさんも、先生のコレクションの仲間入りね。」


翔君「ねえ、先生!またこの『深海魚のコレクション棚』見に来てもいい?」


茂君「俺も!またこの棚にゾウさんを置いてみたい。」


先生「もちろんいいわよ。ガラスケースに入れると、作品がカッコ良く見えるでしょ?

ただし、『深海魚』の事は3人だけの秘密ね。」


茂君、翔君「は~い!」



おしまい





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