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第4話 新たな領地

 パストーレ軍を撃退してから1ヶ月経った


「よっ!」


 俺は今、ヘルドと数人の兵を護衛にしてパストーレから手に入れた領地を視察していた


「だいぶ馬にも慣れてきたな」


 オルベリンにみっちりと乗馬を教えてもらい、今は普通に馬に乗れる

 ……結構スパルタだったな


「カイト様!もうすぐヌルユ村に着きます!」


 兵の一人が言う

 この兵はパストーレ軍にいた兵だ

 捕らえた捕虜は殆んどはナルールと共にパストーレに返したが500人程の兵達が俺に仕えることを決めてくれた


 これでオーシャン軍の兵力は5500人になった


 因みにパストーレとの交渉の結果は

 3年の停戦と領地の一部をオーシャン領にすることで話は纏まった

 条約は守らなければならない国同士の約束だ

 もし破れば他国からの信用を無くす

 そうなったらどれだけ大変かはパストーレも理解している筈だ


 だから3年はパストーレに対しては警戒を弛めても良いだろう

 今は他の領を警戒しないとな……


 そう考えてる間にヌルユ村に到着した


 ・・・・・・


 ーーーヌルユ村ーーー


「こ、これはカイト様……な、何事ですかな?」


 老人が俺を見て怯える

 恐らくヌルユ村の村長だろうな


 俺は馬から降りる


「そんな風に怯えるな、新たな領地を視察しにきただけだ」

「そ、そうですか……」

「安心しろご老人!ここにも兵を配置はするがそれは君達の安全の為なんだ、最近は治安が悪いそうじゃないか」


 俺は出来る限り爽やかな笑顔で話しかける


「それはそうですが……」

 

「……」


 やっぱり警戒されるよな……


「ふむ、私が恐ろしいか?」

「い、いえ!その様な事はありません!」


 いやむっちゃ怯えてるじゃん……


「貴様!カイト様を前にして震えるとは」

「ヘルド、静かに」


 我慢の限界か怒鳴り出したヘルドを黙らせる


「ヘルド、彼等の気持ちを考えるんだ……領主がいきなり変わったんだぞ?しかも奪い取る形でだ、不安になるのは仕方ないだろ?」

「しかし……」

「いいから!静かに!もしくは村の周りを見てきてくれ!」

「わかりました……」


 ヘルドは馬に乗って駆け出した

 兵達は俺の側を離れない……まあ兵が居るから護衛は充分だな


「ご老人、最近困った事はあるか?物資が足りないとか賊が暴れてるとか……何かあれば相談してくれ、出来る限りの援助はしよう」


 民忠は上げておかないとな!


「そ、それでしたら最近山賊が付近を暴れてるらしくて」

「山賊が?」


 山賊かぁ……領地を荒らすなら対処しないとな


「よし、後日偵察を送った後に山賊の討伐をしよう」


「おお、ありがとうございます!」


 そう話していたときだ


 ドサッ!


「んっ?」


 何か落ちるような音がした

 全員が音のした方を見る


「…………」


 そこには人が倒れていた

 格好からして旅人か?


「おい!どうした!?」


 俺は旅人に駆け寄る


「……」


 旅人は話さない……意識を失っているのか?


「おい!」


「……は」


 お、喋った!


「どうした!しっかりしろ!」


 俺がそう言うと同時に……


 グギュルルルルルル!!


 大きな音が響き


「腹……へった……」


「行き倒れかぁ!?」


 旅人が倒れた理由がわかった



 ・・・・・・・


 ガツガツモグモグ!


「よく食うな……お前」

「ぼうどおがもぶっでなぐで!」

「口の中が無くなってから喋れよ!」


 ごくん!

 

「もう10日も飲まず食わずだったんすよ!」


 旅人は水を飲みながらそう言った


「それで?何でそうなるまで旅してんだ?旅をしていた理由は?」


「っす!オーシャン領に仕官したくて来たっす!!」


 旅人はそう言ってフードを脱いだ

 やっと顔が見えた

 ってこいつは!?


「あっしは『サルリラ』って言うっす!助けてくれてありがとっす!」


 サルリラ……サーリスト戦記でも数少ない『女性』の将

 ステータスも高くて

 武力がB

 知性がC

 カリスマがB

 内政がB

 と優秀なキャラだ


 そんな奴が俺のところに仕官?


「何故オーシャン領なんだ?他にも仕官できる所はあるだろう?」

「あっし聞いたっす!オーシャン領は民を大事にしてるって!そんな所に仕えたくて来たっす!」


 あーそうか、サルリラは平民出身だからな……仕官してくる確率も民忠で決まってたし……成る程な


「そうか……」


「ごちそうさまっす!」


 そう話している間にサルリラは料理を食べきった


「ふぅ……店主!支払いだ!」


 俺は店主に料金を払い店を出る


「あっ!待って欲しいっす!!」


 サルリラが追いかけてくる


「ご飯の恩を返してないっす!何かあっしにやって欲しいことはないっすか?」


「んっ?その必要はない」


 俺は兵達から馬を受け取る

 そして跨がりながらサルリラを見る


「これからお前にはしっかりと働いて貰うからな」

「ふぇ?」


「カイト様!付近に異常はありません!」


 ヘルドが戻ってきた


「カイト?……カイト・オーシャン様っすか!?」


 サルリラが俺を驚いた目で見る


「なんだ?気付いてなかったのか?」

「カイト様?この女は?」

「家に仕官した奴だ、面白い奴だぞ」

 俺はそう言ってヘルドに前につめるように言う


「何をしているサルリラ、ヘルドの後ろに乗れ」

「へっ?いいんすか!?」

「道中で行き倒れられたら敵わんからな、ほらさっさとしろ!」

「うっす!旦那!よろしくっす!」

「女、口調には気を付けろよ?お前は新兵なんだからな?」


 ヘルドが忠告する

 いや正直お前より強いんだけどな?

 まあいきなり将として扱うのは違うよな……サルリラには活躍の舞台を作ってやって出世してもらうか


「よし!戻るぞ!!」



 俺達は居城まで戻ったのだった



















将のステータス


サルリラ


性別 女

年齢 18


武力 112 B

知性 81 C

カリスマ 130 A

内政 120 B

忠誠 85




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