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第269話  援軍到着

 ナリスト達が内乱を鎮圧した 


 それをまだ知らないカイトは、ベススに向かって急ぎで軍を進めていた


 2週間程でルノマレスに到着

 ルノマレスでベススからの案内人と合流

 荷物は装備の整理や変更を行い

 翌日、ルノマレスを出発


 行軍なので、普通よりも時間がかかる


 カイト達がベススの都の近くにたどり着いたのは

 オーシャンを出発して、3週間ほど過ぎた後だった



 ーーーカイト視点ーーー


「……」

「大将、そう不安そうな顔するなって」

「顔に出てたか?」

「思いっきりな、俺は会ったことないが……強いんだろ? そのゼルナって奴」

「あぁ、強いよ」

「んで、ナリストも周りには頼りになる奴等が居るんだろ?」

「ああ……」

「だったら大丈夫だろ」

「そう、だな……」

「それに、そろそろベススの都が見えるんだろ? 何か問題が起きてたら、レムレの眼なら見えるだろうし、すぐに大将に報告に来るだろ?」


 そう言われたら……確かにって感じる

 反乱軍が勝っていたら、都も荒れてたりするはずだしな……


「カイト様! 報告があります!」

「来たよレムレ」

「……タイミング悪いな」

「?」


 軍の最前列に居たレムレが、やって来た

 悪い報告ではないことを祈る


「何があったんだ?」

「見たことない大きな何かが、こっちに向かってきています!! トカゲみたいな、なんかこう……大きな何かです!」

「大きな何か?」


 向かってきてる?


「こっちに走ってきてるのか?」

「いえ! 飛んできてます!」

「飛んで……あー、成る程、それは複数で来てるのか?」

「1匹だけです! 矢で迎撃しますか?」

「1匹……だったら敵じゃないかもしれないな、レムレ、前に戻ってくれ、そしてギリギリまでそいつを見ててくれ、俺とライアンもついてく」


 俺の考えが正しいなら、飛んできてるのは飛竜の筈

 飛竜なら誰かが乗ってる筈……ゼルナか?



 ···········


 軍の最前列にたどり着く、俺の目にも飛んでくる飛竜が見えた

 まだ遠いが……


「レムレ、あれの背中側を見てくれ、人が乗ってるはずだ」

「人が?」


 レムレは飛竜を凝視する


「あっ、確かに誰か居ます! あれは…………んっ? ブライアン?」


 ブライアンか……昔、ゼルナがオーシャンに来たときに連れてきてた兵士だな


「なら、敵じゃないな、全員止まれ! 待機待機! 後ろにも伝えて!」


 俺は軍を止める、そしてブライアンを待つ、結構速いみたいだし、2分くらいでここに着くんじゃないのか?


「手を振ってますね」


 レムレがそう言う


「おいおい、何だあのデカいの?」


 ライアンの目にも飛竜がよく見えてきたのか、呟く


「ーーー! ーーーぃ!」


 ブライアンが何か叫んでるのが聞こえてきた


 そして、飛竜が俺達から少し離れた所に降りた

 飛竜から降りるブライアン

 ブライアンが降りた瞬間、飛竜は空高く飛んでいった

 あっという間に雲の中に消えた


 そしてブライアンがこっちに走ってくる


「おーーーい!! おーーーい!!」


 手をブンブン振っている、敵じゃないアピールか?


「カイト様、一応警戒しておきますか?」


 弓に手を掛けるレムレ

 ブライアンが反乱軍側の可能性を考えてるのかもしれない


「大丈夫だろ、敵だったら1人で来ないだろうし、そもそも飛竜から降りない」

「飛竜?」

「さっきのデカいやつの名前、俺はゼルナから聞かされていたんだ……機密の筈だが、ああやって見せてきたんだ、話しても良いだろう」


 そう言ってる間にブライアンが俺達の前にたどり着いた

 ライアンが俺とブライアンの間に立つ


「お、お久しぶりです、カイト様……レムレさんも、げほ!!」

「呼吸を整えてからでいいからな?」


 俺はブライアンに伝える


 ブライアンが落ち着くのを待つ


「改めまして、お久しぶりですカイト様、援軍としての参戦ありがとうございます!」

「あぁ、仲間だからな、それより反乱はどうなった? 状況は? 俺達はこのまま都に向かうべきか?」

「反乱は問題なく鎮圧できました、今は別の問題が起きてますが……詳しくはこちらに」


 ブライアンが封筒を取り出す

 ライアンが受け取り、レムレと異常がないか確認してから俺に渡された


「ベススの印、ナリストからか」


 俺は蝋を剥ぎ、封を開ける


『オーシャン軍の総大将殿へ

 内乱は既に鎮圧しました、オーシャン軍にはこのまま、ベススの都に入ってもらいたく、文を送ります

 ナリスト』


「なんか堅苦しいなぁ……」


 あぁ、俺が来てるってのは知らないのか、誰が来るかわからないから、失礼じゃないようにしたのかな


「誰かアルスを呼んできてくれ、総大将はアルスだからな」


 俺は兵にアルスを呼ばせる


 呼ばれてやって来たアルスに手紙を渡す

 手紙に目を通したアルス


「蝋はベススの印で間違いなかったんだよね?」

「あぁ、何度も見てるから間違いない、その手紙の字もナリストの字だ」

「なら、本物だね……それじゃあ軍はこのまま都に向かうよ、ブライアンはナリストさん達に伝えててくれる?」

「はい!」


 ブライアンはそう言うと、少し離れてから指笛を鳴らす

 飛竜が飛んできて、ブライアンは飛んでいった


「なにあれ……」


 アルスが呟いた


「まあ、後でゼルナ達から詳しく聞いてくれ、俺も飛竜って事しか知らないからな」


 ブライアンが、ああやって乗ってるってことは……飛竜部隊は完成したって事だよな?

 てか俺達に見せてよかったのか?



 ·········


 それから数時間後、夜に俺達は都に到着した


「申し訳ありませんが、全員が泊まれるほど都は広くありません、野営地の準備をしてますので、将と100人ほどの兵だけ都に入って下さい」


 門番に言われた


「…………」


 援軍に対してその仕打ちか?って考えと

 まあ、5000人が寝泊まりするのは難しいよなって考えが浮かぶ


「食事や寝具類は用意してますので……」


 まあ、門番が凄い下手(したて)で接してきてるから、俺達を蔑ろにしてるわけではなさそうだ


「わかった、一緒に入る兵を決めるから、その間に上の人を呼んでくれるか?」

「はい!」


 さて、じゃあ待ってる間に兵士を決めるか

 まあ、何日滞在するかはわからないが、兵士達は交代で都で休ませるかな



 ·········


 兵士達を選んで、将達を集めて門に戻ったら、ゼルナが来ていた


「カイト! 久し振りだな!」

「ゼルナ、久し振り!」


 俺達は握手する


「援軍に来てくれて感謝する、すまないな……本来なら全員が都に入れるようにするべきなんだが……」

「場所が無いなら仕方ないさ、野営地を見てみたけど、割りと快適そうだったし」

「そう言ってくれると助かる、早速城まで案内しよう」

「ナリスト達はどうしてる?」

「姉上はもう休んでる、明日会ってくれ」


 もう真夜中だもんな……


「ブライアンから報告を受けて、ギリギリまで待ってたんだが……」

「寝落ちしたと……」


 疲れてただろうに無理させたか?


「ゼルナは休んでなくてよかったのか?」

「流石に、俺か姉上が迎えなくては不義理だろ?」

「戦時中だろ? そんな気にしなくていいんだぞ?」

「慣れない砂漠の行軍を終えてきた友を、迎えるくらいはさせてくれよ」

「そりゃどうも」


 全く、さらりと照れること言ってくるなよ



 その後、俺達は城に到着した

 そして、それぞれ案内された部屋で休むことになった


 俺とアルスとライアンが同室だ


 今日は休んで、明日の朝からナリストと会い、本格的に状況や作戦を話し合う



 どんな状況になってるかわからないのは不安だが……

 ナリストとゼルナが無事だったから、一先ず安心って事で……俺は寝る!!

 砂漠の行軍はマジで疲れた!!

 おやすみ!!





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