第249話 その頃のカイト
ーーーカイト視点ーーー
ライアンが森に向かった
俺は直ぐにブルムン達に討伐隊の編成を指示する
「どれくらいの規模にします?」
「うーん……100人もいれば確実じゃないか? 50人くらいで襲撃して、逃げられた時の為に残りの50人を伏せておこう」
いや、馬1頭だが赤兎馬……もっと兵を連れていくか?
「投石器とか使います?」
「当たらないと思うし、弓矢で良いだろ……毒矢とか用意するか?」
あ、メイリーの意見も聞いてみるか
「メイリー、君ならどうする?」
「私ですか? そうですね……その馬を実際に見てないので参考になるかはわかりませんが……」
メイリーはそういうと少し考えて……
「落とし穴、片足が入るくらいの穴を土地の一部に大量に掘りましょう、人を追いかけてくるなら、わざと追いかけさせて誘導し、穴に嵌まって転けたところを矢で仕留めれば良いかと」
「穴か……そっか、それなら転けた時に骨折して弱るかも知れないな!」
「それなら兵も少なめで良さそうだ」
いいね!! 採用!!
・・・・・・・・・・・
「それではこの様に用意しておきます」
ブルムンは決まった事を纏めた書類を読みながら部屋から出ていった
俺とメイリーも部屋から出る
そして廊下を歩く
「それにしても、カイト様がそこまで怯えるとは……正直意外でしたよ」
メイリーが微笑みながら言う
「いや、本当に怖かったんだって……メイリーもあの馬を見たらわかる!」
「そうですか……それほどの馬なら、近付かないようにしておきます♪」
楽しそうだなおい
「あ! カイトさん!!」
ティンクが廊下の先からやって来る
「あぁティンク、街を見に行ってたのか?」
「はい! 初めて見る物が多くて新鮮でした!」
「そっか、今度は2人で行こうか」
「はい!!」
ティンクは自然と俺の右腕に抱きつく
「おっと、私はここで失礼させてもらいます……ごゆっくりくつろいでください」
メイリーは一礼してから廊下の分かれ道で別れた
俺達に遠慮したみたいだな……気にしなくて良かったんだが……
「カイトさんは、これからどうするんですか?」
「んっ? そうだな……」
馬の確認はしたし……討伐隊はブルムンに任せてるし
ライアンが心配だが……まぁ、後で見張り……というか救援に誰かをガンナル村に待機させるか
これは後でも大丈夫か……
んっ? もうやることは終わってるのか?
「ふむ、外は暗いから出掛けるのは無理だな……うん、暇になったな」
「♪」
俺がそう答えると、ティンクは目を輝かせた
可愛い
「よし、談話室でも使わせて貰おうか……街で何があったか話してくれるか?」
「はい!」
俺達は談話室に向かう
談話室に着くと、何人か人が居た
皆が思い思いに過ごしている
俺とティンクは空いていた椅子に座る
そして、俺はティンクと会話を楽しむ
ティンクが街で見掛けた店の話や、ミルムが屋台で買った焼き菓子が美味しかったとか
そんな話をしていたら、いつの間にかやって来たヤンユが紅茶を淹れてくれた
ありがたく、紅茶を飲んでいたら、アルスとルミルとテリアンヌがやって来た
3人も一緒に会話に加わり、話が盛り上がってきた
アルスがゲルドと再会して、久し振りに模擬戦をしたそうだ
ルミルとテリアンヌはティンクと一緒に行動していたらしい……テリアンヌが持っていた荷物は、ルミルがレムレ達の為に買った土産だそうだ
「おぉ、カイト様!」
そんな声を掛けられて、振り向く
「お、久し振りだなゲルド」
「お久し振りです」
ゲルドが一礼する
「なんか賊が増えてきたそうだな?」
「えぇ、流れの者達が次々と……西や北から来てるみたいですね」
「ここ、両方の国境が近いしな……」
ヤンユが椅子を近くから運んでくる
ゲルドは礼を言いながら椅子を受け取り、座る
「ええ、ですがもう少しで討伐も終わります」
「へぇ、自信満々だな……拠点でも見つけたか?」
「はい、6ヵ所程、賊の人数も確認しています」
「詳しく聞いても?」
「? 宜しいのですか?」
ゲルドの視線がティンク達に移る
俺もティンクを見る
「?」
ティンクは俺とゲルドの視線を感じて、首をかしげる
「大丈夫そうだが……まぁ、そうだな、明日聞かせて貰えるか?」
折角、気を利かせてくれてるんだし、甘えるか
「わかりました、では小生は図でも用意しておきます」
「ああ、頼むよ」
ゲルドは椅子をヤンユに渡してから、談話室から出ていった
ゲルドと入れ違いで、ミルムとファルがやって来た……なんかメイリーがミルムに連行されてきたんだけど……
「メイリー? どうしてそうなった?」
「私にもわかりません……」
「色々と話したくて連れてきたの!!」
「ミルム、相手の都合を考えろ」
アルスが注意する
ミルムは「はーい」っと返事をしながらヤンユから椅子を受け取って座る
…………
なんかいつも通り集まってきたな……
「ティンク、ちょっと……」
「どうしました?」
「こっち来て貰って良い?」
「?」
卓を挟んで、反対側に居たティンクに、傍に来てもらう
そして彼女の手を取り
「よっと」
「っと!」
俺の膝に座らせる
少し戸惑ったティンクは、直ぐに俺に背中を預けた
「珍しいね、兄さんが人前でイチャつくの」
「そうか?」
「普段はそんなことしないでしょ?」
「人前ではな、寝室では良くやるよ」
一緒に本を読んだりとか、星空を眺めたりとか
「アルスも恋人が出来たらわかるさ」
「そう?」
わかる! 絶対に!
兄弟だから似るもんだ!
「あの、カイトさん」
「んっ?」
「そろそろメイリー君を助けた方が良いのでは?」
「……そうだな」
その間も、ミルムから質問責めされているメイリーだった
・・・・・・・・・・
翌日
ブルムンから討伐隊の経過報告を聞き、ついでにガンナル村に兵士の待機を頼んだら
「それなら昨日マリアットに向かわせました」
「流石!」
出来る男は仕事が速い!
ブルムンとの話し合いが終わったら
次はゲルドとの話し合いだ
まぁ、ブルムンはそのまま同席してるのだが……
「この地図の印が賊の拠点です」
「……拠点同士はそこまで離れてないな」
「1つの賊の団体が分かれてるのか、別々の賊が手を組んでるのか……そこまではわかっていませんが、奴等が協力しあってるのは間違いありません」
「厄介だねぇ……」
ブルムンが頬をかく
「何か作戦は考えてるのか?」
「簡単なことです、協力させなければ良いのです」
「つまり?」
「全ての拠点を同時に襲います、全ての拠点が襲撃されれば、賊達は協力も何もありません、自力で対処するしかないです」
「成る程ね」
シンプルな作戦だ
「勿論、念のために3部隊程用意しておき、この位置……拠点から少し離れた場所に待機させます」
「隙を見て逃げた賊を、伏兵で捕まえるって事か」
「はい、拠点が判明した時点で……もう片付いたものですね」
ゲルドはそう言うが、表情は真剣だ……油断は一切してない感じだ
これならこのまま任せていても良さそうだ
「いつ襲撃する予定だ?」
「兵を揃えて、将達としっかりと合わせないといけませんから……そうですね……3日後に動きましょう」
そんな風に話していて、誰がどの部隊を任されるかって話していたら
「おっと、ゲルドは賊じゃなくて馬の方の討伐に加わってくれないか?」
ブルムンがゲルドに言う
「むっ? 何故だ? 兵も策も充分だろ?」
「不測の事態に備えてだ、お前が居たら確実だろ?」
「……ふむ、なら賊の方はお前に任せて良いか? 指示を出すだけならお前の方が向いている」
「いいぞ、モルス達をこき使ってやる」
「お前ら仲良いな……」
『同期ですから』
そんなもんか?
そんなもんなのか?
・・・・・・・・・・
そんな訳で話し合いは終わった
廊下を歩いていたら、ルンルンで歩いていくミルムとついていくファルが横切るのが見えた
「んん? あっちは図書室だったよな?」
ミルム達が来た方向は図書室に繋がる道だ
何か読んでいたのか?
「あんなご機嫌になるような本があったっけ?」
ちょっと図書室を覗いてみるか……面白い本だったら、俺も読んでみたい
「……うわっ」
図書室に入ったら、グッタリと机に突っ伏してるメイリーが見えた
これか、これがご機嫌の理由か!!
「メ、メイリー? 生きてるか?」
「あぁ、カイト様……」
眼が死んでる!?
「カイト様……私、妹様が苦手になりましたよ……ははは」
「ミルムには俺から言っとくよ……ほら、ここじゃなんだし、部屋で休んでろ」
「そう、させてもらいます……」
メイリーは一礼して去っていった
……ミルムには厳しく言っておこう
「おや? 失礼します、もしかしてカイト・オーシャン様ですか?」
「んっ? そうだけど? 貴方は?」
男性が俺に話し掛けてきた、何回か見た事ある気がするが……話したのは初めてだな
「私はナルキッサ……この図書室の司書を任せられております」
ナルキッサは優雅に一礼する
綺麗な姿勢だ……俺も見習おう
「これはこれは……」
俺も礼を返す
「それで、何か用が?」
「あぁいえ、用はありません……ただ、お見掛けしたので、挨拶をさせていただこうと思いまして……読書の邪魔をしてしまいましたね」
「いやいや、来たばかりだし何もしてないから別に構わないよ……そうだ、司書なら何かお勧めの本を教えてくれないか?」
「お勧めですか? それでしたら……」
ナルキッサは奥に行くと、数冊の本を持ってきた
「これらはどうですか? 『サーリストの歴史』、『中央の王権』、『東方の歴史』、『異大陸への冒険』、『神話に迫る』……どうでしょう?」
「へぇ、サーリストの歴史と東方の歴史はオーシャンにも有ったから読んでいるよ……他の3冊は初めて見るな、この3冊を読ませてもらおう」
俺は本を受け取る
「それでは、ゆっくり楽しんでください……何かありましたら、そこの机にある呼び鈴を鳴らしてください」
「あぁ、ありがとう」
俺はナルキッサを見送ってから読書を始めた……
中央の王権は昔の……中央都市デルトに王が居た頃の話だ
王が死んでからのいざこざを、分かりやすく書いている……子供に読み聞かせる為の本って感じだな
……王が死んだ後の周りの連中が、もっとしっかりしていたら……ノースブリード大陸はこんな荒れてはいなかっただろうな……
「まぁ、今更だよな……ずっと昔の話だし……」
異大陸の冒険は、他の大陸の特徴を纏めた本だった
……サーリスト戦記を知ってる俺からしたら、ゲームの説明書に載ってた様な内容に感じた
特に新しい発見は……無さそうだな
神話に迫るは著者の八龍神話への考えと、土地に伝わる伝説を纏めた内容だった
南方には巨人が切り裂いた大岩があるとか
西方には不死身の男が住んでいるとか……
そんな内容だ……不死身の男ってフェニックスの事じゃないのか?
フェニックス……不老不死の男で、ベススに住むドラゴン、『バイアス』の友人……それくらいしか俺は知らない
「いきなり現れて、一方的に話して居なくなって……本当にアイツはなんだったんだ?」
いつか再会したら問い詰めてやる……
・・・・・・・・・・・・
翌日、俺はティンクと2人で街に出ていた
離れた所で、テリアンヌや兵士達がこっそりと待機してるが
2人っきりだと言っておく
「さて、ティンクは何処に行きたいんだ?」
「カイトさんと一緒なら何処でも楽しいです♪」
「おっ、嬉しいこと言ってくれるね」
そして困ることでもあるね
何処に行けば喜んでもらえるのかわからない!
取り敢えず、昨日こっそりとブルムン達に聞いておいた、現地のお勧めスポットを廻ってみるかな
現地民の知識は頼りになるぜぇ
『市場なら、一通りの買い物は出来まっせ』
グラドスの勧めていた市場を見る
「活気がありますね!」
「そうだな」
安いよ安いよ! なんて呼び込みをしてる人もいれば
行列が出来てる店もある
そんな中、気になる店が1つ
「装飾品か……」
「?」
ティンクって物欲とか無いのか、そういうの欲しがらないんだよな
てか殆んどねだられないな……最近始めた花を弄る為に土やら種やらを頼まれたのが初めてじゃないか?
「カイトさん? どうしたんですか?」
「ティンク、ちょっと……」
俺はティンクの手を取り、店に入る
「あの、カイトさん……ここって」
「装飾品の店、ほら……あんまり買わないだろ?」
俺の記憶に間違いがなければ、俺が直接買って渡したのって
昔、ベススの食事会に行くために寄ったルノマレスで買った香水くらいだ
それと結婚した時の指輪とか……もっと色々とプレゼントしろよ俺……
「だから、何かプレゼントしたくてね」
「そんな……気持ちだけで嬉しいですよ?」
「気持ちだけじゃなくて、物で残したいの」
ティンクに好きなのを選んでほしかったが……この調子だと難しいかもな……
「ふむ……」
俺は1つの髪飾りを手に取り、ティンクの髪に近付ける
「うん……これだ!」
「えっ? えっ!?」
俺はさっさと購入して、戸惑うティンクに渡す
「これは……赤い花?」
「ティンクの銀髪に合うと思ってね」
「あ、ありがとうございます!」
ティンクは早速髪飾りを着けてくれた
ああ、やっぱり似合ってる
「♪」
ティンクも気に入ったのか嬉しそうだ
……これからも定期的に何かプレゼントしてみよう
喜んで貰いたいし!!
・・・・・・・・・・
翌日、俺は赤兎馬の情報を纏めた書類を読みながら
新しい情報でも無いかと考えていたが……
何もなかった……あー手詰まり感!!
そんな風にしていたら、アルスに声を掛けられた
「それなら、息抜きに街にでも出てみる?」
そう誘われて、俺はアルスと一緒に街に出た
途中でミルムを見掛けた……声をかけたら
「行く!!」
即答だった
そんな訳で、久し振りに兄妹3人で出掛ける
いや、周りに護衛が居るけどね!!
3人で出掛けるのは久し振りだからか……ミルムの機嫌がとても良かった
俺もアルスも、久し振りにミルムに振り回された……
大変だったが……楽しかったな
そして、暗くなってきたから城に戻ったら
「おっ、カイト様! 丁度良いところに!」
ブルムンが扉の向こうに居た
「どうした? 何かあったのか?」
俺はアルスとミルムと別れて、ブルムンに話し掛ける
「いえ、問題が起きたとかそんな話ではないです」
ブルムンはそう言って一息いれ……
「貴方に紹介したい方がおります」
「俺に?」
誰だ?
ブルムンは『少々お待ちを』っと言って小走りで去っていった
そして2分くらいか? 1人の女性を連れてきた
なんだ? お前の奥さんか?
「カイト様、彼女は『マルト・カイナス』優秀な人材ですよ」
「初めまして、カイト・オーシャン様」
マルトは綺麗な御辞儀をする
ナルキッサといいマナー講師でも居んの?
「これはご丁寧に……」
俺も御辞儀をする
……んっ?
「カイナス?」
俺はブルムンを見る
「前領主の娘で、ケーミストの姪になりますね」
「……ちょっと、ブルムン来て」
「?」
俺はブルムンを呼ぶ
「ケーミストの親族は、殆んど処罰したって聞いたんだが?」
ヒソヒソっと耳打ちする
実際、ブルムンからの報告書では、ケーミストの息子や娘関係は処刑
幼子は流石に処刑はキツかったのか、母親か父親……処刑された親族の配偶者と共に東方からの追放処分を行ったと書いてあった
「はい、ケーミストの実子とかの親族は処罰しましたよ……しかし彼女は別です、彼女はケーミストにずっと反抗してましたから」
詳しく聞くと
本来なら、ケーミストではなくマルトがカイナスの領主になる筈だった
しかし、ケーミストが貴族や人質を使って領主になった
それでも彼女は出来る限りの事をして、民を守ろうとした
しかし、ある時から行方不明になり、探しても見付からなかった
オーシャンがカイナスを手に入れて、ケーミストの親族を処分していたら
ケーミストの長男の屋敷……そこの隠してあった地下牢に幽閉されていた
かなり衰弱していたが、最近までずっと療養しており……今日から復帰することになった
って事らしい
「成る程、俺が知らないわけだ……」
「急死してしまう可能性もあったので、完全に回復してから報告しようと思いまして」
「今日会わせたってことか……よし理解した」
ヒソヒソ話を止めて、マルトと向き合う
「失礼、何も聞いてなかったから少し戸惑ってしまいました」
「いえ……あの、敬語は必要ありませんので」
「そうか? なら普通に話そう」
取り敢えず彼女と少し話してみる
何が出来るのか?
「父から学んだ領主としての知識がありますので、都や土地の管理のやり方は把握しています」
「そうか、それならこれからはブルムンの助手をしていく感じなのか?」
「あっ、カイト様……実は暫くは彼女をオーシャンで働かせて欲しいんですが」
ブルムンが言う
「? 何でだ?」
「ちょっと訳がありまして……」
なんだ? 言いにくそうにしてるが?
性格に問題があるとか?
あっ、一応ケーミストの親族にはなるから、民からの批判があるとかか?
俺はマルトを見てみる
性格はまだよくわからないが、彼女の表情は一切変わらない
無表情だ……元からなのか、幽閉されてそうなったのかわからないが……
そう思って見てたら
「おお、ブルムンここに居たか! おや? カイト様もこちらに?」
ゲルドがやって来た、多分賊の討伐隊の件でブルムンを探していたのかな?
「ゲ、ゲルドさん!?」
んん!? マルトの表情が一気に変わった
真っ赤になって眼が泳いでいる
「あぁ、マルト様……お身体の方は良くなられましたか?」
「は、はひ! も、もうげげ、元気でしゅ!!」
眼が泳ぎながら噛みまくり……挙動不審だ
さっきまでの無表情はどこいった?
俺はブルムンを見る
ブルムンはウインクする
こういうことかよ!?
「なに? そういうこと?」
「そういうことです、ヒヒヒ」
ブルムンは愉快そうだ
ゲルドは今はカイナスに居るが、本来はオーシャンで働いてるからな
マルトをゲルドの居る場所に行かせたいのか
「でででは! わ、私はこれでぇ!」
足早に去っていくマルト
耳まで真っ赤だ
「……ふぅ、どうやら小生はまだ嫌われてるようですね」
「お前眼は大丈夫か?」
「えっ?」
思わず口から出てきた言葉
何をどう見たらアレで嫌われてると想うんだ?
「そんな訳で、この唐変木の目玉無しの事もありますので」
「わかった、出来る限り手を貸してみる」
「な、何故小生をそんな眼で見るのですか?」
そんな訳で、マルトをオーシャンに連れて行く事になった
俺の仕事を手伝って貰うとするかね……
・・・・・・・・・・・・
そんな事をしていたら、ライアンが赤兎馬を連れて帰ってきた
ライアンから赤兎馬の事情を教えて貰った
「成る程、恩人……この場合恩馬とか言うのか? その為に行動してたのか」
「その馬も天寿を全うして、埋葬も済ませていたら時間がかかってしまって……」
「良いさ、こうやって無事に帰ってきたし……こっちも色々と有ったしな」
本当に色々有ったなぁ……まあ、息抜きも出来たし、良しとするか
あと、メイリーに赤兎馬……ボフルスを間近で見せてやる……絶対にビビるぞ!!