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第13話 砦攻略戦……戦?

「ヘルド!?お前!?おまっ!……大丈夫なのか!?」


「カイト様落ち着いてください」


 慌ててふらつく俺をルーツが支える


「ヘルド!その火傷は大丈夫なのか!?」

「これぐらい何ともないですよ」


 ヘルドは平然と答えるが……鎧は焦げてるし

 ヘルドの肌もあちこち焼けてる……

 兵からの報告で火だるまになったらしいが


「俺の事よりも次はどこの砦を攻めますか?!次も任せてください!」


 力瘤を作るヘルド


「いや行かせないからな!?」


 そんなボロボロな奴を出陣させられるか!!


「ヘルド!命令だ!治療を受けて待機!!」

「そ、そんな!?」

「メビルトと決着をつけるんだろ?まさか……怪我を理由に負けるつもりか?」

「そんなつもりなんてあるわけがありません!!」

「なら今は休め!いいな!」

「はっ!」


 兵が薬を持ってきてヘルドに塗る


「……さてと」


 砦……どうするかな……

 ヘルドとオルベリンにそれぞれの砦を攻めてもらうつもりだったからな……

 うーん……片方をオルベリンには予定通り攻めてもらって……

 もう片方はオルベリンが戻ってくるのを待つか?


「カイト様」

「どうしたルーツ?」

「メグルノ砦の攻略は私にお任せを」

「……大丈夫なのか?お前は戦いには……」

「えぇ、戦いには向いてません……策で攻略して見せましょう」


 自信満々なルーツ


「わかった……兵はどれくらいいるんだ?3000までなら何とか……」

「5人で充分です」

「……はっ?」

「5人で攻略して見せましょう」

「……いやお前それは流石に……」

「カイト様……私を信じてくれませんか?」

「…………」


 そんな言い方されたらなぁ……


「わかった……無理はするなよ?」

「はっ!」



 ルーツは5人の兵を連れてメグルノ砦に向かって行った



「大丈夫……だよな?」


 俺はルーツを見送りながら呟いた


 ・・・・・・・


 ーーールーツ視点ーーー


「さて、カッカラ砦から2日でメグルノ砦の近くに到着っと」


「あの、ルーツ様?」

「どうした?」


 兵の1人が私に話しかける


「本当に我々だけなんですか?」

「ああ、俺達だけだ」

「無理なのでは?」

「いいや、出来る……なんせ戦わずに勝つのだからな」

『???』


 兵達が首をかしげた


「まあ見てろ、夜にはわかるさ……さて、お前らはここで待ってろ、ちょっと仕掛けをしてくる」


「は、はい!」


 ・・・・・・・


 夜

 今日は曇っているから月明かりも星の明かりも無いから更に暗い


 砦の中から松明の明かりが漏れている


「あの、ルーツ様?」

「どうした?」

「我々はいつまでここに隠れていれば?」

「もう少し待て、合図が出るから」

「合図?」


 さて、そろそろ仕掛けが作動するはず


 ドゴォン!!


『!?』


 砦の中から爆発音がする

 兵達がビクッと跳び跳ねた


「いくぞ!」


 私が走る


「あ、はい!」


 兵達も走る


 目的地は砦の中のとある部屋だ



「おい!今のはなんだ!?」

「砦の外だよな?」


 砦の向こう側からそんな声がした


 私達は声と反対の方から砦に侵入する


「……よし、予想通り、ここなら見張りもいない」


「ルーツ様、先程の爆発は?」

「んっ?時限爆弾だが?」

「爆!?」

「まあ、音だけの代物だよ」

 

 私達は砦の中を走る

 兵は音に釣られて外に出ている


「よし、ここだな、やはりカッカラ砦と同じ造りだ」


「ここは……食料庫ですか?」

「そうだ、酒樽は……これだな、おっ!水もあるな」


 私は酒樽と水の樽に粉を入れる


「……毒ですか?」

「いや、眠り薬」


 毒殺も考えたが……カイト様はそれを望まないだろ?


「よし、脱出するぞ」


 私達は砦を出た


 ・・・・・・


 ーーーカイト視点ーーー


「という訳で寝ている間に全員縛りました」


「そ、そうか……」


 ルーツからメグルノ砦を制圧したって報告を聞いて来たんだが……眠らせて縛るとは……

 ……マールマールの兵はもっと警戒するべきじゃないのか?


「しかしよく成功させたな……」


「カッカラ砦の構造を見たのと、マールマールの兵は防戦には慣れてない様なので実行しました……やはり隙だらけでしたよ」


「そうか……うむ、そうか」


 正直コメントに困る

 ルーツの知性が凄いと言うべきか

 マールマールの兵が駄目すぎると言うべきか


 両方か?


「くそ、卑怯だろ!」


 メグルノ砦を護っていた『ケーニッヒ』が縛られた姿で言う


「戦争に卑怯も何もねえよ、敵兵の姿が無いからって無警戒に酒盛りをするからこうなるんだ」


 ルーツがケーニッヒに言う

 地が出てるぞ?


「そうか、だから5人か……」


 敵に見つからずに近付いて、薬を仕掛ける為の最低限の人数


「流石カイト様、どっかの兵とは比べようのない賢さです!」

「…………褒められてるんだよな?」

「勿論です!」


 いや、コイツらと比べられるとなぁ……

 なんかなぁ……どうやって攻略するか悩んでたのがなぁ……


「これで砦は全部落ちたな……」

「おや?『ヤーメル砦』の攻略は終わっていたのですか?」

「昨日な……奴等、オルベリンの姿を見てすぐに降伏したそうだ」

「……賢いと言うか臆病者と言うべきか……」

「だろ?」


 取り敢えずこれで砦を攻略出来た

 兵も3000人程度は減らせたな……

 これでマールマールの兵力は……少なくても5000人位か?


「さて、ここにも兵を少し残すか……」

「そうですね、どれくらい残します?」

「500人、周りの警戒もしてもらう」


 それぞれの砦に約500人ずつ

 マールマールの本拠には4000人で攻める

 ……編成考えないと……




 ・・・・・・・・



 カッカラ砦に戻る

 そこにはしっかりと回復したヘルド

 それとヤーメル砦から戻ってきたオルベリンが居た


「全員揃ったな?」

『はっ!』

「少し軍の編成を変える!」


 マールマールの本拠である『マールの都』は南と東に門がある

 オーシャンとパストーレとの行き来の為だ


 地理的にオーシャンを中心にして説明するなら

 オーシャンの北西にカイナス

 オーシャンの北にマールマール……カイナスから少し南東になるな……オーシャンとカイナスで縦に挟んでる感じだ


 んで、オーシャンの北東にガガルガ、領土の上の方がカイナスと地続きになっている

 カイナスとガガルガの下の方の間にマールマールが挟まれている


 そしてオーシャンの東にパストーレだ

 パストーレの領土の一部がオーシャンとマールマールの間にある

 …………かつてはオーシャンの領土だったのだがな……イベントで奪われるんだよな……


 要するにマールマールは全ての領地に隣接する領土なんだ



 さて、話を戻そう

 マールの都の門は南と東にある


「オルベリンとルーツで東側の門を2000の兵と攻めてくれ」

「はっ!畏まりました!」

「必ずや突破して見せましょう」


「ヘルドは俺と一緒に南側の門を攻めるぞ!」

「お任せを!カイト様は俺が守ります!」

「頼りにしている!」


 さて、マールマールはどうしてくるかな?

 南側にオルベリンが居ないのを確認してどう動くのか……



「よし!進軍だ!」


『オオオオオオ!!』


 士気が高いうちにこの戦を終わらせよう

 俺はそう思ったのだった





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