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第134話 パストーレとの激闘 17

 ーーーゲルド視点ーーー



「うぉぉぉぉぉ!!」

「ふっ!」


 ドゴン!!


 ガイルクが大剣を振り下ろす

 小生は馬から飛び降り、馬を逃がしてながら回避する


 馬上では戦いにくいと判断した


「ぬおらぁぁぁぁ!!」

「ふむ、大剣を振る……というよりは大剣に振り回されてるな」


 ガイルクの動きを見るが……戦いにはまだ慣れていないのか?

 バベルクは彼に何を教えたのやら


「くそ! 何で当たらない!」


 叫ぶガイルク


「動きに無駄が多すぎる、それと腕で振るんじゃない、腰を使え」


 思わずアドバイスをしてしまう


「くっ! ぬりゃぁぁぁぁ!!」


 あ、1回聞いただけで理解したか、飲み込みが早いな


 ドン!!


 ガイルクの大剣が地面を抉る



「まだ大剣を使いこなせていないな! 君の体格なら……身体を回すように振ってみるんだ!」

「くっ、このぉ!!」


 ガイルクはその場で回転し、大剣を横に振る


 ブォン!!


 小生はガイルクの大剣を跳んで避ける


「どうした? まさか1回振っただけで終わりか?」

「く、くそぉぉぉ!!」


 ブォン!

 ブォン!

 ズン!!


 2回回転し

 最後に縦に振り地面を斬る


 ……ドンドン成長していくな……

 数年後には凄腕になりそうだ


 それでも、小生には及ばないが……どうせだ、彼を少し鍛えてみよう

 その後、捕縛してしまえば……カイト様なら配下にするかもしれないな

 そうなったら少しでも強くなった方がいい


 そうと決めれば早速取りかかる



 ・・・・・・・


 ーーーガイルク視点ーーー


『父上!!』

『ガイルク……どうした?』

『トルリの防衛に出られると聞きました!! ボクも一緒に……』

『いや、自分だけで充分だ……』

『しかし!』

『……ガイルク』


 父上が少し屈んでボクに目線を合わせる


『お前はまだ将になったばかりだ……まだまだ覚えるべき事はたくさんあるだろう?』

『それは……そうですけど……』

『それにだ、お前には残ってテリアンヌ様を守って欲しい……理由は……わかるだろう?』

『……はい』


 テリアンヌ様……幼い頃からの付き合いだ

 守るべき人だと理解している


 翌日


『では、行ってくる……帰ったら、共に酒でも飲もう』

『はい!!』


 ボクは父上を見送った


 門をくぐる父上と兵達

 門が閉まる


『…………』

『ガイルク』

『テリアンヌ様!?』


 呼ばれて振り返るとテリアンヌ様が立っていた


『バベルクを見送ろうと思ったけど……遅かったみたいだね』

『え、ええ……ちょうど今、出発しました』


 もう少し早ければ後ろ姿は見れたと思う


『ガイルク……すまないな』

『何故謝るのです?』

『まだ若い君から、父親を引き離してしまったからな』

『何を言うんですか、ボクだって成人しています、戦だから仕方ないって理解してますよ』


 ボクは笑う


『テリアンヌ様、安心してください! 父上ならオーシャンの連中を撃退しますよ!!』


 だって父上は最高の将なんだから!!

 ブライ殿もマーレス殿もペンクル殿も認めてるんだ!!


『……ああ、そうだな……ガイルク、久し振りに2人でお茶でも飲まないか?』

『ええ、喜んで!』


 それから数日後……父上の死を知らされた


『…………』

『ガイルク……すまない、私が……』


 自室で泣いていたボクにテリアンヌ様が言う


『テリアンヌ、様は……悪くありません……悪いのはオーシャンの奴等です……』


 そう思うと憎しみがわいてくる


 憎い……オーシャンが憎い


 ・・・・・・・・


「うわぁぁぁ!!」


 ボクは目の前の男に向けて大剣を振る

 鎧から見て、オーシャンの将だと判断したけど……

 全然大剣が当たらない


 それどころかアドバイスされてる


 完全に舐められてる……


 それが更にボクを怒らせる


「くそ! くそ! くそぉぉぉ!!」

「もう少し冷静になったらどうだ? 攻撃が大振りだ、『避けてください』と言っているものだぞ?」

「ぐっ!!」


 1人でも多くオーシャンの奴等を殺したいのに……

 たった1人に簡単に足止めされて!!


「踏み込みが浅い!」


 バシッ!


「ぐわっ!」


 足を槍で払われて転ばされる


「ほら立て、それとも……降伏するか?」

「う、うぁぁぁぁぁぁ!!」


 立ち上がって大剣を振り上げて


 ブォン!!


 振り下ろす


 ドスン!


「ふむ、威力は申し分ないのだがな……もう少し素早くは動けないのか? 振り上げて下ろすまで隙だらけだぞ?」

「うるさい! うるさい! うるさぁぁぁい!!」


 ブォン!!

 ブォン!!


 ボクの振り回す大剣を余裕の表情で避ける男


『わぁぁぁぁぁ!!』


 その時、歓声が響いた


「!?」


 ボクは思わず歓声がした方向を見る


「どうやら、どっちかの将が倒れたようだな……戦況が動くか」


 男も歓声がした方向を見ながら言った


 そして槍を仕舞い、斧を取り出した


「さて、お前を鍛える時間は終わりみたいだ、戦況を確認したいから、終わらせるぞ」


 構える男

 やっぱりボクは手加減されていた


「ふ、ふざけるなぁぁぁぁぁ!!」


 ボクは身体を軸にして縦に回転しながら斬りかかる

 大剣の重さと振り回す勢いを利用したやり方

 昔、父上が見せてくれた技


「ほぅ、マトモな技も使えたか!」


 男は斧を構える、受け止める気だ


「くたばれぇぇぇぇ!!」


 ボクは斧ごと男を両断するつもりで


 ブォン!!


 大剣を振り下ろす


 ギィン!

 バキィ!


 そんな音が響いた


 ・・・・・・・・


 ーーーゲルド視点ーーー


「ぐっ! ぐぅ!?」

「ふむ……」


 ガイルクの大剣を受け止める、とても重い一撃だ

 斧にヒビが入ったぞ?


 まあ……止めれたがな


「な、なんでだ! なんで!!」


 動揺するガイルク

 今のが切り札だったのだろうな


「そうだな、理由を言うなら、お前が未熟だからだ」


 小生はガイルクの悪い点を言っていく


「先ずは筋力が足りない、大剣に振り回されているぞ、それに技術もな……もっと鍛練するべきだ」

「ぐぅ!」

「更に言うなら、さっきの技はもう少し大剣を長く持つべきだな、勢いを利用するなら持ち手の端を持て」


 ブン!


「ぐわぁ!!」


 斧を横に投げ捨てる

 ガイルクは手に力が入らないのか、大剣を手離した


 そして、小生は槍を取り出す


「さて、終わらせるが……何か言うことはあるか?」

「……う、うぁぁぁぁぁ!!」


 殴りかかってくるガイルク

 ……逃走せずに闘争に走ったか

 まあ、敵前逃亡しないだけ評価できる


 ……だがな


「それは無謀だぞ?」


 ヒュッ!

 ドスッ!


 小生は槍を逆に掴み……持ち手の棒の部分でガイルクの喉を突いた


「ごふぅ!?」


 吐血するガイルク

 加減はしたが……あれは暫く呼吸するのも辛いだろうな


 ドサッ!


 小生の横に倒れこむガイルク


「捕縛せよ!!」

『はっ』


 小生は近くの兵に捕縛の指示を出す


「君達はガイルクを陣に連れていけ、小生は戦況を確認する」


 苦戦してる者がいるなら援護しないとな

 小生は馬を呼び戻して、戦場を駆けだした




 ゲルドVSガイルク


 ゲルド 完勝



 ガイルク捕縛

 ゲルド、ガイルクの捕縛を確認してから戦場に戻る















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