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第12話 カッカラ砦攻略戦

 マールマールを目指して進軍する俺達



 5500人の兵は3つの軍団に分けた


 先頭を進むヘルドが指揮する2000人の兵を編成した第1軍


 少し間隔を開けて1500人の兵を編成した俺とルーツが指揮する第2軍


 最後尾の2000人の兵をオルベリンが指揮する第3軍だ


 オルベリンが最後尾なのは後ろを警戒してもらうためだ


 戦闘では前ばかりに意識が向きやすい

 進軍でもだ……長年の経験があるオルベリンはそれを理解している


 だから後ろも警戒しているし、もし戦闘になっても臨機応変に対応できる


 前はヘルドに任せている

 ヘルドは猪突猛進な所があるからな……好きなようにやらせることにした


 俺とルーツは馬車の中で方針を話し合っている


 馬車の理由は矢とかが俺に当たらないようにするためだ

 安全第一と言われて押し込められた

 ……別に馬車じゃなくても良かったんだがな……



「カイト様?」

「あ、悪い」


 ルーツに声をかけられてハッとする


「お疲れですか?」

「いや、大丈夫だ……」


 俺は地図見る


 これから戦うマールマール……

 メリアスト平原での戦いで兵を減らしたとはいえ、まだまだオーシャンよりも兵力はある


 まあ将はこっちの方が上だがな

 向こうで1番強いのがメビルトだし……

 ってこうやって油断したら痛い目を見るんだよな


「やはり、ここは慎重にいくべきだと思う」

「つまり砦を攻略するのですね?」

「ああ」


 マールマールは3つの砦を持っている

 その砦を奪えば拠点に出来るし、武器や食料もある程度は奪える


「全ての砦を俺達の物にしたら長期戦になっても問題ないだろ?」

「そうですね」


 今までは1日や2日程度で戦は終わっていたが、本来は数日から数年と長期戦になることもあるものが戦だ


「かといってのんびりしすぎると……カイナスやガガルガが動き出すかもしれない」


 カイナスは数ヶ月はオーシャンを攻めないだろうが……同盟を結んでるわけではないからな……約束を反故する可能性は高い

 ケーミストを常識で考えてはいけないだろう

 ゲルドが止めるだろうが、それもいつまでもつか……

 やはり数ヶ月と見るべきか


 ガガルガはカイナスとの戦で疲弊している

 だがオーシャンの兵が少ないと知れば無理をして攻めてくる可能性もあるか


「……レリスとサルリラを信じるしかないな……」


 あの2人ならなんとか耐えてくれるだろう

 レリスは兵器を使うだろうし、サルリラは強いからな


「ではカイト様」


 ルーツが地図のある地点を指す


「この『カッカラ砦』が1番近いです」

「そうだな……んっ?他の砦はカッカラ砦から同じくらい離れてるな」

「『メグルノ砦』と『ヤーメル砦』ですね……恐らく均等に離したのでしょう……そうすれば1つが落とされても他の砦から攻めれますから」

「ふむ……」


 …………よし


「先ずはカッカラ砦を攻略しよう」

「わかりました!……おい!ヘルドとオルベリンに伝令を!」


 ルーツが馬車の外に出て伝令を出す


 ・・・・・・・


 ーーーハルイド視点ーーー



「ハルイド様!見えました!オーシャン軍です!」


「やはりこのカッカラ砦を攻めてきたか……」


 俺は砦の頂点からオーシャン軍を見る


「……この砦の兵は何人だ?」

「1000人です!」

「……あれは何人に見える?」

「2000人以上は確実に」

「そうだよな……」


 あー勝てる気がしない……

 かといって降伏する気はない……


「他の砦と『ワール』様に援軍の要請だ!」

 この砦を奪われるわけにはいかない


「こいよ、オーシャンの奴ら!マールマールの恐ろしさを教えてやる!」



 ・・・・・・


 ーーーカイト視点ーーー



「カッカラ砦が見えてきたな……兵の数はわかったか?」


「約1000人との報告です」

「なら全軍で攻めれば落とせるな……」


 しかし……罠の可能性もあるな……落とし穴とか、爆薬とか……


「カイト様!伝令です!」

「どうした?」


 兵が駆け寄る


「ヘルド様からです、敵の兵の一部が3ヶ所に駆けていったそうです!恐らく援軍の要請かと!」

「援軍か……援軍が来る前に砦を攻略したいのだが……」

「ヘルド様が攻めても良いかとの事です!」


 ヘルド……暴れたいんだな?

 

「…………」


 罠の可能性もあるが……援軍を呼ばれたと考えたら時間を無駄にできない……


「よし、許可する!カッカラ砦を攻めろ!敵兵は出来る限り捕縛しろ!」

「はっ!!」


 兵が戻っていった


「よろしいのですか?」


 ルーツが聞く


「あぁ、ヘルドなら何とかしてくれるさ……」


 さて、俺は援軍の対策を考えないとな……


 ・・・・・・・・


 ーーーヘルド視点ーーー



「カイト様から許可をいただきました!!」

「よし!なら攻めるか!!左右に展開せよ!!」


 砦の東側に750

 砦の西側に750

 そして砦の南側に俺と500の兵


「…………かかれぇ!!」

『うぉぉぉぉぉ!!』



 三方向からの突撃


「放て!!」


 砦から矢が飛んでくる

 そんなの予想している


「矢など叩き落とせ!!」


 俺は剣を振る

 数本の矢を叩き落とす


「うぉぉぉぉ!!」


 俺は馬から跳び、砦の壁にしがみつく


「ふん!」


 そして一気に登り、砦の2階から侵入する


「うぉぉぉ!」

「はぁぁぁ!」


 2人の兵が俺を見てすぐに槍を構え、突撃してきた


「ふん!」


 俺は2人の槍の先端を剣で同時に上から叩く


「うぉ!?」

「っ!」


 兵はバランスを崩す


「ふん!」

 ザシュ!


「が……ああぁぁぁぁぁぁ!?」


 片方の兵の右腕を斬り落とす


「ひぃ!?」


 もう1人がそれを見て怯む


「……」


 ガッ!


 俺は怯んだ兵士の左肩を掴む


「ひぃぃぃぃ!?」


「怯えるくらいなら戦場に立つな!!」

「うわぁぁぁぁぁぁ!!?」


 俺は兵士を外に放り投げた

 よっぽどな体勢で落ちない限りは死なないだろ


『どけ!』

『うぉぉぉ!』


 下から部下達の声が聞こえる、皆、砦に入れたか


「俺は指揮官を潰すか……」


 確かてっぺんで指示を出していたな


 ・・・・・・・


 ーーーハルイド視点ーーー


「ちぃ!侵入されたか!」


 援軍が来るまでどれくらいかかる?

 いや、先ずは侵入した奴等をどう始末するか……


「そうだ!酒が有ったな!おい!酒樽を持ってこい!」


「2つしかありません!!」


 ここに置いていたのは2つだけか……まあいい


「ハルイド様!階段に敵が!駆け上がってきます!」


「敵が登りきった瞬間に酒樽を投げろ!」


 それで階段を転げ落ちてくれればいいが



「ここかぁぁ!!」


 男が登ってきた


「今だ!」

『そぅれ!!』


 3人の兵が酒樽を投げる


「ふん!」


 男は剣で酒樽を斬った


 バシャン!


「うっ!なんだ!?酒かこれ?」


 斬られた酒樽の中身が男にかかる


「くらえ!」


 俺は松明を投げる


 ボゥ!


「ぐぅぉぉぉ!?」


 男の身体にかかった酒が引火する


 よし、そのまま焼けて死ね!!



「ぐぉぉぉぉぉぉ!!てめえかぁぁぁぁ!!」


「なっ!?」


 男は燃えながら俺に向かってきた


 ガシッ!


「ぐぁ!あっづ!!は、はなせ!!」

「はなすか!!おらぁ!!」


 ガン!


「ごぅ!?」


 床に叩きつけられる


「これで終わりだ!」


 男が足を上げる


「……くそっ!」


 ヒュ!

 ゴキィ!


 俺は意識を失った


 ・・・・・・


 ーーーヘルド視点ーーー


「あっつ!この!あっつ!」


 俺は指揮官を思いっきり踏みつけて気絶させた

 出来る限りの捕縛……剣で斬りかかったら殺しかねないからな


「ふぅ……熱かった……」


 転げ回って身体の火が消えた

 あー火傷しまくってる……


「さてと……」

 

 他の兵はいつの間にか逃げたか……まあ下で捕まってるだろうな


「ヘルド様!」


 兵が何人か階段を登ってきた


「状況は?」

「この砦の制圧は完了しました!」

「そうか!よし!勝鬨をあげろ!!」


『オオオオオオオオ!!』



 ・・・・・・・



 ーーーカイト視点ーーー


『オオオオオオオオ!!』


 兵達の歓声


「攻略した様だな」

「そうですね」


 俺とルーツは馬車の中からカッカラ砦を見る


 砦の屋上にヘルドが剣を高くあげて勝鬨をあげていた



「よし、砦に行くぞ!」


「はい!」


 俺とルーツは馬車を降りてカッカラ砦に向かった



 ヘルドには後で褒美をやらないとな!










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