表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
120/290

第118話 パストーレとの激闘 1

 オーシャンを出発して1週間が経過した


 今、俺達はパストーレとの国境を越えた


 因みに、出発して2日目でマールからルーツ、メビルト、メットの3人と2万の兵が合流した


 5日目でガガルガからバルセとボゾゾが3万の兵と一緒に合流した


 これでオーシャン軍の兵は200,000人

 ……ちょっと多過ぎて不安になってきた

 制御できるだろうか……この大軍を


 おっと、そういえばオーシャンからの将とカイナス地方の将を確認してなかったな


 オーシャンは俺を始めに

 アルス

 レルガ

 ユリウス

 ティール

 ルミル

 レムレ

 シャルス

 ゲルドの9人


 カイナスからは

 ブルムン

 パーツ

 ペンテリウス

 マリアットの4人だ


 これにヘイナスからのケーニッヒだ



 うーん、人が多いな……編成もしっかり考えないとな……

 国境を越えたから、いつパストーレ軍と交戦するかわからないし……

 幸い、もうすぐ日が暮れる……野営の時に軍議を開こう


 軍団をどう分けるか、どう進軍するか

 進軍するルートも話し合わないとな……


 ・・・・・・・・・


 そんな訳で夜だ

 一部の将は見張りに出てるが……残りの将は集めた


「そんな訳で、どう編成するか……どこの都を攻めるか、それを話し合いたい」


 俺は議題をあげる


『…………』


 沈黙……皆、考えている


「10と10で分けませんか?」


 そう提案したのはパーツだ


「何故だ?」


 俺が聞く


「パストーレの兵力は約8万程です、10万の軍団なら充分戦えますし、その間に残りの10万で背後から挟撃すれば、パストーレを壊滅できます!!」


 自信満々なパーツ


「異議あり!!」


 レムレが逆転する弁護士の様に異議を唱える


「パストーレがどんな策を実行するかわからない現状で、たった2つの軍団でどうにかなるとは思えません! 挟撃も上手くできるとは限りません!」


「む、では貴殿はどう考えているので?」


 パーツは面白くなさそうだ

 年下の兵長に反対されるのは癪にさわるのか? お前小隊長だからな


「僕は、最低でも4つに分けるべきだと考えてます! 2つの軍団で都の制圧をし、残りの2つの軍団は敵の足止めをする役をするべきかと思います!」


 レムレの提案

 うん、それも良い案だとは思う……が


「それが上手くいくとは限らないな」


 そう言ったのはバルセだった


「そうですか?」


 レムレはバルセを見る


「うむ、レムレの提案の様に多く軍を分けるのは私も賛成だ、しかし……4つではな……出来れば6つ……いや、5つにするべきだと私は提案しよう」


「更に分けるのか?」


 レルガの問い


「うむ、軍を5つに分け、この様に配置し進軍」


 バルセは机の上の地図に印を×の形に置く


「第1軍団と第2軍団はそれぞれ近くの都を目指す」


 スッと右上と右下の印をそれぞれ近くの都に移動させる


「第3軍団は両軍団の中間地点……ここだと……森に入りますな、まあ、森の中でも外でも構いませんな、ここに待機します」


 スッと真ん中の印を動かす


「第4軍団は第1軍団の、第5軍団は第2軍団の援軍として遅れて到着します」


 左上の印と左下の印を動かす


「なんで遅れて? 同じところなら一緒に行けばいいんじゃないの?」


 アルスが聞く


「敵を精神的に追い詰める為ですよ、1度に大軍に攻められるより、敵に援軍が来たと思わせる方が効果的なのですよ」

「まだ余力があると思わせるわけか……」


 俺は呟く


「その通りです」


 パストーレの将に通用するかはわからないが……少なくとも民と兵は動揺するだろうな


「敵の士気が下がれば、都の攻略もやりやすくなる」


 成る程な……


「小生もバルセ殿の意見に賛成です」


 ゲルドが言う


「出来れば、第3軍団にカイト様が居てほしいですね」


 そして続けてそう言った


「んっ? なんでだ?」


「敵に襲撃されても救援に行きやすいですからね」

「他の軍団ならそもそも攻めてるから、更に安全なんじゃないのか?」


 ゲルドに聞いてみる


「敵と確実に交戦するのです、安全とは言えません……それに、総大将が姿を見せないでいると、敵は不安になるのですよ」

「あー、これも余力があるように見せる演出か」

「えぇ」


 流石戦慣れしてる連中だ……相手の精神を削る作戦を次々と言ってくる……

 俺……よくコイツらに勝てたな……


「だそうだが……パーツ、レムレ、何か意見はあるか?」


「……うぅ…」

「特には無いです!」


 パーツは悔しそうにしており

 レムレは納得した様子だ


「よし、他に意見がある奴はいるか?」

「少々よろしいですか?」

「んっ? マリアット? どうした?」


 手を挙げたのはカイナスから来たマリアットだ

 女性の将で実力は……まあ普通だな


「将の編成はどうなさいますか?」

「そうだな……出来れば戦力は均等にしたいが……」


 俺は将達を見る

 戦力で分けるか……出身で分けるか……

 戦力だと安心感がある

 出身だと連係がしやすいだろう……


「うーん……」


「カイト殿、少し我が儘を言わせてもらっても?」

「んっ? バルセ? 何だ?」

「私とボゾゾ、ユリウスとティールを第1軍団に編成してもらえませんか?」

「叔父上!?」


 ユリウスが驚く


「理由を聞いても?」

「構いません、何、ユリウスの成長を見たいのですよ……それに、私達なら都を攻略できる……断言しましょう」


 自信満々なバルセ

 確かに自信もあるし理由も嘘ではないだろう

 でも、恐らく彼は切っ掛けを作ってくれたのだ

 こうして編成に口を出せば、他の将も自分の意見を言いやすい


 だから


「でしたら、俺は第2軍団に行きたいですね、そろそろ活躍したいので」


 レルガが言う……まだ気にしてたのか?


「うーん、僕も第2軍団にいこうかな……兄さんを守りたい気持ちもあるけど……うん、活躍したい」


 アルスもやる気だな


「あ、あの、僕は第3軍団で良いですか? カイト様をしっかり守ります!!」


 レムレ


「オイラは第2軍団かな、暴れたい」


 シャルス


「ヒヒヒ、なら我々は第4軍団として後詰めに控えるかね」


 ブルムン


「小生は第2軍団に行きましょう」


 ゲルド


 この様に皆が意見を言った

 うん、結構バランス良くなっていったし……OKした


 そんな訳で編成は


 第1軍団

 バルセ

 ユリウス

 ティール

 ボゾゾ


 第2軍団

 アルス

 レルガ

 ゲルド

 シャルス


 第3軍団

 カイト

 レムレ

 メビルト

 マリアット


 第4軍団

 ブルムン

 パーツ

 ペンテリウス

 ルミル


 第5軍団

 ルーツ

 メット

 ケーニッヒ


 兵数はそれぞれ40000人だ


 今から準備して、明日にはこの編成で進軍していく


 ……今回の軍議はバルセに助けられたな

 彼のお蔭でスムーズに進んだ……うん流石だ


 それに、この隊列なら敵の襲撃にもすぐに対応や救援が出来る


 俺よりも戦慣れしてる年長者はやっぱり必要だな……

 今までが俺かルーツの案に全員が乗る感じだったが

 今回はお互いの意見を言い合えた……これは大きい成果だ

 そうする事で気付けることもあるからな


 学べることはまだまだ多いな……俺ももっと精進しよう



 ・・・・・・・・・・


 翌日

 早速編成した軍団で進軍を再開した



「第1軍団と第2軍団が動いたな、よし! 俺達も行くぞ!!

 目指すはパストーレの都である『リュウリ』、『ペルール』の中間地点だ!!」


『おおおおおお!!』


 因みに第1軍団はリュウリ、第2軍団はペルールを目指している


 今のところパストーレからの襲撃は無いが……国境を越えたのだ……これからは警戒を強めて行こう!!







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ