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第113話 深夜の一幕

 ヘイナスを出発してから2日目の夜

 何とか俺達はオーシャンに予定より早く到着した


「夜って言うか、深夜だな……」


 酒場が盛り上がる時間だ


「城までお送りしますよ」


 ゲルドが言う


「そうだな、頼む……あ、モルスは自由にしてていいぞ?」


 ここなら、護衛は1人でいいだろう

 俺達は馬を外壁で夜勤の兵に預けて歩く


「出発は10時でしたか?」

「ああ、色々と準備してからの出発だ」


 主にレリスの仕事を一部の内政担当に引き継ぐ作業だがな


「漁港かぁ……正直顔を出しにくいですね」


 ゲルドが言う


「何でだ? カイナスも利用してたんだろう?」


 食料不足だったのなら尚更利用してくるだろうし


「いえ、それが……ケーミストが漁師達を脅迫しようとして……」

「……出禁になってたのか?」

「はい……」


 何してくれてんのあの豚?


「ま、まぁ、ケーミストはもう居ないんだ、だ、大丈夫だろ?」


 自信を持って言えないけどな……


「そうだと良いのですが……いざと言う時は、小生は隠れています」

「そうならないように何とかしてみよう」


 そう話している間に城に到着した

 城門をくぐる


「では、小生はこれにて」

「あぁ、また明日な」


 俺はゲルドと別れて、城に入る

 夜勤の兵やメイドに挨拶される

 まあ、こんな真夜中に

『お帰りなさいませ! カイト様!!』

 なんてやられても迷惑だが


「レリスは流石に休んでるよな?」


 時計を見たら、1時だった

 流石のレリスも勤務終了してるだろう


「このまま部屋に戻るかな……その前に風呂に入っておくか……沸かしてあるかな?」


 近くに居たメイドに風呂を入れるようにするのと、着替えの用意を頼む

 その間に、俺はトイレで花摘したり

 医務室を覗いてシャルスの様子を見てみる


「……どうやら熟睡してるみたいだな……」


 回復は順調そうだ……というのも明日……時間的には今日だな

 視察にはシャルスも連れていく

 理由は2つ

 1つはレイミルも同行するからだ

 彼女は患者を中途半端にするのを嫌がる、1度担当したなら回復するか死ぬまで面倒をみる性格だ

 そんな彼女だからシャルスも同行させるのだ


 勿論、シャルスの具合を診てから最終的な判断をするがな……あの様子だと大丈夫だろう


 もう1つは、パストーレへの使者をしてくれたシャルスへの労いだ

 シャルスは猫だ、本人にも確認したが魚は大好物だ

 漁港には、新鮮な、魚が沢山!!

 食わせてやりたいだろ? 腹一杯魚をなぁ!!


 そんなわけでシャルスも同行させる


 さて、そろそろ風呂の準備は出来たかな?

 身体を綺麗にして、ゆっくり浸かって温まって……そして寝よう

 8時まで寝よう


 ・・・・・・・


 浴場に入る、脱衣場で着替えが用意されてるのを確認してからな、うん、ちゃんと沸いてる


 先ずはシャワーを浴びて、頭から汗を流す

 さて……頭を洗って……


 ガチャ


 うん? 扉が開く音?


 スタスタ


 後ろから歩く音が聞こえてくるぞ?

 メイドがタオルか何か持って来たのか?


 俺は目元を拭う

 そして振り返る


「お帰りなさい、カイトさん♪」


 ティンクが裸で立っていた


 裸なのは……浴場だからおかしくないが


「ただいまティンク、起きていたのか?」


 うん、1番の疑問を言う、深夜だぞ? 寝てるかと思ってたが


「なんだか眠れなくて……ベランダで星を見ていたら、カイトさんが帰ってくるのが見えました」

「それで、メイドが俺の着替えを運んでるのを見てここに来たと?」

「はい! カイトさんの身体を洗ったりしようかなって思いました!!」


 そっか……それじゃあ


「お願いしようかな?」

「任せてください!」


 ティンクが俺の身体を洗ってくれる

 うん……凄く嬉しいが……


「んしょ、んしょ」


 頭を洗うときは普通だった

 頑張るティンクは可愛いなぁとか思ってた

 うん……でもさ


「これは……違うんじゃない?」

「ふぇ?」


 今、ティンクは俺の背中に密着している……身体で身体を洗ってきてるのだ

 これは……イカンイカン


「でも、こうしたら喜んでくれるって……」

「ヤンユが教えてくれたか?」

「はい!!」


 ヤンユ……お前いい加減にしろよ……

 人の奥さんに何を吹き込んでんの?


「あ、い、嫌でしたか?」

「嫌なわけないだろ? ティンクにここまでされて喜ばない訳がない」


 でもさ……これはね……そのね……


「あ……」


 ティンクが気づく

 うん、こうなるからね?


「ティンク、今日は眠れないかもしれないぞ?」

「そ、そうみたいですね……」


 ティンクは赤くなりながらも……しっかりと俺の変化した部分を見ていた


 流石に夜も遅いし、自重しようと思ってたのにな……

 もうスイッチ入ったからな……止められないな



 翌日、出発するとき、俺とティンクは寝不足だったのは言うまでもない






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