2026〜2079年
2026年 各国は人口減少・少子高齢化・環境問題・地域紛争・経済格差など多くの課題を抱えながらも、AI・半導体・量子計算・ロボット工学・宇宙工学・新エネルギー分野への投資を急速に拡大し、技術革新を国家競争の中心に据える。
技術革新は人類の生活を豊かにする一方、世界全体の資源・エネルギー消費を加速度的に押し上げ、新たな世界共通課題を生み始める。
2030年 AIが研究開発・設計・解析へ本格導入され始める。
2033年 AIの製造分野への本格導入が進み、自動化社会への移行が始まる。人類の技術進歩速度は過去に例を見ない水準へ到達する。
2036年 人型AIが工場・物流・危険作業で実用的な労働力として本格普及し始める。一方、技術発展に伴う希少資源・電力・計算資源への依存も急激に増大し、一国単独では解決できない問題が徐々に表面化する。
2040年 AI・半導体・量子計算・宇宙産業の発展によって希少資源不足とエネルギー需要が世界規模で深刻化する。
2042年 各国・巨大企業による宇宙資源開発の検討が本格化する。
2046年 単独開発では莫大な投資・採算性・技術的リスクを克服できないという共通認識が形成され、人類は初めて「共同開発」という選択肢を現実的に検討し始める。
2048年 世界共同宇宙資源開発計画に向けた具体的な協議が始まる。
2050年 世界会議において人類初となる世界共同宇宙資源開発計画が承認される。世界各国・企業が共同出資し利益を世界へ還元する超大型宇宙コロニーの建設準備が始まる。
2051年 超大型宇宙コロニーの本格建設が開始される。各地域は得意分野を担当しながらAIと原子力を中核技術として人類最大規模の共同開発を進める。
この計画は単なる宇宙開発ではなく、人類が初めて「世界全体の利益」を目的として共同所有する巨大事業となり、国家間の信頼関係を大きく前進させる契機となる。
2052年 性能向上と低価格化により、人型AIが公共・サービス分野にも広く普及する。
2058年 超大型宇宙コロニーが完成し、打ち上げに成功する。
2059年 宇宙コロニーの原子力システムで重大な技術的トラブルが発生し、構造体が分裂する。分離した大規模構造体の将来的な地球への落下地点がロシア極東から中国東北部にかけてと予測され、中国・ロシアを中心とする世界共同迎撃作戦が実施される。
迎撃には核ミサイルが使用され、その着弾までの軌道演算にAIが使用された。何とか落下する構造体の破壊に成功するものの、破片が広範囲へ飛散し、各地に被害をもたらす。
そこで、日本は世界最高水準の復興能力、北欧は救命・医療技術など、各国それぞれの能力を活かし、可能な限りの支援を行い世界規模の被害拡大を防ぐ。各国民は他国への感謝と信頼を抱き始め、世界協力という価値観が初めて社会へ根付き始める。
2060年 宇宙空間に残っていた同じ宇宙コロニーの主要構造体の軌道が変化し、アメリカへの落下が初めて予測される。アメリカは前年の迎撃実績を持つ中国・ロシアをはじめ世界各国へ協力を要請し、世界共同迎撃によって撃破に成功する。
前回同様、破片が降り注ぎ被害が出るものの、2059年の経験を活かし各国がより効果的な支援・協力体制を構築。それぞれの能力を最大限に発揮して各地の被害の拡大を防ぐ。
2061年 二度に渡る文明規模の危機を受け、世界共通の宇宙安全基準・設計基準・運用基準の策定が始まる。「一国だけでは人類を守れない」という認識が決定的なものとなる。
2063年 世界規模の文明危機を受け、この年の世界会議において主要な宇宙安全基準・設計基準・運用基準が世界共通基準として成立する。共同開発・共同管理・共同防衛を当然とする考えが徐々に社会の中心となり始める。
2066年 宇宙コロニーの原子力トラブルによる世界的危機は、世界に原子力の限界を認識させた。
2067年 核兵器の多くを失った中国・ロシア・アメリカは再開発を断念し、各国にも核廃棄を働きかける。各国も自国だけが保持する合理性が薄いと判断。この年行われた世界会議において、段階的かつ急速な核廃棄・軍縮に正式調印した。
2068年 世界は原子力に代わるエネルギーと、著しい成果を見せたAIの研究へ予算を振り向けていく。
2069年 核兵器による抑止より世界共同の安全保障を重視する価値観が広まり、国家間の対立は競争から役割分担へと変化していく。
2071年 2059年・2060年の二度の世界共同迎撃で中心的な役割を果たした中国は、その後も各国からの要請を受けて地域紛争の仲介・介入を行い、武力衝突の拡大防止と平和的解決の実績を重ねていく。
2072年 世界共同研究が常態化する。
2075年 人材・資本・技術が国境を越えて循環する時代となる。各地域の得意分野へ人材・技術・産業が集積し、地域ごとの専門性が明確になると共に、AIが研究そのものを支援し技術革新はさらに加速する。
2079年 次世代では地球単位で物事を考える意識が広まり、人類全体で課題を解決する考え方が常識となっていく。




