表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/11

エピ6 探していたデジタルの起源は見つかりました。


 ***


 探していたデジタルの起源は見つかりました。


 デジタルXXは「デジタル計算機」が最初。多分ね。


 ***


 1942年4月のアメリカで計算機の分類カテゴリがアナログとパルスになっていたので、「パルス」ではなく「デジタル」が良いという提案があったのですって。


 1945年9月のENIACに関する(軍関係の非公開の)文書では「Electronic Digital Computer」(電子式デジタル計算機)という表現があります。


 そして、1946年2月にENIACの存在が公開された後、計算機の学会や雑誌記事でデジタル計算機という用語が使用され始めた感じです。


 まぁ、個人の調査なので断定できないことですけど。


 それにしても「デジタル」が提案される前に「アナログ」があったとは意外ですね。


 ***


 なお、英単語の Digital は14世紀後半か15世紀頃にラテン語の「指に関する」という意味の「digitalis、digitus」から生まれて、当時は「指に関する」や「10未満の数に関する」という意味だったとか。ググったら出て来ました。へー


 それから、Analog(Analogue)は、ギリシア語の「比例している」という意味の「analogos」が語源で、「類似するもの」という意味で、19世紀に出来たとか。


 *


 1942年4月の時点で Digital にどのような意味合いがあったのか、もやもやしています。


 10進数の由来は両手の指の数らしいので、指と数には関係があるのでしょうけれど。指折り数えると言うし。


 「数値で(表した〜)」という意味で Digital を使用した例が1938年にあるそうですが特定できていません。調査中です。


 *


 フランス語で "comput digital" という表現があって、英語では finger-counting あるいは finger-reckoning で、指で数を表現する方法のことでした。この digital は指のこと。


 1877年10月に「On the Laws of Digital Reduction」と言う論文が The American Naturalist(アメリカ自然科学会の学会誌)に投稿されていまして、この Digital は finger や toe の意味の指のようです。


 1930年代の論文で、digital investigation や digital examination という表現がありますが、これは「指診」のことだと思います。"a digital investigation of his prostate ..." のような使い方をしています。この digital も指のこと。


 "The incision may be closed by digital pressure temporarily, ..." の digital も指なのでしょう。多分。

 

 "the digital estimation of pressure" は、...もしかして数値的な推定かと思って、詳しく読んでみたら血圧を指で推測する方法のことでした。昔は手首に指を当てつつ、腕に巻いたチューブに空気を入れて血圧を計っていた?


 *


 Digit なら、1852年には数(の1桁)の意味で使われてます。"the first digit of the number" という感じで。


 もちろん、Digit は指の意味でも使われていて前後の文章を読まないと分からないです。"right hand digit of the number"(右手の指で表した数?、あるいは数値の最小桁のこと?)とかあるから油断できない (T_T) 


 ***


 Digit の形容詞が Digtal で、デジタルは「数値で表した」と言う意味だとして、(何かを)数値で表すことに何の意味があるのか? それが明確に意識されたのは1942年4月なのか。もやもやします。


 ***

 **

 *


 さて。


 デジタルと言う用語が広がります。デジタルXXが増えていきます。


 探して見つかったのは、まず1946年に Digital Computer や Digital Calulating Machinery があり、その後、


  Digital Coding (1949)

  Digital Analog Conversions (1951)

  Digital process (1952)

  Digital Data (1952)

  Digital information (1952)

  Digital Adder (1953)

  Digital Control Processes (1954)

  Digital Encoder (1954)

  Digital Techniques (1954)

  Digital transmission (1956)

  Digital code (1956)

  Digital Amplifier (1956)

  Digital Filter (1956)

  Digital Storage (1956)

  Digital Circuits (1956)


 などが見つかります。初出かは不明です。探せばもっと見つかるでしょう。これらを見る限りでは、デジタル計算機コンピュータから他にデジタルが波及した感じです。


 *


 1952年にアナログ・デジタル変換(Analog to Digital Converter、ADC)という表現が出現します(DACは1951年です)。


 1954年にはEpsco社が「Datrac」というADCを発表しています。真空管式で、11 bit・50 kSPS。8000〜9000 ドル。これが世界初の商用のADCらしい。


 なお、ADC相当の処理あるいはデバイス自体は1939年のアレック・リーブスのPCMの特許明細書でも、1948年のベル研究所のPCM実験でも出てきますが、これらではADCと表現していないのです。


 *


 1956年には(パルスと)デジタル回路の書籍が出版されます。


  J.Millman, H.Taub, "Pulse and Digital Circuits", McGraw-Hill, 1956.


 この本の第13章 DIGITAL COMPUTER CIRCUITS では、真空管やダイオードを使ったAND回路・OR回路・NOT回路、それから加算器、シフトレジスタ、マルチプレクサ、メモリなどを解説しています。


 論理演算を可能とする論理ロジックゲートには広い応用があって、特にデジタル計算機で様々な使われ方をしていて、それらを解説する、ですって。


 なお、論理ゲートは原文では「switching or logical gate」と記していて、logical とは入力と出力の関係が論理演算を想起させるからと説明しています。むむっ。


 第16章 TIME MODULATION AND MEASUREMENT では、物理的なシステム(温度測定機とか)の出力は通常アナログ形式(analogue form)だが、デジタル計算機で処理したいことがあり、それでデジタル形式(digital form)に変換する、といった説明をしています。


 これは、現在のデジタル回路の教科書の元祖ですね。


 著者の J.Millman はコロンビア大学の電気工学の教授で、H.Taub はニューヨーク市立大学シティカレッジの電気工学の助教授。ベル研究所ではないんだ。


 *


 日本語では、1953年の論文で「ディジタル」を使用しているのを見つけました(これより前からあった気配があります)。


 1954年に「ディジタル信号」「アナログ-ディジタル変換」、

 1955年に「ディジタル演算」「ディジタル電位差計」、

 1956年に「ディジタル情報」「ディジタル量」「ディジタル制御」「ディジタル方式」「ディジタル回路」「ディジタルサーボ」などが。


 アメリカ等の論文を参考文献に並べていて、しっかり情報収集してる感じです。


 それと、天秤てんびんをディジタル方式、さおはかりをアナログ方式の例にあげていて嬉しいです。本シリーズの(2)では迷ったけど、これで解決です。


 ***

 **

 *


 デジタルXXという表現は、デジタル計算機コンピュータから始まり、(論文や教科書で)1946年から1956年にかけて


  デジタル情報、

  デジタル量、

  デジタル信号、

  デジタル処理、

  デジタル制御、

  デジタル伝送、

  デジタル回路、

  デジタル技術、


 ...、等と広がりました。最初に調べた教科書とほぼ同じ内容です。個別には調べていませんが1957年以降も広がっていくのでしょう。


 *


 回路に注目して整理を試みると、


 ・電子回路が生まれる

  ↓

 ・論理回路(という考え方)が生まれる

  ↓

 ・電子回路 ⇒ 論理回路 ⇒ 加算器など ⇒ 電子計算機ができる

  ↓

 ・アナログではない計算機は「デジタル」に分類される!

  ↓

 ・デジタル計算機の回路はデジタル回路と呼ばれるようになった


 という順番。...、調べた範囲ではね。


 そうしてアナログとデジタルという用語は計算機から独立して、計測や制御、通信などの分野に広まったのでしょう(個人の憶測です)。


 アナログ・デジタル変換(ADC)が生まれて、デジタル信号処理が可能になったことがポイントだと思います。


 ***


 間違いの指摘とか疑問とか、ご意見・ご感想とかありましたら、どうぞ感想欄に!


 ***

2025.9.8 推敲。

2025.9.9 推敲。

2025.9.12 推敲と加筆。

2025.9.14 微推敲。

2025.9.17 推敲と加筆。

2025.9.18 微加筆。

2025.9.19 微推敲。

2025.9.27 微推敲。

2025.9.30 微推敲。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ