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たぶんボスだ

 ゾンビ地帯の中心に安置してあったのは人間の全身骨格だった。

 身に着けているのは、金で縁取りされた立派な深紅のローブ、そして握りこぶしより大きな魔石がはめ込まれた高価そうな杖だけ。

 鎧や服を付けていた様子はない。風化してしまったのかここまで侵入してきた冒険者にはぎとられたのか。それにしてはローブと杖が残ってるのが気になるけど。

 とりあえず埋葬してあげるために無限収納に入れてあげようって、、、入らない?

 どういうことだ?

 とりあえずローブだけ、杖だけ、骨だけと試してみたけど全然入らない。

 スマホで見てみると瘴気がこの3つから発生している!

 「みんな離れて!」

 警告に反応し素早く離れる2匹。でもそれをあざ笑うかのように空中に浮いた杖から発射されたダークボールが逃げ遅れた1匹の頭を打ちぬいた!

 

 なんてことを!ヒール間に合うか!?

 近寄ろうとする僕にロビンから『近づくな!』と警告が。

 「なんで?」

 ロビンを振り向き怒鳴ってしまったロビンに

 『あれを見ろ。もうあいつじゃない。ゾンビだ』

 え?振り向くとゆらりと立ち上がる頭に穴の開いた角豚。一目で死んでいることが分かる姿だ。

 『くそう!』

 もう1匹の角豚がすぐにフラッシュをかけてくれたがあの角豚のいた場所には魔石しか残されなかった。

 『これで俺も限界だ。後退するぞ』

 フラッシュをかけてくれた角豚も限界だったようで後ろに下がっていった。

 「ロビンなんだかわかる?」

 『あいつが攻撃しただけでゾンビになったということはアンデットメーカーかもしれない』

 「アンデットメーカーってなんだよ?」

 『さっきのように魔物をゾンビにする能力を持った特殊な魔物だ。長老に出会ったら逃げろとおしえられたことがある』

 「弱点は?」

 『わからんがこれでどうだ!』

 フラッシュをぶつけるロビン。

 若干煙は上がったがゾンビの時のような劇的な変化はみられなかった。

 「ちょっとは効いたみたいだからみんなが回復してから明日一斉攻撃したらどうだろ?」

 『いやダメみたいだ。避けろ!』

 ロビンの目線を追うと、ローブを付けたスケルトンがこちらに杖を向けている。

 とっさに回避する僕とロビン。

 さっきと同じダークボールが僕の左腕をかすめる。二の腕が黒く浸食されてきたが

 「ヒール!」

 回復魔法でなんとなるようだ。


 「ロビンはあと何回くらい魔法打てそう?」

 『多分2,3回が限界だ。囮になるから攻撃は頼む』

 何発も飛んでくるダークボール。1度に1個しか飛んでこないから何とか避けれるけどこっちが近づくスキもない

 「いったん撤退しないか?」

 『ダメだ。あいつが歩き出した方向を考えてみろ』

 いつの間にか歩き出したアンデットメーカーの向かっている方向を考えてみると

 「水源地方向じゃん!」

 『ここでなんとか倒すか足止めしないと大変なことになる』


 集会所が蹂躙される様子を想像してしまい震える僕。

 スケルトンの弱点は魔石らしけどこいつには魔石は見つからない。ゾンビに嫌魔草は通じない。無限収納で装備を取り上げることもできない。

 「いったいどうすればいいんだよ」

 つい泣き言を口にする僕をしかりつけるロビン。

 『ここでこいつをなんとかできるのはカイしかいないんだ頼む。俺たち角豚を助けてくれ!』

 そうだ。まだろくに戦ってもいないじゃないか。いろいろ試してやる。


 それじゃまずは定番のスマホチェック!

 種族:知識ある杖

 名前:なし

 年齢:7

 職業:なし

 HP:95/100

 SP:90/100

 MP:80/100

 筋力:5

 頑丈:5

 敏捷:5

 器用:5

 魔操:40

 気操:0

 称号:アンデット作成40体

 スキル:

 アンデットメーカー Lv.1


 あれ?フラッシュしか当ててないのにけっこうHP減ってるしSP.MPも減りが早いぞ?もしかして最大値低いのかも。

 しかも種族名が知識ある杖ってことは杖が本体ってことか。

 それじゃいろいろ試してみよう!

 まずは残り1本になってしまったボーラーをほいっ。

 スケルトンの足にボーラーが絡まる。何とか歩こうとするアンデットメーカー。

 またスマホで確認してみるとSPが80に減っている。

 本体じゃなくてもSPは減らせるみたいだね。それじゃ、木材ぽーい!バリケードぽーい!投網ぽーい!

 確認するとSPが70に減っていた。

 しかも障害物を気にしてこっちへの攻撃が減ってきた。

 よし今だ!

 ここは僕の最大攻撃力魔法のレーザーを魔力マシマシで!!!

 よし!HPが70まで減ったぞ。これは行けるかも。

 次は物理攻撃。槍の突撃だ!

 ローブに穴は開いたけどダメージは通らなかった。

 

 今度は杖に直接攻撃だ!

 突撃しようとしたがまたダークボールが連続で飛んできてしまった。

 もうさっきの障害物はさけられてしまったようだ。

 よーしそれじゃ最後の投網ぽーい!嫌魔草ぽーい!ついでに作り置きの最後の簡易ポーションぽーい!

 ポーションがうまく杖にかかりダメージが入った!

 よしここで残留魔力全消費でレーザー発射だっ!!

 大ダメージ!HP47!半分を切ったぞ!

 ってバカか僕は。あと全部物理攻撃しなきゃダメじゃん。

 仕方ないできることをできるだけやるだけだ。

 

 次は平鍋をフリスビーのようにほれっ。

 スケルトン部分の左足が砕けた!

 『よし投げるものを拾いながらいったん退却だ!』

 さすがロビン的確な指示ありがとう。

 そうと決まればすたこらさっさー。

 木立を盾にしながら逃げる僕とロビン。

 逃げながらも途中で拾った石や木を投げSPを減らし魔力の回復時間を稼ぎます。

 

 なんとかこれで時間を稼げれば!


本日2話投稿しました。

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