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くちづけ
んだったら、肩でももんでくれない?
「お、いいよ、もちろん」
小窓からは心地よい日差しがさしこみ、椅子に座る俺の肩をやさしくなでてくれる。
ゆったりとした刻の中。なんだか、この世界には二人だけしかいないような気がしてきた。
「あのさ、ノブナガ」
どうした。
「この世界って、寿命とか、あるのかな」
さぁ、どうだろう。年齢って概念はないから、この世界がある限り、もしかしたら永遠なのかもしれない。
「この世界がある限り、ね」
地球だって一緒さ。地球が無くなったら、誰も生きていけない。
「そしたら、宇宙に行けばいいじゃないか」
同じことだろ。宇宙が無くなったら。同じことさ。
「そっか。そうかもな」
ありがとう、ひとみん。
俺は肩に掛かったひとみんの手をそっと握る。
「ん……」
そして彼女を引き寄せて、口づけをした。




