49/75
勇者の資質
将来……ね。
この世界を永遠に続かせる為に勇者になった、俺。
二度目の生を精一杯生きようとする、ひとみん。
この世界に舞い降りた、たった二人のアダムとイブ。
正直なところ、この世界を救う勇者としての資質が俺にあるとは思えない。
ここの住人は好きだ。
みんな若くて若くて、一日の大半をゲームに費やして、青春を謳歌している。
中にはゲーム世界の方がリアル世界より生きている時間が長い、なんて奴もいるだろう。
かつての俺がそうだったように。
嫌なことも楽しいことも、ここには詰まっている。
10年前の俺、シェバ。
この世界を本気で愛して、些事に首を突っ込み、右往左往しながらも、気高く振る舞う銀色の閃光。
彼のような男こそ、この世界の勇者と呼ぶにふさわしいんじゃないか?
そして、ひとみんも。この世界に舞い降りた未来人にしか勇者の資質が無いのであれば、それを謳歌する彼女の方が、勇者にふさわしいんじゃないのか。
どう思う、イングリッドさん。
「ノブナガ様は、勇者様ですよ」
そうなのか。
「今しがた、悩んでたじゃないですか。俺は勇者にふさわしいのか、って。それは勇者である資質そのものです」




