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「って言うわけで!」
百メートル4秒台の脚力をフル活用し、教室に辿り着いたモブ子は教卓に立ちながら宣言した。
授業をしようとした教師を押し退け、高らかに彼女は叫ぶ。
「ただいまより、脇役延命大作戦を開始します!異論は無いよね!」
「待て待て待て待て!」
いきなりそう言い出したモブ子に【クラスメイト28】が待ったをかける。当たり前の反応だ。
「え?なに?どういうこと?一から説明して貰えねぇか?」
一番前の席の【クラスメイト32】が訳のわからない、とでも言いたげな表情で問う。それに対してモブ子はヤレヤレと肩をすくめた。
「実はルリとネバネバが呆然でルリが泣いて私が解決するのだ!」
「わかった、俺が説明する。お前はちょっと国語を勉強してろ」
モブ子の説明を聞いたさっちゃんがそう呟く。彼はモブ子を無理矢理席に着かせると、教卓に気だるそうにあがった。
「実はだな、____」
さっちゃんは分かりやすく先程の事を説明した。皆は分かった、と頷いてくれた。
「それで、ルリと俺達が幸せになる方法を見つけるという訳か。」
【クラスメイト14】が頬杖をつきながらまとめる。さっちゃんはそれを肯定すると、席で国語の教科書を枕に突っ伏していたモブ子を再び教卓に立たせた。
モブ子は声を張り上げ、全員に告げた。
「そういうわけなんで、誰か意見だして頂戴!」
自分で考えるつもりはさらさら無いのだろう、彼女は教卓を叩きながら辺りを見回していった。
すると窓際の席の少年がスッ、と手を挙げた。確か彼は【クラスメイト29】。クラスのムードメーカー的存在だったはずである。
彼は指を立てると、早口で案を述べた。
「ルリの両親をなぎ倒して力で自由を手に入れる」
「一昨日来やがれ
・・・暴力は無しだぞ?」
さっちゃんがさらりと暴言を吐く。
【クラスメイト29】は「駄目かー」と笑って腰をおろした。