幼馴染から
なんやかんやで、いつもオレのそばにいる幼馴染の永海。
「検定試験受かったけど、勉強する?」
と永海に聞いてみると、すぐさま
「よろしくお願いしますぅ。先生ぇ」
と、旅館の女将みたいに丁寧にお願いをされた。
なのでオレは、偉そうに
「まぁ、単語と過去問やっとけばいいよ」
と教えてあげて、自分のマイテキストをプリーズした。
すると、すぐさま勉強する永海。
ぶつぶつと英語を日本語に略して、スラスラと解いていた。
…
永海…
どんどん進むじゃないか。
ご飯が進むくらい、どんどん進んでいる。
このままのスピードだと、世界一周できちゃうんじゃね⁉︎ってくらい進むわ進むわ。
あー…、いつかこれは抜かされてオレがテキストを借りる未来は、近そうだ。
まさかオレが、近未来をみることができる才能があったなんて、だれが想像しただろう?
少なくとも、数分前のオレはしていなかったぜ。
しばらくすると永海は、そろそろ時間だわ。行ってくれと言い出した。
行ってくれ?
ここはわたしに任せて君は逃げてって感じ?
「え…オレって、どこに行けばいいの?」
「えっ?あー間違えた。行ってくる」
「おでかけ?」
「ううん、流しの掃除しなきゃ」
…
あー…
たしかに永海は、よく流し台の掃除をする。
掃除のあとの、あのピカピカがたまらないのだそう。
「いってらっしゃい」
と、送りだした。
永海は、ストレス発散に掃除をする生き物だ。
なんて素晴らしい発散方法だろう。
でも、普通の人からすれば家が綺麗になるから嬉しいところだけれど、永海の母親からしたら、帰ってきて家がピカピカだったら、娘になんかあったんだろうなって、表情が曇るだろう。
でも、永海母さん…安心してください。
いま、永海は勉強疲れで発散しているだけなんですと、後で伝えておこう。
ストレス発散をしてスッキリした永海は、また勉強を始めるのかとおもいきや、ゲームしよう?と言ってきた。
永海のストレス発散は、まだ続きそうだ。
そんな永海と、一緒にゲームをしてたんだけど…
そもそもオレたちって、幼馴染の次のステップって、どうなっているのかと思い、永海に聞いてみた。
「オレたちって、幼馴染からどうなるの?」
って。
そしたら、まさかの…
「もちろん孵化するでしょ」
って、ドヤ顔された。
孵化…
「孵化か…」
「うん、てかさあれだよね?」
「どれ?」
「セミだったら、大急ぎだけど鳥なら慌てなくてもね。」
…
孵化からのいきなり、セミへジャンプ?
…
「あ、オレさ…親戚に瀬見さんって人いるんだよね。これは、慌てなきゃじゃね?」
ナイス!瀬見さん!
「へえ、あ…でもうちの親戚には鳥井さんがいる。これって…平均すると、やっぱりまだ幼馴染どまりじゃない?」
…
「そうきたか。」
「てかさ、なんで幼馴染じゃいやなの?わたしは、まだ幼馴染時代を満喫したいのだがね?」
…
だれだよ…
「だってさー、永海かわいいだろ?悪い虫がつくかもじゃん!彼氏いたら、虫も少し逃げていくかもだろ?」
…
「悪い虫?」
「うん」
「たとえば、どんな虫?」
「えっ?それは…わからないけど、危ない虫だよ」
「ハチとか?」
「あー、まぁそうだね」
「たしかに、それは危ない。」
「だろ?」
よし、いい感じだ。
「虫だけに、ムシしたらいいよ」
…
「あー…」
「うそだよー、大丈夫だよ。ちゃんと虫退治できるよ?たぶん」
…たぶんとは?
「でも、そう考えるとそれはヤバいね」
「だろ?」
「うん、だってサクトにも虫がつくかもだよね⁉︎」
「あー、オレはでも…きちんと退治…できないかもなぁ?白アリとかだったら、大量発生するかもなぁ。なんなら、寄生するやつとかもいたりしてなぁ?」
…
「きっ、寄生はヤダよ‼︎もう虫ですらなかとよ⁉︎」
いきなりだれだよ…
「だろ?じゃあ、幼馴染時代もそろそろ終わりだな。それでいい?」
「うん、それしかないね。じゃあ、次の段階に移りましょう。博士」
…
いきなり博士に就任したオレ。
「じゃあ、孵化するの?」
「そうだよね!でも、うまれたては注意が必要なの。温度管理が大切だよ」
…
ガチの孵化?
温度管理…
「それって…どうすればよき?」
「そうだなぁ。とりあえず一週間は、大事だよね。わたしもはじめてだから、いまいちわからないんだけど…まず、ハグからしてみる?」
⁉︎
「えっ⁉︎それが温度管理になるの⁉︎」
「まぁ、抱きしめかたとか相手の温度とか把握しなきゃだよ。敵を知る前になんたらよ」
…なんか、微妙に違うような。
色々と。
…ま、いいか!
「よし、じゃあハグするか!」
「うん!」
ギュ〜♡
「優しいハグだね?なんかおそれてるみたいだよ?」
「だって、孵化したては大事だろ?」
「そういうことか。うん!それじゃあ、これからは温度管理も一緒に頑張ろ?」
「それは、どのようにする?」
「口調とか、強くなったり感情的にならなければ、とりあえず一週間はクリアだよ!そこからは、大切に愛を育てていけばもう大丈夫だよ。きっと…知らんけどね」
「あー、そういうことな。わかった!愛が苦しくならないように精一杯頑張ります‼︎」
「わたしも、頑張ります‼︎」
こんな虫とか寄生虫とかからの、恋人に発展する方法かあるんだと知るサクトなのであります。
こうして、無事幼馴染から別のステップに進化したのでありました♡
おしまい♡




