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最悪の2択

いつも読んでくださってありがとうございます!

「どっちの水着に興奮しましたぁ?♡」


翔子は最悪の2択を俺に突きつけてきた。謀られた・・・翔子はこのプール、いや、このプールに行くと決めた瞬間から俺にこの至上命題を突きつける気満々だったのだろう。


「どっちというのは・・・?」


とりあえず、俺は時間を稼ぐことにする。そうすれば、俺の大学で首席の頭脳が名案を思い付いてくれるはずだ!俺は未来の自分にすべての問題を丸投げした。


「あは♡先生ったらぁ~分かり切ったことを聞くんだからぁ~莉奈さんと私のどっちに興奮したのかを答えてっていたんですよぉ?」

「ですよねー(棒」


仕方がない。漫画やエロゲではこれが最高の答えになるのだ。やるしかないだろ。


「ゴリも翔子も甲乙t」

「あっ、みんな違ってみんないいみたいなハーレムクソ野郎みたいなことを言ったら、顔写真付きで私の大学に晒しますよ?」


畜生!なぜだなぜ俺の思考が読まれた!?この手の話って男だけしか知らないはずだ!?俺は翔子に視線を送ると、今日イチの笑顔で、


「漫画とかエロゲの傾向がハーレムルートばかりだったので♡」

「俺の元生徒が俺のことを理解しすぎてて怖い件」


マジでなぜ俺のことをこんなに理解してるんだよ・・・ま、まさか翔子!お前は俺と生き別れたいもうt


「そんなわけないでぇす」

「だから俺の思考を読まないで・・・」


さて、どうしようか。本当に困った。とりあえずさっきからボーっとしているあやつに聞いてみるか、


「ゴリは嫌だろ?優劣をつけられるのってさ」

「あ、えっと、何?」


本当にこいつ大丈夫か?さっきから頭が働いていないのか、反応がすこぶる悪い。


「だから、翔子とゴリのどっちの水着が良いかなんて決められたくないだろ?しかも俺に」

「あっ、そういうこと」


ゴリは再起動した。よかった。いつも通りのゴリだわ。うちの幼馴染はこの手の差別ならぬ区別を嫌悪するきらいがあるからな。今日の民主主義においては多数決が最優先される。


「私も誰かと誰かを比較するのはよくないとおm」

「あれぇもしかして莉奈さん、私に負けるのが怖いんですかぁ?」

「ああん?」

「「ヒぃ」」


煽った翔子も怖がる恐ろしいゴリの威嚇。全く関係ない俺までビビっちまったじゃねぇか・・・翔子は俺の背後に隠れて盾にしている。この辺りはちゃっかりしてるよなぁ、こいつ・・・


「そんなに言うなら、選んでもらおうじゃないの!伊織、早く私を選びなさい!?」

「は!?いやいやゴリ、お前はこういう比較が嫌いだろ?それとこんな挑発に乗るなよ・・・」

「うるせぇ~売られた喧嘩は爆買いじゃあ!!」

「じょ、上等です!私だって負ける気はありません!さっ先生、私を選んでくださいな♡」

「うせやろ・・・?」


前門の虎後門の狼ならぬ、前門のゴリ後門の翔子。

どっちを選んでも角が立つのは火を見るよりも明らかだった。しかも


「なんだなんだ?」「修羅場か?」「あの子可愛い・・・」「美人すぎる」「間の男は誰だよあ・・・」「羨ましすぎる!」「くたばれリア充」「なんであんな男が・・・」


外野が集まってしまっていた。ゴリも翔子も俺しか見えていないのか、周りのことに全く気が付いていなかった。ざわざわしだす周囲に、一触即発のゴリと翔子・・・

俺は覚悟を決めた。


「分かったよ・・・決めたからちょっと離れろ」

「本当!?」「本当ですかぁ!?」

「ああ・・・」


死地に向かう兵士のごとく、俺は重い口を開いた。そして、


「和葉さんが一番似合っているに決まっているだろうが!!!」


俺は完璧な答えをはじき出した。2択の問いにはこの場にはない新しい選択肢を創り出せば良いと!そうすれば、誰も傷がつかなくて済むし、こいつらも納得してくれるだろう。


「「は?」」

「ヒぃ!?」


ダメでした☆ゴリと翔子からの絶対零度の声。冥界から聞こえてくる悪魔の声かと思った。俺は即座に土下座を敢行して、なんとかこの地獄の2択を容赦してもらえた。

なんで、全く悪くないのに、土下座をしなきゃいけないんだよ・・・

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「それじゃ、行こう!」

「はい!」

「うーす」


ゴリが先頭の音頭を取って、俺たちはプールに飛び込む。お~気持ちいい。


「うわぁ、気持ちいい~」

「ねぇ~」


プールの温度は丁度いいくらいの塩梅だった。冷たくも熱くもないと言えばいいのだろうか。これなら身体が冷えることはなさそうだ。

俺たちはあいさつ代わりに流れるプールで泳ぐことに決めた。このまま流れに身を任せるだけでも気持ちが良さそうだ。俺は背泳ぎをしながら、このまま流され続けようと思ったが、


「ブホっ!」

「な~に一人で黄昏てんのよ」

「て、てめぇ」


背泳ぎしていた俺の顔に水をかけてきやがった。普通には鼻に水が入るから痛いんだぞ?


「悔しかったらやり返してみ!」


ゴリが俺に挑発をしてきた。こういうときこそビーcool。落ち着くんだ俺。こんなことにいちいち腹を立てては、


バシャ―ン

「・・・」


「隙だらけですよ伊織先生♡」


今度は反対サイドから翔子に水をかけられる。古来より伝えられている素晴らしい言葉がある。目には目を歯には歯を。つまりは、


「倍返しじゃあぁ!!!」

「逃げるよ翔子!」

「キャー先生に犯される♡」

「誤解を招くことを言うんじゃねぇ!!!」


流れるプールで年甲斐もなく鬼ごっこが始まった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はぁ、お前ら、はぁ、泳ぐの速くね」


結局ゴリと翔子を捕まえる前に俺のスタミナが完全に尽きた。てか全くダメだった。ゴリが速いのは想定内だが、翔子も速いとは。運動音痴だと思ったんだがな。

目の前を悠々と泳いでいるゴリと翔子を見て敗北感を味わっていた。すると、


「先生!莉奈さん!あれ行きましょう!!」

「ん?」

「お!いいねぇ!スライダーなんて久しぶりだよ」


流れに身を任せていると、巨大なスライダーが見えてきた。下から見てみると、ゴムボートのようなものに乗って滑り下りるものらしい。


「結構面白そうだな」

「じゃあ決まりです!行きましょう!」


俺たちはスライダー乗り場に行くために一度プールから上がった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ほぉ~思った以上に高いな」

「ですねぇ」


俺と翔子がそんな感想を漏らした。ゴムボートは3人乗りだった。途中ボソッと翔子が


『2人乗りだったらどうしますかぁ?』


とまた恐ろしいことを言ってきたので、俺は神と職員に3人以上でありますようにと拝み倒していたが、なんとか願いが通じたらしい。そして、俺たちは頂上からスライダーで下った。


「おおーーーー!!!速い速い!!」

「キャー怖い(笑)」


翔子とゴリが女子特有の悲鳴を上げた。ボートがぐるぐると回りながら下っていくので、実際のスピードよりも全然速く感じていた。


「ちょ、ゴリ!あんましボートを傾けんな!俺が落ちる!!」

「あはははは」

「先生可哀そう(笑)」

「翔子も俺を助けてぇ!」


俺も年甲斐もなく悲鳴を上げながら地上に上水した。


「はあ~面白かったですね♡」

「俺はスライダーから下に落ちそうでマジでビビったわ!」

「ごめんごめんって(笑)」

「(笑)じゃねぇよ!」

「それじゃあ次に行きましょう!」

「おー!ほら遅れんなよ!エロゲ(伊織)

「悪意しか感じねえな!」


俺たちはそのまま盛り上がりながら、プールのアトラクションを一つずつ楽しんでいった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「で、ここが例の場所かぁ」

「っぽいですねぇ・・・」

「おー!」


俺たちはここのプールのレジャーをほとんど遊び尽くした。一つを残して(・・・・・・)。どのプールも基本的に人でごった返しているのだが、ここだけはほとんど人がいなかった。


「マジでいるのな、サメ(・・)!」


目の前のプールを見ると、サメがうじゃうじゃいるプールにたどり着いた。サメは尾ひれを出して、プールを泳いでいる。当初の俺はビビり倒していたが、いざサメを目の前にすると、恐怖よりも興奮が勝った。


「よっしゃ、じゃあ行こうぜ!あいつらは人に危害を与えないっぽいから触ってもOKだってよ!」


俺は看板を見ながら言った。血を流していると流石に危険らしいので、職員にチェックを受けたが、全く問題がなさそうだったので、俺はさっそくプールに入った。


「ちょっ、待って、心の準備が!」

「わ、私はここで待ってますよぉ」


なんだこいつら?さっきまで俺を散々からったり、いじってきたりしたのにいざサメを前にしたら、ビビりまくってやんの。俺はここで日ごろの恨みを晴らすことにした。


「え?まさかとは思うけどビビってんのぉ?あっ、そうか!君らは弱みを握った人間以外には強く出れない小心者だもんねぇ(笑)そ・れ・じゃ・あ。勇気あるこの俺がサメのプールを横断するのを黙って見ててねぇ(笑)」


最高級のやり返し!くぅ~~気持ちがいいぜ!ゴリと翔子にはいつもやられっぱなしだからな!ひと月近く溜まっていた俺のスペシャルな鬱憤をすべて解放できて最高な気分だった。


「んじゃ行ってくるw「待て」ん?」


ゴリから俺に対して一声かけられる。俺が振り返ると、笑顔の翔子とゴリがいた。しかし、よくよく見てみると、瞳の奥が怒りで燃えていた。


「全く、好き勝手言ってくれますねぇ~このクソエロゲ童貞は(伊織先生は)

「待って何かおかしくなかった?」

「私たちをここまで挑発したんだから、後で何が待ってるか覚悟はできてる・・・よねぇ?」

「お、おう」


あっ、やりすぎた・・・ゴリと翔子がブチ切れているのは目に見えて分かった。俺は10秒前の自分を呪いながら、翔子とゴリがサメプールに入ってくるのを見ているしかなかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ヒぃ、先生!足に何か当たりましたぁ!」

「ちょっ、伊織!離れるなってのぉ!」


なんだこいつら・・・さっきまでの威勢はどこに行ったんだ・・・?

ゴリと翔子は現在俺の腕に自分の腕を絡めていた。正直歩きづらくて話してほしいんだが、二人とも中々離してくれない。


「なぁ・・・お前ら今からでも引き返せば・・・?さっき煽ったのは謝るからさ・・・」


俺はサメをもっと近くで見たかった。だからこいつら二人を剥がしたかったのだが、


「は、はあ~何言ってんの!?私全っ然ビビってないしぃ、そんなに怖いなら一緒に引き返してあげるけどぉ!」

「すげぇ分からせたくなるガキムーブはやめてくれ。じゃあ手を振り払ってもいいんだなぁ?」

「そんなことしたら、ここで叫びますよ?何をとは言いませんが・・・」

「はいはい・・・」

「いい返事ですね♡それじゃあご褒美にぃ、ってサメ!もう嫌ぁ」


サメが近づいたり、身体に触れたりすると、いちいちビビって俺と密着する面積が増えて困る・・・

客観的に俺たちを見たら、両手に花なのだろう。現に、


「あんの、クソハーレム野郎ぉ!女を侍らせて楽しみやがって!今度館長に言ってホオジロザメをプールに入れてやる!」


ジョー●かな?普通に死ぬからやめろ。サメプールの監視員が俺を見ながら血涙を流している。ゴリと翔子はサメに夢中でその監視員のセリフに気が付いていなかった。

正直、ゴリはともかく、翔子が腕に抱き着いているのは不味い。だって、あれがー


「おい、今私に対して失礼なことを考えたよなぁ?」

「記憶にございませんよ?」


こんな時でも絶壁様(笑)は絶好調だった。その殺気を出せるならこんなプール怖くないだろ・・・俺はサメのことなど忘れてゴリに殺される恐怖で覆い尽くされた。


「全く先生ったらこんな時でもエロゲのシチュエーションを妄想しちゃうんですねぇ♡」

「記憶にございませんよ?」

「ド変態なんだからぁ、っつ!また何か触れたぁ!もう嫌ぁ!!」


翔子は形の良い胸を俺の腕にまた押し付ける。もうヤバい!俺の息子がこのままではエクスカリバーにって!反対サイドのゴリを見ると、俺を殺そうと左目が、翔子に対して嫉妬の視線を右目が見ていた。器用すぎる目の使い方に俺はとてつもなく恐怖を感じた。俺はこのままだと本当に殺されかねないので、話題を転換した。


「そっ、それよりももうすぐ半分超えるぜ!」


俺はなんとか無理やり話を軌道修正した。


「そ、そうね」

「は、はい」


ゴリと翔子は今置かれた状況を思い出した。プールの真ん中につくとサメが足に触れまくる。大きさは大したものではないが、そこそこの大きさがある魚と一緒に泳ぐことができるなんて、男の夢である。が、


「せ、先生!!もうサメだらけですぅ!!足にくっついてきてます!」

「い、伊織、お願い、もう助けてぇ!!」


ゴリと翔子はもう腕どころか全身抱き着いてきた。これも男の夢なんだろうなぁ。もうゴリと翔子の身体で知らない部分なんてないと言っても過言じゃないくらいには密着していた。すると、


「あんのクソ野郎!!!俺のシャークを利用して、あんなことまで!!!俺も彼女作ったら絶対にここを歩いていやる!!」


血涙がプールに流れ、飼育員の方に徐々にサメが集まっていた。それだけではない。俺たちのように他のレジャー施設をすべてクリアした男たちが俺たちの様子を見ていた。


「なんだあれは!」「けしからん!!」「クソぉあんのハーレム野郎!」「美人と可愛い子を独り占めなんて許せん!!!」「監視員!人食いのサメはいないのか!?」


俺は嫉妬と羨望で殺されかけていた。そんなことはつゆ知らず、ごりと翔子は俺への密着を止めることがない。


「お二人さん・・・?そろそろ離れてくれると助かるんだが・・・」

「「無理」」

「さいですか・・・」


俺はそのまま翔子とゴリと引き連れながら、サメプールを横断した。直後、ゴリと翔子は自分たちが好奇の視線に晒されていることに気が付いて、そそくさと離れた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「疲れた・・・」

「ですね・・・」


翔子とゴリはプールのベンチでぐったりしていた。正直、俺の方が疲れたわ!と突っ込みたいところだったが、ぐっとこらえた。


「飲み物、後は昼だから食い物でも買ってくるが、なんでもいいか?」

「あ、うん、よろしくぅ~」

「お願いします・・・」


俺は疲労困憊な二人を残して、食い物と飲み物を調達しに行った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「まぁこんだけあれば足りるだろう」


コーラとサンドイッチにフライドポテト、後はソーセージを買った。食えなくなったら俺が食えばいいしな。俺は足早にゴリと翔子の元に行こうとすると、


「お姉さんたちぃ~俺たちと遊ばない~?」


なんかガングロな男3人組に囲まれていた。

俺はまたかとため息をつきながら二人の元へと向かった。

『重要なお願い』

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