埼玉の海(笑)で遊ぶ
いつも読んでくださってありがとうございます。
俺と翔子とゴリは3人で当初約束していたプールに向かっていた。俺たちの実家に近いので、ゴリに車を出してもらうことになった。俺は助手席、翔子は後ろに座っていた。
「プール楽しみですねぇ~」
翔子がそう切り出す。車中にに流れるAd●の新時●を口ずさんでいるところを見ると、本当に今日をたのしみにしていたことがありありと分かる。
「それなぁ~スライダーとかも結構スピードが出るらしいな」
「はい!しかもいくつか種類があるらしいですよ!」
「ほぉ~全部コンプリートしたいな」
「はい!後は飛び込み台もあるらしいです!後で勝負しましょう!」
「あいあい」
俺と翔子は一般的なプールの楽しみについて話をしていたが、ゴリは全く違っていた。てかそれ以外に興味ないと言って感じだった。
「私も楽しみ~、サメのプールに入りたいわ」
ゴリは戦闘民族なのだろうか、なぜ進んで死ににいくようなヤバいところに行こうとするのだろうか。やっぱり頭が脳筋すぎて、俺は呆れて視線を送るしかできなかった。
「サメのプールにいくなら1人で行けよ?」
「いやいや、伊織がないと死んじゃうかもしれないじゃん」
「俺を餌にするのはやめてもらおうか・・・てか普通に怖い」
「先生、グッパイ!(^^)!」
「軽いノリで言わんでくれよ」
俺はなんとかサメと一緒に泳ぐプールにだけは入らないようにすると誓った。それにしてもプールかぁ。マジでレジャー施設のプールに行くなんて何年ぶりだ?小学生の頃が最後のような気がする。俺がプールに最後に行ったのがいつかと考えていると、突然視界が閉じた。
「だ~れだ」
「答える意味ある?翔子だろ?」
翔子が後ろの席から俺の目を覆った。だ~れだって言ってもここには二人しかいない上に、ゴリは運転中なんだから、お前しかいないやろ。
「はぁ~い♡伊織先生の初めての女の子ですよぉ♡」
なにこのあざとさ、可愛い過ぎるんだが・・・
「はいはい可愛い可愛い(棒」
俺は努めて冷静に返す。ここであたふたしては相手の思う壺。だから、平静に返したつもりなのだが、
「内心物凄く動揺しているくせに、なんとか耐えようとしている先生、ベリー可愛い♡」
「心を読むなっての・・・そこまで分かってるなら俺と結婚するか(笑)?」
「「は?」」
「え?」
翔子だけではなく、ゴリも反応する。そして車中が凍る。『新時●』が車の中に響いているが、逆にそれが俺たちの間に恐ろしいくらいの沈黙を際立たせていた。俺は完全にやっちまったなぁと思っていた。とりあえずこの空気を作った俺がなんとかしなければ!ただどうしようかねぇ・・・
「せ、先生のクセに生意気です///!この鬼畜クソ童貞エロゲ野郎!」
普通にキレられました。しかも結構な言葉の暴力を添えて。
「悪かったよ・・・いくらなんでもデリカシーがなさすぎたわ」
「全くですぅ。今度何か奢ってください」
「はいはい」
今回は俺が悪ノリをしすぎたわ。その証拠に、バックミラーを見ても翔子は俺の椅子に額をぶつけて顔を上げてくれない。てかゴリがさっきから無言でちらちらと俺と後ろに座っている翔子を見てくる。こいつが全く話さないのも結構不気味だ。
「・・・何?」
「・・・別にぃ」
俺がその視線に合わせて、尋ねるとそっけなく前を向いた。翔子もゴリも完全に黙ってしまった。俺ももうこれ以上何をやっても無理だと思って、スマホで●witterを開いた。こういう時は時間が解決してくれるのを待つしかない。頼むから、現地に着くまでにはこの空気がほぐれていてくれよ。
「結婚なんて飛ばし過ぎです///(ボソっ」
その独り言が誰かさんの耳に届くことはなかった。
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「はい、着いたぁ!!!」
「いえ~い!莉奈さんありがとうございますぅ!」
「お疲れさ~ん」
現地の駐車場に着くとゴリが車から出て、テンション爆上げで叫んだ。そこに翔子がノリで合わせた。ついさっきまでの、恐ろしいくらいの沈黙が嘘だと思えるくらいには、元に戻っていた。
「そこまで混んでなさそうだな」
「ね」
「言ってませんでしたっけぇ?ここ予約制だったんですよ」
「あれ?そうなの?」
俺とゴリは全く知らない事実を知らされて驚いた。すると、翔子は
「はい!なので、伊織先生の家ですぐに予約しちゃいましたぁ」
「優秀よなぁ~」
「莉奈さん、もっと褒めてくださぁい」
「よしよし」
何はともあれ予約制ならそんなに人もいないのであろう。パッと見た感じはとてつもなく面白そうな施設だったので、人でごった返しになることを想定していたが、店側もよく考えたものだ。
「それじゃあ受付に行きましょう」
「はいよ」
「はいはい」
俺たちは施設の入場口に向かった。近づくにつれて施設の規模がどれほどかというのがわかるようになる。これは結構期待できそうだ。翔子やゴリを見ても、期待感でワクワクしているのがよく伝わってきた。
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「次の方~」
「はぁい」
俺たちの番になって受付に行く。受け付けは多少混んでいて、10分ほど待たされた。
「ご予約の番号をお見せしていただけますか?」
「はぁい、ええ~と」
「ここを押していただけると開けると思います」
「あっ、はぁい、ありがとうございま~す」
「あっ、いえ/////」
あ~あ、これは惚れたな。全く罪作りな女だな。翔子の場合は計算し尽くしているだろうが、こういう瞬間を見ると、いかにモテるのかということが実感できるよなぁ。
「それじゃあ行きましょうかぁ、先~生♡」
翔子が俺の腕をからめとってくる。柔らかいんだが、やめてくれ。周囲の男共の視線が痛い。さらにさっきまで翔子に見惚れていた受付の人が人でも殺すんじゃないかってくらいの目をしてやがる。
ゴリに助けてくれという視線を送ると、ため息をついて、翔子を俺から引き離す。
「ああ~ん、莉奈さんのいけす~」
「はいはい、それじゃあ私と翔子はこっちなんで」
ゴリが翔子を引き連れて、俺とは逆方向の更衣室に向かおうとする。
「了解。集合場所はどうする?」
「ん~、それは更衣室から出たところにしませんかぁ?初めての場所なんで目印を共有するのも難しいですし・・・」
「それしかないか。まぁ俺の方が男だし準備に時間はかからないから先に待ってると思う」
「おっけ、じゃ、また後で」
「おう」
俺たちは2手に分かれて、更衣室に向かった。すると、
「あっ伊織先生ぇ~!」
「ん?」
翔子が伝え忘れていたといった感じで、俺に声をかけてきた。なんだ?という視線を送ると、
「私たちの水着、楽しみにしていてくださいね♡」
「お、おう楽しみにしてる」
「ではではぁ~」
最後に爆弾を落としていきやがった・・・おかげで俺は更衣室で嫉妬と羨望の視線にずっとさらされることになった。
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着替え終わって、俺は外に出た。室内プールなのだが、東京ドームくらいあるんじゃないかという規模だった。流れるプールやそこかしこにあるスライダー。そして、海の波を再現したところがあり、そこではサーフィンがマジで行われていた。その隣にサメがいるプールがあるらしい。人も想定よりも少ないので、これは楽しめそうだと期待に胸が膨らんだ。
「後はあいつらか・・・」
外で待ち始めて大体5分くらい経った。目の前にレジャー施設で早く遊びたい気持ちでいっぱいなので、は待っている間が待ち遠しくてたまらなかった。すると、
「だ~れだ♡」
「さっきもやったよね?翔子だろ?」
俺は背後から目を覆われたパート2。ただちょっと待ってくれ。布面積が少ないのか、いつもよりも身体に当たる肌の部分が多くてドギマギしてしまった。そして、翔子は俺の目から手を離した。
俺が後ろを見ると、そこには
「はい正解でぇ~す。それよりも先生、どうですかぁ?似合ってます?」
相変わらず自分が一番可愛く見せられらるポーズを取ってきやがるなぁこの子。白ビキニで胸元がフリルになっている。そして、髪をシュシュでまとめて、ポニーテールにしている。可愛いという武器をより磨くための、水着を選んだのだろう。周囲の男たちはそんな翔子に見惚れていた。さらに、彼女連れや世帯連れのやつらも翔子に見惚れていて、パートナーにお仕置きされていた。ただ、
「ほれほれぇどうですかぁ?」
「っ////!!」
そこに扇情的な魅力が加わっていた。当たり前だがビキニだが布面積は少ない。いつもとは違った翔子に俺はノックダウン寸前だった。
「せ・ん・せ・い。どうですかぁ?」
翔子は前かがみになって胸を寄せる姿勢を取り、上目遣いをしてきた。俺は視線を翔子に合わせないようにして
「・・・いつもよりも、すげぇ魅力的だみょ」
噛んだ。死にたい。最悪すぎる。
「だみょって(笑)先生緊張しすぎ(笑)」
「悪かったな・・・///」
俺は翔子から目線を逸らし、早くゴリ来い!と女子更衣室を見た。もうこの子危険すぎるわ。
すると、翔子はニヤァっと笑って
俺の背中に飛びつき、耳元で
「『エロ学』にもあったシチュエーションですね♡(ボソっ」
とウィスパーボイスで呟かれた。俺の理性のダムは完全に決壊した。とりあえず屈伸をしておくべきだな。
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「それにしてもゴリは遅いな。何をしてるんだ?」
「はぁ~莉奈さんったら・・・ちょっと呼んできますね」
一向に現れないゴリに俺はしびれを切らして呟いた。事情を知っているらしい翔子は呆れながらそう言って、女子更衣室に向かった。早く遊びたいんだがなぁと子供のような心境で待っていた。
「莉奈さん!早くしてくださいよぉ!」
「ちょっ!待っ、心の準備が・・・」
「それは行かない人のセリフですぅ。水着を買いに行ったときは先生を悩殺するって自信満々に息巻いてたじゃないですかぁ!」
「それは・・・確かに言ったけど///」
「ああ~もうじれったい」
「ちょっ、翔子!引っ張らないで!」
「はい、3・2・1GO!」
「いやあ!」
ゴリが女子更衣室から出てきた。声の感じから翔子に無理やり追い出された感じだろうな。
「ゴリ、大丈b・・・」
「う~見るなぁ、馬鹿ぁ///」
俺は言葉が続かなかった。ゴリの水着はシンプルな黒のビキニだった。シンプルが故に個々人のポテンシャルを残酷なまでに突きつけるが、ゴリの場合は似合いすぎていていて驚いた。生来の手足の長さ、脂肪のないスタイル、姉譲りの顔面偏差値の高さ。この全てを黒ビキニは引き立たせていた。
「あんまし、見るなよぉ///」
「グっ///」
俺は知らぬ間に凝視してしまっていたらしい。普段勝気なゴリが恥ずかしがっているというギャップは相当な破壊力があった。後、身体を隠そうとしているがそれは逆効果だぞゴリ?むしろエロスを引き出してしまうぞ?
周囲の男はもちろんだが、女性からも羨望の眼差しを向けられていた。一部は携帯でどこかのモデルだと思って調べているくらいだ。
「いやぁ、凄いですねぇ、莉奈さん」
「あ、ああ」
「それで伊織先生」
「ん?」
「莉奈さんに感想を伝えましたか?」
「「////!」」
俺とゴリは一瞬目が合ってすぐに逸らす。正直、今のゴリと目を合わせるなんて無理だ。なんかこう幼馴染ではなく、女として見てしまうというか、とにかく不味い。
「ほれほれ~早く早くぅ~」
「おい!分かったから////腰を突っつくな///」
俺は一回咳払いをして、ゴリに向き直る。
「おい、ゴリ・・・」
「なんだよぉ///」
周囲の視線を集めて羞恥心でうずくまっていた。マジで弱っているゴリを見ると変な気分になる。さっさとすまさねば
「その、似合ってるよ///相変わらず美人だけど、より綺麗に見える・・・////」
俺の一言に天岩戸に引っ込んでいたゴリは顔を上げた。
「本当・・・?」
目をウルウルとさせながら言ってくる。すげぇ庇護欲をそそられる。
「ああ、マジだよ。最近、ゴリには驚かされてばかりだ」
「そ、そう///」
ゴリは俺の一言で立ち上がった。照れくさそうなところは変わっていなかったが、多少の元気は出たんだろう。そして、俺の方を見て、
「ありがとう伊織」
「あいよ」
俺の方を見て少し紅潮した顔でお礼を言ってきた。俺は頬をポリポリと搔きながら、ふざけた調子で返事をしたが、ここは小悪魔クオリティ。
「ああ~照れてますねぇ~先生可愛い♡」
見事に俺の内心はバレていた。全くこの元教え子は・・・
「それで伊織先生」
「ん?」
翔子は小悪魔・・・なんて生易しいくらいの悪魔的な表情をしてきた。あっ、この表情はヤバい。
「ちょっとお手洗いにー」
「どっちの水着に興奮しましたぁ?♡」
緊急回避を試みた時すでに遅し。俺は最悪の二択を迫られてしまった。
『重要なお願い』
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