同じ穴のムジカ
現在(いま)を生きる、ハートフル人情音楽コメディ。
舞台は神奈川県、横浜市と鎌倉市の境目の街・大船。
平(たいら)ミノルは二十九歳。その生涯の半分以上をヨーロッパで過ごした経歴を持つ。
海外に永く暮らすが故に自分の居場所は日本にあると確信した彼は、五年前、一念発起して故郷の商店街で『平音楽教室』を開くことを決意する。
家にはもう一人の人間――黒江さんという、常に和服姿の若い女性がいた。ふとした切っ掛けからミノルの家に居候することになった彼女は、弦楽を教える傍ら、ミノルの身の回りの世話や教室の運営に深く携わるようになっていた。
魚屋の銀蔵爺さん、警察官の室井、女子高生萌々香、インドネシアからの出稼ぎの黄戦士――
彼らはひょんなことからミノルと知り合ったり、その悩みを打ち明けたりしていくようになる。
時に教室で、時に商店街で、時に男性陣御用達の『スナック・永久(とわ)』で。
ミノルの飾らぬ人柄と触れる内に、徐々に変化して行く――
※カクヨムとの同時掲載
前略、お母様。
2016/05/28 00:29
大船。平音楽教室。
2016/05/28 00:40
一年前。その日は朝から雨だった。
2016/05/28 22:42
オバチャンの、顔を見てよぎるは八千円。
2016/05/29 00:56
高校生は思い悩むサナギ。ボキッと鳴るは腰。
2016/05/29 23:16
スナック永久。美女とジジイとむさい野郎。
2016/05/30 00:13
東京駅。駅弁と外人と、いざ大船。
2016/05/30 13:28
釜飯の器は大きいのに、私の器はちっさい異文化交流。
2016/05/31 07:36
笛吹く、はにかむ。心配する。
2016/06/01 21:05
最初と最後さえ聞けばわかる、現代社会論。
2016/06/02 23:16
女子高生は、はじけ出す決意。
2016/06/03 15:21
ハンブルグステーキは、魔法の言葉。
2016/06/05 01:20
親という謎、恋という不思議。
2016/06/05 23:06
台風の朝、吹けば飛んでくヒエラルキー。
2016/06/06 19:59
ベートーヴェンにエルガーな、男の子の日。あるいは見つかった、やりたいこと。
2016/06/07 08:00
スナック永久。変わる在り方とレゾン・デートル。
2016/06/08 19:30
たかが一年されど一年。『考えるな』で『考えろ』な芸術と現実と。
2016/06/09 23:19
ぼくのわたしのアンダンティーノ。
2016/06/11 23:57
いざ勝負。薄手の毛布を背に負って。
2016/06/13 00:57
午前十時のオレンジジュース。
2016/06/14 23:19
世にも奇妙な六重奏。マァ案の定。
2016/06/16 00:52
怒れる母親と、民衆を導く自由の女神。
2016/06/17 19:42
軋轢も戸惑いも、全部ひっくるめて。あるいは蒲公英のこと。
2016/06/21 01:12
同じ穴のムジカ。
2016/06/23 02:03
時は来たれり、夏祭り。
2016/06/27 02:22
祭りの終わりと、消失《ディスパルゥ》。
2016/07/01 00:05
消失《ディスパルゥ》と、不意の来客。
2017/01/20 02:34
かじかむ心と、ポット脇のVerite《真実》。
2017/01/21 01:32
(改)
結論。
2017/01/21 10:17
大船。平音楽教室。(リフレイン)
2017/01/21 21:58