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その果実が堕ちる前に:乙女たちへの賛歌 ~享年92歳のおばあちゃまの幼女の姿で異世界転生、ツインレイの王女を救う~  作者: 茄珠みしろ
第七章 そのいとは誰のもの?

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狐の巣① アウリティア視点

挿絵(By みてみん)

 ルベニウスのコンプレックスは、自分の母親が側室でもない愛人ってこと。

 そして自分には皇位継承権がないってことなのよね。

 だから、双子の妹のフロリアナを必要以上にいじめて憂さ晴らしをしてたのよ。

 出来損ないの双子の妹が、自分にはない皇位継承権をもってるとか、ルベニウスが気に入らないのは当り前よ。

 原作なら、ヒロインのヴィヴィアナと出会って、だんだんと自分の価値を見つけていくんだけど、この世界はあたしが知っている小説(同人作品)の世界よ。

 原作通りにあたしはこのあとルベニウスの婚約者になるの。

 最初ルベニウスはあたしのことが気に入らないけど、悪役令嬢が活躍する子の小説の世界では、あたしがルベニウスを支えることで、ルベニウスはあたしを愛するようになる。

 本物のオイドクシ公爵家の令嬢……ヴィヴィアナが帰ってきて、王家は婚約者の交換を提案するけど、最後に勝つのはあたし。

 だって、あたしはお父さん(オイドクシ公爵)の実の娘だもん。

 お母さんを大切にしてて、あたしを溺愛してるお父さんはいつだってあたしの味方。

 ヴィヴィアナが帰ってきて、悪役令嬢のあたしは原作ならヴィヴィアナをいじめて追い出そうとするけど、この小説の世界のあたしはそんな典型的な馬鹿な真似はしないわ。

 そもそもヴィヴィアナは誘拐されてないし、タンザナイト公爵家にいるんでしょ。

 あたしの邪魔をしなければどうでもいいわ。ああでも、踏み台にはなってもらおうかしら?

 出来損ないの取り巻きにしかなれないフロリアナとつるんでるんだもん。

 そのぐらいの役には立ってもらわなくちゃね。


 王宮に向かう馬車の中でニコニコと笑うあたしに、お父さんとお母さんも嬉しそう。

 あたしのおかげで王宮に招待されたんだもん、当たり前よねぇ。

 誰にも邪魔されてないこの空間は、ホント幸せ。

 でも、これからもっと幸せになるわ。

 ルベニウスのお母さんに気に入られて、あたしを婚約者にしてくれるに決まってる。

 ううん、そういう運命なの。

 馬車が止まって、あたしたちは馬車から降りる。


「へぇ」


 離宮ってしか小説には書いてなかったから、てっきり地味なところかと思ったけど、割と立派な建物じゃない?

 あー、でも認知されてなくても皇帝の子供で、皇女の旦那の愛人用に用意されたんだし、このぐらい立派でも不思議じゃないか。

 ってか、一人の男に皇帝の娘が正妻と愛人してるって、改めて考えてちょーうける!

 ドロドロの昼ドラじゃん。

 ルベニウスのお母さんって、よくもまあ自分の姉の旦那の愛人になったよね。

 小説ではルベニウスのお母さんって、皇女の旦那をめちゃくちゃ愛してるっていうか、執着してる感じに書かれてたっけ。

 でも、ちょっと金色っぽい茶髪のイケオジって感じに書かれてただけで、そんなに詳細に書かれてなかったから、イメージわかないなぁ。

 ルベニウスに似てるっていうのも書かれてなかったし、ぶっ細工なキモオジだったらどうしよう……。

 っていうか、ルベニウスのお母さんも結構きつめの美人なんだっけ?

 え? もしかして婚約時点で姑いびりとか始まっちゃう? だったらやだなー。

 小説の中ではあたしに優しいっていうか、干渉しないって感じだったけど、それってあたしがもっと後になってオイドクシ公爵家に入った時の事だもん。

 幼いあたしだったら、この可愛さにはまっちゃうんじゃない? だってあたしはかわいいし。


 そんなことを考えてたら、なんか顔がにやけそうになって慌てて口を手で隠したら、ちょうど応接室に到着して開いてるドアから見られちゃったじゃない。

 何で閉まってないわけ? クソっ。


「来たか」

「第二王子殿下。本日は娘だけではなく、私と妻まで招待してくださり感謝いたします」


 お父様が頭を下げたから、あたしとお母さんも合わせて淑女の礼をした。

 普通ならすぐに姿勢を戻すように言うはずなのに、ルベニウスはなかなか姿勢を戻していいって言わない。

 この淑女の礼ってすっごいきついから、とっとと姿勢を戻していいっていいなさいよ!


「……あら、もういらしてたんですね」


 後ろから聞こえた可愛い声に、思わずビクンって体がはねちゃって、バランスを崩してあたしはそのまま床に膝をぶつけた。


「っったい!」


 ジンジン痛む膝に手を当てて、誰がいきなり声をかけたのかって振り向けば、そこにはルベニウスと同じ真っ赤な髪の女と、少し金色に見えるかもしれない茶髪の男が立ってた。

 この人たちって、もしかしてルベニウスの両親?


「あ、あのっ……あたしっ!」


 慌てて立ち上がろうとしたら、ルベニウスのお母さんに手を差しだされた。


「あたくしが急に声をかけてしまって、驚かせてしまいましたね。ごめんなさい。さあ、お立ちになって」

「はい」


 遠慮なく手を掴んで立ち上がれば、お母さんが顔を上げて心配そうにあたしを見てる。

 それなのに、お父さんはまだルベニウスに向かって頭をさげたまま。

 はぁ? かわいいあたしの事は心配じゃないってこと?


「オイドクシ公爵もどうぞ姿勢を楽にしてください。ルベニウスの意地悪がすぎましたね」


 言われて頭を上げたお父さんが、今度はルベニウスのお父さんに頭を下げた後、彼のお母さんに頭を下げた。

 頭を上げていいって言ってくれたのはルベニウスのお母さんなんだから、先にそっちにお礼を言うべきじゃないの?

 ったく、あたしがフォローしてあげなくちゃだめなやつなの?


よろしければ、感想やブックマーク、★の評価をお願いします。m(_ _)m

こんな展開が見たい、こんなキャラが見たい、ここが気になる、表現がおかしい・誤字等々もお待ちしております。


あ、この作品のPVあります。

見ていただけるとヒャッホーーーーーーーーーイって飛び上がった末の感謝の土下座をします(イマジナリーで!)


↓ こちらです。楽曲もオリジナルです!歌詞頑張りました!

https://youtu.be/lGgzV-qP2d4?si=qfMnJDU_K_SPcavB


↓ 曲 2バージョンあります(歌詞は同じです)

https://youtu.be/0_eG4LgSRxc?si=sVh6MfslAAvzeO6r

https://youtu.be/6nR6zqxGNPY?si=SRqlyHR7kBCSOvNL

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