15話 ヴァルツ
さらと快は保健室へ、菜結香たちはそれぞれ
教室に戻った
教室に戻る前に菜結香が快とさらの担任の先生に
保健室にいることを伝えた
保健室に行くと、養護教諭の前川先生がいた
「噂の転校生じゃない」
「どうしたの?」
快とさらは編入試験を受けて、入学した為
先生達の間でも噂になっていた
「怪我をしてしまって、少しいてもいいですか?」
さらはかすり傷程度で済んだが、所々怪我を
している
「転んだりでもした?」
前川先生は脱脂綿に消毒液をつけて、手当してくれた
「そんな所です」
「構わないけど、落ち着いたら戻りなね」
「ありがとうございます」
さらと快は会話を聞かれないように保健室の奥にある
机がある部屋に行った
「ここなら、大丈夫じゃね?」
「そうだね」
さらは簡単に起きたことを快に説明した
「さらのクラスでそんな事が…」
「篠原って子、戻ってこないのか?」
「そう」
快もまた、さらと同じことを考えていた
「あの薬か?」
「俺たちが懲らしめる為に使って怒られたやつ」
さらたちの暮らす世界では人間界と同じように
薬が流通されている
病気を治す薬や、サプリメントなどだ
人間界と違うのは人を懲らしめる為に存在するものや
仲を引き裂く薬だ
そういうものについては時間が経てば、効力を失うものや特効薬などがある
「そう」
「あの甘い匂いはその薬よ」
「あの薬は時間が経てば、効力を失うはずだぞ」
「何が問題なんだ?」
「人間界に広まりつつあること、目的は?」
快は無頓着だったが
さらが不思議に思ったのは人間界に広めた理由
「それにヴァルツってなに」
「ヴァルツってこの間の夜の奴の仲間じゃないか?」
さらたちは学校に編入する前、四ツ井学園に来ていた
そこでの戦いの後、謎の声を聞いていたのだ
「それって、私たちと同じく、太陽の国の姫を探しているってこと?」
「あの男は、そいつらの仲間ってこと?」
「おそらくな」
ヴァルツの目的は太陽の国の姫君をさらたちと同じく
探していること
怪物カルネヴァの復活を目論んでいる
「仲間って何人いるのよ」
「もしかして、封印が弱まりつつあるのって
ヴァルツが原因なんじゃ」
「快にしては、察しよくない?」
「変なものでも食べた?」
「食べてないわ」
「俺だって、こういう時は頭働くんだよ」
快とさらが騒いでる頃
ヴァルツでは……
先程のフードを被った男がヴァルツ様の元へ報告に行っていた
「ヴァルツ様、彼らに邪魔をするなと忠告してきました」
「クラムか……」
「太陽の姫君は見つかったか?」
「申し訳ありません」
「まだです」
ヴァルツはさらたちよりも早く、太陽の国の姫を
見つけださないといけない……
「彼らよりも早く、見つけ出せ」
「カルネヴァ様、復活の為には姫君が必要なのだ」
「カルネヴァ様を復活したら、何をなさるおつもり
ですか?」
「あの時と同じ人間界の滅亡だよ」
16年前、あと一歩の所で能力者によって封印されて
しまったのだ
それからというもの……
十数年と時が流れ、現在に至るのだ
「カルネヴァ様は今、どこに封印されているのですか?」
「体を5つに分けて封印されたとしか……」
「ある程度の検討はついている」
「カルムよ能力者の動きだけ、注意せよ」
「仰せのままに」
「能力者よ今にみておれ」
「必ず、人間界を滅亡に追い込んでやる」
不気味な笑い声だけが部屋に響き渡った




