第9話 「こ、これはこれは宰相殿。どのようなご用件でここに来たのでしょうか?」
この王国でもっとも重要な問題。それは、財政問題である。
「算術に強い学生はどこにいるかな?」
私は、学園に入るとちょうど偶然近くにいた教授らしき人物に声をかける。男だ。メガネをかけていていかにも知識があります。そんなオーラをまとった男だ。
教授らしき人物は、私がついこないだ就任したばっかりというのに宰相だということにすぐに気づいたようだ。
「こ、これはこれは宰相殿。どのようなご用件でここに来たのでしょうか?」
なんかものすごく誰かに胡麻をするような商人に見えてしまった。言い方がひどいが誰かの下について上の様子を見る。そんな人物に見えてしまった。
「実は、新しく大臣を複数採用する政治形態を実現したいと考えていてな。国王にはもう許可をもらっている。そこで、財政問題等この国で今、問題になっている様々なことに対応できる人材を探しているのだ」
私は教授に説明をする。本当に教授かどうかはわからないが。
「そうですか……ちなみに私はアッシュと言います。この王立学園において魔法力学を専門としている教授です」
……本当に教授だったのか。ただ、魔法力学という学問がどういったものがどうか分からないが、この世界には魔法が存在するということだけが分かった。だが、魔法は私の考えている問題を解決できる人材ではないな。
この教授は私にすり寄ってきている。おそらく、いきなり自己紹介をしたのも私にいい仕事をもらえると思ったからだろう。だが、その考えは甘いぞ。
「なるほど。アッシュ教授。魔法力学がどういったものなのか私には未知の領域でわかりません。その専門の道を貫いてください」
私は、そう言うと別の部屋を目指した。
後ろをちらりと見てみる。
かなり悔しそうにしていた。やはり、良い職を求めていたのか。私ぐらいの政治家になると下心ぐらい見抜くことができるんだぞ。魔法みたいだろう。そんなことを誰にも言うことができないがな。
「さて、次はどこに行けば面白い人材がいるのだろうか」
面白い人材にまだ見つかっていないので、早く見つけたい。
この学園は広いからいる気がする。
「財政問題を解決できるような人材。数字に強く、税にも詳しい人物。そんな都合のいい人物がこの学園のどこかにいないか」
まあ、いるわけないか。広いからいる気がするが、でも、いないか。
私はそう勝手に判断し、学園内を歩く。
──???(学園内のある教室)
ハックッション
「ん? 誰か俺のうわさ話でもしたか?」




