第14話 「ここが、ルルーラの研究室です」
研究室に向かう。
そして、着く。
「ここが、ルルーラの研究室です」
「ああ、ありがとう。アイリーン君」
「いえ、お役に立ててたなら光栄です」
アイリーンの顔は少し赤くなっていた。よほどうれしかったのだろうか。
まあ、それはいい。
それよりもさて、どうしたものか。
ルルーラの研究室の前にいるが、なかなか緊張する。
「本当にここか?」
「ええ、そうですよ」
アイリーンがここへ案内する前に目を背けたりしていた。そのことがすごい気になっている。よほどの変人であることに違いない。だからこそ、会うのが怖い。恐ろしい。政治家がそんなことを思ってはいけないと思うが、いかんせん私も人間だ。恐れ、恐怖はある。
「さあ、さあ、入りましょう」
アイリーンがものすごく元気だ。
何でだろうか。それは、やはりルルーラが関わっているのだろうか。本当にどういった人物なんだろうか、ルルーラという人物は。
コンコンコン
扉をノックする。
「……」
「…………」
中から返事がない。
「これは入っていいのかね?」
私は、アイリーンに確認する。
アイリーンは、私の言葉に対して答える。
「勝手に入ってもいいんじゃないですか。彼女まったく出てきませんし」
「……そうか」
そもそも彼女って女性だったのか。ルルーラという人物についての情報がどうにか1つだけ増えた。だが、まだまったく彼女の正体について分からない。
「し、失礼するぞ」
私は、恐る恐る部屋の中に入る。
「うっ」
部屋に入ると何だこの部屋は、となった。
部屋はとても汚かった。失礼な言い方になるが女性の部屋とは完全に思えなかった。
部屋の隅々に機械が放置されている。作りかけのものもあれば、作り終わっているようなものもあった。どれもこれも見たことがない機械だった。
そもそもこの世界にも機械は存在しているんだな。
つまり、私はこの時点でわかったことがある。ルルーラは研究者。それもかなり異端の研究者なのだろう。
この部屋はかなり広いはずだ。だが、機械が多すぎて狭く感じてしまう。
「どこにいるんだ、ルルーラは?」
「多分、いつもだったら一番奥にいるはずですよ」
「一番奥、か」
私は、そう言われたので部屋の奥に進んでいく。奥に進むごとにどんどんと部屋の隅においてある機械がカオスになっていく。さらにかろうじて機械の間を縫って通っていたが、その機械と機械の間も狭くなっていき進むことが困難になって来た。
「おい、これどうやって生活しているんだよ」
つい、若いころのようなツッコミをしてしまった。
こんな通路じゃこの部屋から出ることもかなり困難だ。だから、どんな生活をしているのかとても不思議に感じてしまった。
「あっ。あそこにいます!」
アイリーンが叫ぶ。
アイリーンが指をさす。その指の先に机に向かってもくもくと作業らしきことをしている1人の女性がいたのだった。
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