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29.赤いマフラーってかっこいいよね



 今日は午前中だけ迷宮に入り、午後から服屋を回った。上は白い服に下は黒いパンツ、革のブーツに革の鞄を買った。冒険者の標準スタイルといってもいい。

 やはり見た目は大事だ。気合いの入り方が違う。うん、いい買い物をした。しかし、ありきたり過ぎる気もする。

 他の冒険者にはない何かワンポイントがあればいいのだが…


 色々とお店を回っていると少し路地裏に入った所が騒がしかった。



「このぼったくりがー! 足元見やがって! 2度とくるかこんな店!」

「ヒッヒッヒッ、才覚もお金もない貧乏人に用はないよ」


 3人組の冒険者は店の扉を勢いよく閉めると文句を言いながら立ち去っていった。それにしても今の笑い声、どこかで聞いた様な…

 俺は気になって店の中を覗いた。



「あ!」

「ヒッヒッヒッ、また会ったね小僧」


 何年か前にハルシオンの街で出会って、収納魔法を買ったお店のおばあちゃんだった。



「なんでここに?」

「ヒッヒッヒッ、商売人の勘ってやつさね。お前さんらは儲かりそうと思って店を移転したのさ」


 どういう意味だろう?

 寧ろあの時は、まけて貰ったし儲からなかったんじゃ…



「それよりも、今日は嬢ちゃん2人はいないのかい?」

「ジャンヌとルナなら村にいますよ。俺は今年10才になったから冒険者になりました」


「なんだって⁉︎ あの2人は来てないのかい?」

「まぁ…だってあの2人はまだ9才だから来るとしても来年ですよ」


 おばあちゃんは相当ガッカリした様子だった。確か鑑定でもあの2人に驚いていたから、あの2人なら儲かると判断したみたいだ。



「まぁお前さんがいるだけでもいいか」

「え? それって俺のステータスも凄かったんですか?」


「鑑定の儀を終えてるなら、まぁええか…正直に言うとあの賭けの時、お前さんのステータスは見れんかったんじゃ…」

「ああ…文字化けしてましたもんね」


「文字化け…神のウッカリか…」

「はい。3つの職業スキルの内2つも文字化けしてて、後の1つは冒険者Lv5でした」


「……普通じゃな」

「……はい」


 そうハッキリ普通って言わなくても…まぁ別にもう気にしてないけど。



「どれどれ、もう一度視てみるか……ふむ、どうやら今度はちゃんと視られるみたいじゃな…ふむ、本当に文字化けしておるな……それにしてもお前さんスキルの量が多いのぉ」

「そうなんですか?」


「スキル大魔術とは恐れ入ったわい、それに鑑定のスキルも覚えたみたいじゃな」

「はい、鑑定の儀の日に覚えました」


 そういう意味ではあの日、鑑定の技能書ではなく収納魔法を買って正解だった。被ったら最悪だったし、結果的に両方を手に入れる事が出来た。おばあちゃんのオススメのおかげだ。



「じゃが固有スキル『半魂』のせいで5までしか上がらんのか…」

「……はい」


「お前さん…」

「はい?」


「凄いのか凄くないのか分からんのぉ…」

「……」


 それは俺も常日頃から思ってます。まぁ今のところは困ってないから問題ない。地道に頑張っていつか英雄になるんだ。




「それで、何か欲しいもんでもあるのかい?」

「あ、えっと…気になって覗いただけで…」


「なんだい冷やかしかい?」

「すみません。まぁ欲しいものならあるんですけど…」


「何が欲しいんだい?」

「この格好見てどう思います?」


 俺はその場でクルリと回ってみせた。



「いかにも普通の冒険者って格好だね」

「ですよね。なので何かワンポイントあれば…」


「ヒッヒッヒッ、収納魔法を買った時も思ったがお前さん、他と一緒は嫌なタイプだね」

「…否定はしません」


 定番は勿論いいのだがそこから更にワンポイント他とは違う感じがいいのだ。凄いものより珍しいもの派。おばあちゃんは「ふむ」といった感じで少し悩んでいた。



「む、ならこれはどうだい」

「これは…!」


 おばあちゃんが取り出したのは、真っ赤な首巻き…マフラーだった。



「『雷火のマフラー』、火と雷を司るマフラーで装備者の攻撃力と速さを少し上げる優れものだよ」

「か、カッコいい…!」


 おばあちゃんは完全に俺の好みを把握していた。



「いくらですか!」

「ヒッヒッヒッ、そうさね100万Gでいいよ」


「高っ!」

「魔道具だからね、これくらいはするさ」


 ぶっちゃけ手持ちはない。おばあちゃんも分かってて言ってる。



「なら賭けをしようじゃないか」

「え、また…?」


 おばあちゃんは商売人よりギャンブラーの方が向いてると思う。



「Fランクのお前さんが1ヶ月で100万G稼げたらコイツを50万で売ってやる。ただし稼げなかったらコイツを200万で買ってもらう! どうだい?」

「1ヶ月で100万…出来なかったら200万…」


 1日1万稼ぐとして1ヶ月だと全然足りない。最低でも1日3〜4万は稼がないと。今のペースでは到底間に合わない。



「どうすんだい? この勝負降りるならコイツは他の奴らに売っちまうよ」

「くっ、欲しい…」


 しかし方法が分からない。どうすればいい…でも欲しい。



「どうすんだい?」

「や、やるよ!」


「ヒッヒッヒッ、毎度あり」

「まだ買ってもないのに⁉︎」


 いや、おばあちゃんからしたら俺がこの勝負を受けた時点で雷火のマフラーの購入は決定事項。50万or200万で確実に売れた訳だ。



「あ、本当は50万もしないなこのマフラー!」

「ヒッヒッヒッ、今更気づいてももう遅いよ。前回の負け分はアンタからキッチリと搾り取るからね」


 なんて、ばあさんだ…

ステータス


【名前】

ユーマ

【職業スキル】

冒険者5 、勇者王5、大魔王5

【固有スキル】

半魂

【スキル】

剣術4、速読2、剥取り2、罠師2、研師2、採掘2、縮地2、天駆2、身体強化1、弓術1、鑑定5、大魔術5、地図1、空切1

【魔法】

ライジングテンペスト、アイテムボックス【小】

【装備】

十握剣、ナトゥリエルの弓、冒険者の服

【収納魔法内】

剥取りナイフ、罠道具、砥石、子供用採掘道具

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